うたた寝したら、なぜ風邪を引くのか
風邪が流行っていないのに風邪を引く
冬になると気温が下がることや、空気が乾燥したりすることで風邪ウイルスが繁殖しやすくなります。したがって、インフルエンザなどの流行性の風邪を患う人が増えます。そのような流行性のウイルスによって風邪症状を生じるのは理解出来ます。
しかし、多くの方は「何もしていないのに風邪を引いた」という経験があると思います。例えば、ソファで「うたた寝」をして起きた際に、風邪症状が出ていることがあります。その短時間のうちに「海外から風邪ウイルスが飛んできて、しかも私だけにうつったのかな」など冗談めいたことを考えたりもします。
それでは、インフルエンザなどが流行っていないのに風邪を引いてしまうメカニズムはどのようになっているのでしょうか。
臓器・器官にまんえんした細菌・ウイルスは共存している
人は産まれてから多くの感染症に罹ります。そのことによって、細菌・ウイルスに対して抗体ができることで抵抗力がつきます。そう考えれば私たちは細菌・ウイルスのお陰で強くなっていくとも考えられます。
しかし、人には遺伝的に弱い臓器・器官があります。その場所は神経命令が弱く、血液循環が悪いため、細菌・ウイルスがはびこりやすい状況にあります。
風邪などで細菌・ウイルスが侵入した際には、免疫の力でそれらを退治します。しかし、全ての細菌・ウイルスを退治できるわけではありません。一度病気になった箇所には、免疫の攻撃から逃れた細菌・ウイルスが一生涯棲み続けます。
例えば、喉の弱い人は気温の変化などで、すぐに喉が腫れます。また、膀胱炎を繰り返す人は、少し無理をしただけで膀胱炎を再発します。
上記のことが起こるメカニズムをまとめます
@病気を引き起こした細菌・ウイルスは免疫から逃れ、各個人の弱い箇所に一生涯共存する
A体が元気な時は、弱い箇所に共存している細菌・ウイルスは活動できない
B寝不足やストレスなどで体調が弱ると、弱い箇所に共存している細菌・ウイルスが「この時とばかり」に活動する
C活動を開始した細菌・ウイルスにより、風邪のような症状が出る
このように、インフルエンザなどが流行していない場合の風邪症状は、体調が弱ることで体内の細菌・ウイルスが増えたことに起因します。
したがって、このような症状の時に抗生物質を服用したとしても、生き残った細菌・ウイルスは既に薬に抵抗力を持っているために死滅させることはできません。
いつも同じ箇所が腫れたり、炎症する理由
「私はなぜ、いつも左の肺が肺炎になるのか?」「僕は、いつも右の耳だけが中耳炎になるのか?」など、個人によって病気が発症する箇所はある程度決まっています。
左の肺ばかり肺炎傾向が出る場合に、医師は「左の肺が肺炎ですね」とレントゲンをみればわかることを説明します。
また、右耳が弱く中耳炎になると、医師は「プールで水が入ったのでしょう」と説明します。
本当に知りたいことは、「なぜ左の肺だけが肺炎になりやすいのか」です。そのような根本的説明を行わない病院に対し、疑問が出てきます。
副腎が弱ると免疫が過剰になる
人が成長していく過程で、多くの細菌・ウイルスの影響を受けます。その細菌・ウイルスが体に対し「攻撃をして死滅させるか」、「攻撃をしないで黙認するか」の判断をしている器官があります。
1つは、胸腺です。胸腺のことを私は「胸腺警察学校」と名付けています。ようするに、胸腺の役目とは、「侵入してきた細菌・ウイルスに対し攻撃を仕掛けるか否か」の判断を白血球に教育している器官です
しかし、胸腺は18歳ほどで退化して役目を終えます。
そして、もう1つは副腎です。胸腺が退化した後は、胸腺の役目を副腎が引き継ぎます。副腎は胸腺と同様に、白血球を教育しています。
副腎はその他に、ストレスに対応する器官です。ストレスが続くと副腎は弱り、その影響で白血球への教育力が低下してしまい、免疫に異常を生じはじめます。
ストレスにより副腎が低下した際は体の弱い箇所に共存している細菌・ウイルスを必要以上に攻撃することで、風邪に似た症状がでます。
自分の弱い箇所を強くしない限り、同じことを繰り返す
日本人は健康保険の恩恵を受け過ぎてしまっています。欧米人が1年間で病院に行く平均回数が3回ほどに対し、日本人は平均18回も病院に行きます。
軽い鼻水や咳ぐらいでも症状を止めてほしいがために病院に行きます。ただ、このとき医師は、体のメカニズムを説明し、薬を必要としない症状であれば処方を控えるべきです。
炎症とは、体で増殖した細菌・ウイルスと免疫が戦っている証拠です。それを薬によって症状を抑え、病気が治ったと考えるのは違います。
お伝えしたいことは、自身の弱い箇所にしか細菌・ウイルスははびこりません。したがって、薬の服用よりも、その弱い箇所を強くするための努力が必要になります。
その方法は、自己指圧の必要性のページを参考にして下さい。
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