免疫過剰と小胞体ストレスの関係
病気とは、「患部の細胞を復元できないこと」である
骨が折れた場合、一般的には「骨が傷んだ」と解釈します。しかし、実際は骨を構成している細胞が傷んだということです。
また、胃潰瘍になった場合、「胃の壁が傷んだ」と思いますが、実際は胃の壁を構成している細胞が傷んだということです。
人の体は60兆個の細胞から構成されているといわれています。ようするに、病気とは「病気になっている患部の細胞が傷み、その細胞を復元できていない状態」といえます。
体内の60兆個の細胞のうち、毎日3000億個が壊れ、新たに造りかえられています。また、1日に100万個ほどの細胞がガン細胞になっていきます。
そのことから考えれば、人は病気やガンに侵され生存できないはずです。しかし実際は、多くの人が健康で生活しています。
なぜなら、人の体には傷ついた細胞を復元する能力が備わっているからです。
血液検査で見る、CRP(炎症反応)とは何を指すのか
血液検査に「CRP(炎症反応)」を調べる項目があります。このCRP(炎症反応)を測ることで、体の内で炎症がおこっているかどうかを知ることができます。
では、このCRP(炎症反応)とはどのような物質なのでしょうか?
CRPとは、C-リアクティブ・プロテインの略で、炎症により細胞の損傷が起こると、その細胞を治そうと血清中に増加するタンパク質(アミノ酸)のことです。
このように聞くと、このタンパク質が炎症を引き起こすようなイメージをもってしまいますが、本質は全く逆の働きをします。
ようするに、体で異常が起こったときに、患部に集まりその部分を修復してくれているのがタンパク質だということです。
その集まったタンパク質(CRP)の量を血液検査で調べることにより、体内で起こっている炎症の重症度を調べることができます。
下記のような病気を患った際に、血液中のCRP(炎症反応)は高くなります
・ウイルス性感染症
・細菌性感染症
・悪性腫瘍
・心筋梗塞
・膠原病
大きく分類すると、上記した疾患でCRP(炎症反応)の値が増えることが多いです。
また、細胞組織の損傷や壊死を引き起こす外傷、熱傷などを負っている場合でもCRP(炎症反応)の値が上昇することがあります。
B級品タンパク質が生産される
体内の細胞を修復して正常な状態に戻しているのはタンパク質(CRP)であり、その働きがないと細胞は修復はできないことは上述しました。
しかし、大きな問題が生じています。現代人は、ストレスなどが原因で免疫が過剰になっている人が急増しています。
免疫が過剰ということは、攻撃が過剰ということであり、過剰な攻撃が正常細胞にまで及んでしまい、正常細胞が傷つきます。
人の持っているシステムを駆使し、損傷した正常細胞を修復するためにタンパク質が動員されます。
しかし、たび重なる攻撃で、損傷した箇所を修復するタンパク質の生産回数が増えすぎ、タンパク質の「質」が低下してしまうという問題です。
つまり「タンパク質の質の低下=B級品のタンパク質」が生産されてしまうということです。
「B級品のタンパク質」では、損傷箇所を遺伝子の設計図通りに修復できない、つまり、未完成な修復になるということです。
この「B級品のタンパク質」は、遺伝子からみれば「異物」と認定されてしまい、攻撃の対象になってしまい、当初とは違うメカニズムの炎症が起こってしまうのです。
その炎症箇所を、再度、タンパク質が治しに集まってくるのですが、材料が「B級品のタンパク質」のため、患部はまた、完全修復されません。
そのことで免疫は再度、「B級品のタンパク質で修復した患部」を敵とみなし攻撃しにきます。
何度も何度も、タンパク質を生産することで生産場所である「小胞体」は疲弊してしまいます。その状態を「小胞体ストレス」といいます。
