背骨の配列のズレが、細胞復元に影響を及ぼす
背骨の配列も遺伝する
体形や体の弱い部分は、両親や祖父母に似ているということはお伝えしました。そのことに関与しているものに、背骨の配列があります。ようするに、外見が似ているのは、外見を作っている背骨の形(配列)が似ているということになります。
その背骨の配列は遺伝子によって決定されます。ここで、背骨の配列と病気がどのように関係しているのかを説明します。
脊椎動物は、脳から伸びた脊椎神経が背骨を経由して内臓や器官、または皮膚に分布しています。
その脊椎神経が経由する背骨の配列の変位(ズレ)により、脊髄神経が通る空間(椎間孔)が狭くなり、脊椎神経が圧迫されます。圧迫された脊髄神経は、末端まで命令を届けることができなくなります。
脊髄神経は「ヒモや糸」のような線維になっていて、神経信号を伝える電線のような働きをしています。これを身近なもので例えるため、家に電気がくるまでの過程で説明すると
・脳が「電力会社」
・背骨が「電柱」
・神経が「電線」
・内臓や各器官が「家」
になります。
脳(電力会社)から伸びた神経(電線)が背骨(電柱)を経由して内臓・器官(家)に分布します。背骨の配列に変位(ズレ)があると、神経が通る空間(椎間孔)が狭くなり神経(電線)が圧迫され、神経の命令が内臓・器官(家)に届かなくなります。そのようになると病気を発症します。
同じ箇所の病気を繰り返す
人によって体の弱い箇所が違います。その原因の1つに、脳脊髄神経が背骨のズレにより圧迫を受けていることがあります。例えば、胃が弱い人は生涯、胃が弱いです。これは胃自体が弱いのではなく、胃に分布している脊髄神経の命令が弱いということになります。
胃に分布している脊髄神経は胸椎の5番目を経由して胃に分布しています。その場所の骨にズレがあると、脊髄神経が圧迫を受け胃への神経命令が低下します。
ようするに、胃に命令がいかないことで、胃本来の働きである消化機能が低下します。胃が分泌する消化酵素に不具合が生じると、胃潰瘍などになります。
そうなった状態を「胃の細胞が傷ついた」と表現します。
神経命令が滞ると細胞の復元能力が低下する
人が病気になるということは、病気の箇所の細胞が傷んだ状態であるといえます。細胞を修復し、復元できれば病気が治るともいえます。
細胞の修復・復元には、肝臓での固有タンパクの合成や、ホルモン酵素反応、またはDNA・RNAの情報など体のシステムを総動員しておこなわねばなりません。その1つに、脳脊髄神経の働きも重要になります。
なぜなら、脳脊髄神経は細胞の修復・復元に必要な、酸素や栄養をどの場所に、どれくらいの量を持っていくかを「電気命令を使って」伝達する作用があるからです。
酸素や栄養を運び、老廃物を持って帰ることで細胞は再生されます。しかし、上述したように、背骨にズレがあり脳脊髄神経が圧迫を受けると、必要な場所に必要な物を届けることができません。
結果、脳脊髄神経の命令が低下している細胞の修復・復元能力が低下します。
この脊椎の配列の変位(ズレ)は遺伝によるものであるために、内臓・器官の弱い場所が両親や祖父母に似ているのです。
例えば、数人の社員が、会社の同じ環境下で強いストレスなどを受けたとします。しかし、そのストレスにより発症する病気は、他人と同じではありません。ある人は下痢になったり、ある人は胃が痛くなったりします。そのようなことが起こる理由の一つに背骨の配列の変位(ズレ)が関係しています。
この背骨の配列の変位(ズレ)と病気の関係は、「背骨と神経から学ぶ病気」を参考にして下さい。病気になる原因はさまざまですが、その原因の一つに遺伝子が関係していると私は思います。
川本療法の神髄を伝授:無料メルマガ登録
背骨の配列のズレが、細胞復元に影響を及ぼす 関連ページ
- 体について勉強していくと、病気は治せないことが分かる
- 健康な人は、異物に対する免疫反応が正常である
- 生まれてすぐに病気になる子どものメカニズム
- 「育てにくい子」が病気になるメカニズム
- 幼少期の抗生物質の服用と病気の関係
- 小胞体ストレスとB級品タンパク質の関係
- うたた寝したら、なぜ風邪を引くのか
- 老人ホームの入居者は、花粉症になる人は少ないが肺炎患者は多い
- 蜂に刺されて腫れる人、腫れない人
- 子宮頸がんワクチンの副作用から免疫を紐解く
- 細胞は復元されるなずが、、:リウマチが治らない理由
- 非ステロイド性抗炎症薬の機能を紐解く
- 「咳ぜんそく」は薬の副作用で発症する
- 自律神経の乱れが細胞修復を妨げ、病気を引き起こす
- 「食べれる」「呼吸できる」「出せる」「寝れる」ができると病気にならない
- ミトコンドリアが作るATPが、自然治癒力の源である
- 細胞を修復してくれる物質に「ヘモグロビン」がある
- 脳を正常に動かすには栄養が必要である
- 遺伝の影響により細胞の復元能力に差ができる
- 5000種ある体内酵素が、細胞復元と病気の発症に影響を及ぼす
- 糖鎖の働きが健康維持には重要である
- 後天的な要因が細胞の遺伝情報に影響を与える
- 体内で発生する毒素が病気の原因になる
- 体内毒素の処理能力に個人差がある
- アトピー性皮膚炎・膠原病・癌になる人の違いはどこにあるのか
- 生体水(体内に存在している水)が弱いと体内は酸化する
- 活性酸素の発生メカニズムと、その働きを紐解く
- 血管内を流れる血液が血管の細胞に傷をつける
- 過酸化脂質・糖質・タバコが血管の細胞を傷つける
- 合成界面活性剤は細胞にとって大敵である
- 小麦グルテンは、小腸壁の細胞を壊す
- 女性ホルモンや尿酸は、活性酸素を強力に除去する
- なぜ、男性は腸が弱いのか
- 食事から摂取する抗酸化物質の働き
- 骨折により変形した関節は、なぜ元に戻らないのか
- DNA・RNAが傷ついたとき、細胞復元を助ける核酸の役割とは
- 肝機能によるタンパク質合成能力が、細胞の復元に影響を及ぼす
- 体液(血液・リンパ液)が汚れると病気になる
- 体に必要な栄養素が不足すると病気になる