脳を正常に動かすには栄養が必要である
人の神経伝達法は2種類ある
生物が進化していく過程で、同じように体内の命令システムも進化してきました。人間も2つの伝達方法を身につけ飛躍的な進化をとげました。
1つはホルモンを利用したものであり、もう1つは神経という電線に電流をながすという方法です。この2つの方法を簡単にまとめてみます。
@ホルモンを使った神経伝達:
内分泌器官(ホルモンを合成する内臓や器官)が酵素の命令を受け、各種ホルモンを合成します。それらが全身を駆け巡り、その情報を細胞にある受容体(レセプター)が受け取ることにより体の精妙なシステムにスイッチが入ります。
この分泌物質のことを、「細胞を刺激する」という意味から、ギリシャ語で「ホルモン」という名前になっています。
ホルモンとは、いわば、情報を持った電波のようなもので、それを受け取り電波内容を読み取るのが受容体(レセプター)になります。まるで、携帯の基地局から発する電波を使い通話している携帯電話の関係に似ています。
このホルモンは、体内で約100種類が確認されています。例えば、脳の命令を受けた副腎は、約数十秒後には、脳へホルモンを届けます。ホルモンの作用は強力で、例えば50メートルプールにティスプーン1杯いれるだけで、瞬時にプール全体に伝達が広がるほどです。
A神経という電線を使った神経伝達:
脊椎動物である人間は、ホルモン系以外に、もう1つの神経系を発達させました。この方法は、脳から神経という電線を全身に張り巡らせ、脳から発せられた電流(命令)を直接、電線に流すという方法です。
この方法により、脳からの電流(命令)が、必要な場所に、敏速かつ的確に伝えられることができるようになりました。また、人間の電線神経は、「裸」ではなく、他の電線神経同士の情報が混信しないように「被膜」で電線を覆うことにより、一段と伝達スピードを上げることができます。
この電線神経は、脳から出て背骨を通り全身に分布しています。その全長は130万キロともいわれ、伝達スピードは速いところでは秒速120メートルを超えるといわれています。
上記のように人間は、2つの信号伝達法を駆使すること飛躍的な進化を遂げてきました。
脳は、体内にある物質の何が足らないか、余っているかを感じ取っている
脳は、循環している血液や、全身の細胞、または皮膚などから発せられるシグナルから、体のどこで異常が発生しているのか、また、どのような物質が足らないのかを感じとり、その解決法をホルモンや電線神経を使い「担当臓器・器官」に即座に伝達しています。
ここで、身体の一部に異常が起こった場合に、体内システムがどのように作動しているのかをまとめてみます。
異物が侵入して来た際の対応:
@脳に、皮膚や粘膜などの感覚器官からストレス反応の情報が伝わる
Aこの情報を感じとった、脳内の脳下垂体は、副腎へホルモンを生産するように命令を出す
Bこの信号を受けた副腎は、ストレス対応のホルモンを生産し、血液(リンパ液)によって全身へ運び込む
C脳下垂体は、脳に循環してくるホルモン量を読み取り、患部が正常化したことを認識する
D「C」のことを認識した場合、追加のシグナルは発信を止める。しかし、患部の修復がまだと感じた場合は、修復シグナルを発し続ける
このように脳は、脳に循環してくる血液や各細胞が発するシグナルを四六時中感じとり、体内の異変に対応しています。
脳シグナルを正常化させるためには、栄養が必要である
脳から発せられる信号を脳シグナルといいます。脳シグナルが乱れると人は病気になります。
脳の話になると心療内科やカウンセリングの分野のように思われますが、私は脳シグナルが乱れる原因の1つに、脳に必要な栄養素が足りないことがあると考えています。
そこで、私は脳シグナルを整えるための栄養素として、必須アミノ酸・細胞で変換しやすい糖質・ビタミン・ミネラルを積極的に摂るように指導しています。
その中でも、特に重要なものは酸素と電子(水素)です。脳には多くのミトコンドリアが存在しています。ミトコンドリアでエネルギー生産できることが脳が正常に働くということだからです。
つまり、酸素や電子(水素)を中心とした栄養素を摂取することで脳の働きは安定していくということです。
現代人の多くが発症する、うつ病や慢性疲労症候群を回復させる方法として、ストレスを減らす指導がなされます。
しかし私はそのことに異論があります。ストレスから逃れることをばかりを考えるのではなく、ストレスを受けてもそのことに負けない思考や体作りをすることが大切であると思っています。
なぜなら、そのことで脳が関係する病気を軽減できるからです。
脳は、ホルモンや神経を使い全身に命令を伝えています。そのシステムを正常に働かせるには体に必要な栄養素を摂取することが大切ということはお伝えしました。
つまり脳シグナルを回復させるには、心療内科での投薬やカウセリングを受けるだけではなく、足りていない栄養素を摂取する必要性があることを認識してください。
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