「小胞体」の疲弊を軽減するには、免疫反応を正常化せねばなりません。
免疫過剰を正常にする方法
免疫力が低下することは、感染症などを発症してしまいます。しかし、免疫が過剰過ぎると敵を過剰に攻撃してしまい、その攻撃が正常細胞にまで及び、正常細胞まで損傷してしまいます。
つまり、免疫力は低すぎても過剰過ぎてもいけないということです。
ここで、現代人に多い免疫過剰を正常にする方法をお伝えします。
それは「皮膚(神経)刺激です。
先人は、乾布摩擦で喘息(ぜんそく)が治ると説きましたが、その意味は、皮膚という感覚器官と免疫細胞が関係しているからです。
ここで皮膚と免疫細胞の関係についてまとめます。
@皮膚(感覚器官)が過敏だと、何らかの刺激を「怖い」と感じ過ぎる
A「@」の情報が、過剰な免疫細胞に伝わる
B過剰な免疫細胞は、患部に白血球やリンパ球を大量に動員する
C過剰な免疫細胞の攻撃により正常細胞も傷ついてしまう
上記したように、皮膚(感覚器官)が過敏だと、免疫細胞の働きも過剰になるということです。
そのような状態を改善する方法があります。それは自宅でできる「自己指圧」です。
簡単な道具で自己指圧を実践することにより、過剰な皮膚感覚を「手なづける」ことができます。
運動療法や栄養療法など以外にも自己指圧を健康回復のメニューに取り入れて頂ければと思います。
自己指圧の重要性についてはここのページを参考にしてください。
川本療法の神髄を伝授:無料メルマガ登録
小胞体ストレスとB級品タンパク質の関係 関連ページ
- 体について勉強していくと、病気は治せないことが分かる
- 健康な人は、異物に対する免疫反応が正常である
- 生まれてすぐに病気になる子どものメカニズム
- 「育てにくい子」が病気になるメカニズム
- 幼少期の抗生物質の服用と病気の関係
- うたた寝したら、なぜ風邪を引くのか
- 老人ホームの入居者は、花粉症になる人は少ないが肺炎患者は多い
- 蜂に刺されて腫れる人、腫れない人
- 子宮頸がんワクチンの副作用から免疫を紐解く
- 細胞は復元されるなずが、、:リウマチが治らない理由
- 非ステロイド性抗炎症薬の機能を紐解く
- 「咳ぜんそく」は薬の副作用で発症する
- 自律神経の乱れが細胞修復を妨げ、病気を引き起こす
- 「食べれる」「呼吸できる」「出せる」「寝れる」ができると病気にならない
- ミトコンドリアが作るATPが、自然治癒力の源である
- 細胞を修復してくれる物質に「ヘモグロビン」がある
- 脳を正常に動かすには栄養が必要である
- 遺伝の影響により細胞の復元能力に差ができる
- 5000種ある体内酵素が、細胞復元と病気の発症に影響を及ぼす
- 糖鎖の働きが健康維持には重要である
- 後天的な要因が細胞の遺伝情報に影響を与える
- 体内で発生する毒素が病気の原因になる
- 体内毒素の処理能力に個人差がある
- アトピー性皮膚炎・膠原病・癌になる人の違いはどこにあるのか
- 生体水(体内に存在している水)が弱いと体内は酸化する
- 活性酸素の発生メカニズムと、その働きを紐解く
- 血管内を流れる血液が血管の細胞に傷をつける
- 過酸化脂質・糖質・タバコが血管の細胞を傷つける
- 合成界面活性剤は細胞にとって大敵である
- 小麦グルテンは、小腸壁の細胞を壊す
- 女性ホルモンや尿酸は、活性酸素を強力に除去する
- なぜ、男性は腸が弱いのか
- 食事から摂取する抗酸化物質の働き
- 骨折により変形した関節は、なぜ元に戻らないのか
- DNA・RNAが傷ついたとき、細胞復元を助ける核酸の役割とは
- 肝機能によるタンパク質合成能力が、細胞の復元に影響を及ぼす
- 背骨の配列のズレが、細胞復元に影響を及ぼす
- 体液(血液・リンパ液)が汚れると病気になる
- 体に必要な栄養素が不足すると病気になる