生まれてすぐに病気になる子どものメカニズム
患部が赤くなったり腫れたりする理由
予防接種をしたり虫に刺されたりすると患部は赤くなり腫れます。この赤くなって腫れるメカニズムはどうなっているのでしょうか?
その答えは、体内に侵入した異物を排除しようと「免疫が働きその後に、体液が集まる」ことで赤くなったり腫れたりするのです。つまり、患部を治そうとする身体の反応なのです。
しかし、その反応が過敏なタイプの人がいます。例えば、インフルエンザの予防接種で患部が異常なまでに赤く腫れ上がったり、人と食事をしていて同じ食材で一人だけ、蕁麻疹がでたりするタイプです。
そのようなタイプの人を「免疫反応が過敏なタイプ」と私は表しています。
生まれもって「免疫反応が過敏なタイプ」の子どもがいる
生まれてすぐに、喘息やアトピー性皮膚を発症したり、離乳食の際に多種の食品にアレルギー反応を示す子どもがいます。
そのようなお子さんは、遺伝的に「免疫グロブリンE(IgE)数値が高い」ことが多いです。
生まれもってIgEが高いとダニや埃、または食材などに過剰に反応してしまいます。そのことで体内は異物を排除しようと免疫の攻撃が過剰になります。
免疫が異物を攻撃することで私たちは生命維持ができています。しかし、その免疫の働きが過剰過ぎると、異物を攻撃する際に、正常細胞にも「流れ弾」が及び、正常細胞が傷つきます。
つまり、生まれつき「免疫反応が過剰なタイプ」は、体内に侵入してくる物質が悪さをするか、悪さをしないかの見極めができません。したがって、悪さをしない物質も「敵」と認識して攻撃してしまうのです。
貴方の免疫は新人警察官かベテラン警察官か
例えば、渋谷の?華街の交番に、新人の警察官が赴任したとします。新人警察官は素行の悪い人を手当たり次第に職務質問したくなります。一方、ベテラン警察官は、素行の悪そうな人の中でも「こいつは、怪しい」と感じた人だけに職務質問をします。
上記で例えたように、健康な人の免疫はベテラン警察官で、病気の人の免疫は新人の警察官ということです。
つまり、正常な免疫は、身体にとって悪さをする異物か? 悪さをしない異物か? を瞬時に見分け、悪さをする異物にのみ攻撃します。
しかし、生まれもって免疫反応が過敏なタイプは、悪さをしない異物に対しても攻撃を仕掛けてしまうのです。
そのことで体内は常に炎症状態になり、微熱が続いたり慢性的な疲労感に見舞われたりします。
免疫反応が過敏なタイプを正常化する方法
「免疫反応が過敏なタイプ」は、異物を体内に入れないように、皮膚や粘膜などの感覚器官に存在するセンサーが過敏に働きます。
過敏なセンサーからの情報が免疫細胞に伝わり、免疫が過剰な攻撃を仕掛けます。そのことで患部と周辺の正常細胞まで炎症状態になります。
つまり「免疫反応が過敏なタイプ」は免疫が単独で過剰に働いているのではなく、皮膚や粘膜などの感覚器官に存在するセンサーからの情報によって働いているのです。
先人は、乾布摩擦で喘息が治ると説きました。その真意は、硬いタオルで摩擦すると皮膚や粘膜などの感覚器官の過剰が正常化し、免疫細胞に不必要な情報を送らなくなるということです。
先人の知恵には驚かされます。
専門家に診てもらうだけではなく自宅ケアの重要性を理解する
1か月で病院や治療院で診てもらうのは、2〜3回が平均だと思います。見方を変えれば、30日(1か月)で2〜3日だけということです。
つまり、病院などに行かない日が多いということです。そこで私は、患者さんに「自宅での皮膚刺激法」の重要性をお伝えして実践するように説いています。
自宅での刺激法とは、サランラップの芯や丸太、または自宅にある刺激器具を使い、自分の体重を利用して皮膚刺激をするのです。
自分の体重を使い寝ながら行う自己指圧は、しんどくなく気持ちがいいことで継続して行うことができます。
また、子どもに対しては親が、指圧したり簡単な道具を使って刺激したりします。
そのように、皮膚を気持ちよい圧で刺激することで、皮膚や粘膜などの感覚器官の過敏さは減り、正常感覚に戻っていきます。
感覚器官が正常感覚に戻る期間は個人差がありますが、地道に刺激法を継続することで大多数の人の免疫過剰が正常化します。
なぜなら、皮膚を刺激することで感覚器官のセンサーが正常化するのは「人間に備わっているシステム」だからです。
私は、独立して30年になり、延べ、約8万人(2019年現在)の患者さんを診てきました。その中で治る人、治らない人の差は多種の原因がありますが、治る人の多くは、自宅ケアを実践できた人と言っても過言ではありません。
最先端の医療の実績は素晴らしいですが、病院では治らない病気も多くあることは事実です。病院では原因は分からず、中々、結果が出ていない人は、皮膚刺激を健康法に取り入れてはいかがでしょうか?
このページに記載したことをより深く理解するには、起立性調節障害の発症理由:「免疫が過剰なタイプ」を参考にしてください。
川本療法の神髄を伝授:無料メルマガ登録
生まれてすぐに病気になる子どものメカニズム 関連ページ
- 体について勉強していくと、病気は治せないことが分かる
- 健康な人は、異物に対する免疫反応が正常である
- 「育てにくい子」が病気になるメカニズム
- 幼少期の抗生物質の服用と病気の関係
- 小胞体ストレスとB級品タンパク質の関係
- うたた寝したら、なぜ風邪を引くのか
- 老人ホームの入居者は、花粉症になる人は少ないが肺炎患者は多い
- 蜂に刺されて腫れる人、腫れない人
- 子宮頸がんワクチンの副作用から免疫を紐解く
- 細胞は復元されるなずが、、:リウマチが治らない理由
- 非ステロイド性抗炎症薬の機能を紐解く
- 「咳ぜんそく」は薬の副作用で発症する
- 自律神経の乱れが細胞修復を妨げ、病気を引き起こす
- 「食べれる」「呼吸できる」「出せる」「寝れる」ができると病気にならない
- ミトコンドリアが作るATPが、自然治癒力の源である
- 細胞を修復してくれる物質に「ヘモグロビン」がある
- 脳を正常に動かすには栄養が必要である
- 遺伝の影響により細胞の復元能力に差ができる
- 5000種ある体内酵素が、細胞復元と病気の発症に影響を及ぼす
- 糖鎖の働きが健康維持には重要である
- 後天的な要因が細胞の遺伝情報に影響を与える
- 体内で発生する毒素が病気の原因になる
- 体内毒素の処理能力に個人差がある
- アトピー性皮膚炎・膠原病・癌になる人の違いはどこにあるのか
- 生体水(体内に存在している水)が弱いと体内は酸化する
- 活性酸素の発生メカニズムと、その働きを紐解く
- 血管内を流れる血液が血管の細胞に傷をつける
- 過酸化脂質・糖質・タバコが血管の細胞を傷つける
- 合成界面活性剤は細胞にとって大敵である
- 小麦グルテンは、小腸壁の細胞を壊す
- 女性ホルモンや尿酸は、活性酸素を強力に除去する
- なぜ、男性は腸が弱いのか
- 食事から摂取する抗酸化物質の働き
- 骨折により変形した関節は、なぜ元に戻らないのか
- DNA・RNAが傷ついたとき、細胞復元を助ける核酸の役割とは
- 肝機能によるタンパク質合成能力が、細胞の復元に影響を及ぼす
- 背骨の配列のズレが、細胞復元に影響を及ぼす
- 体液(血液・リンパ液)が汚れると病気になる
- 体に必要な栄養素が不足すると病気になる