合成界面活性剤は細胞にとって大敵である
人の皮膚から吸収される合成界面活性剤
合成された界面活性剤は、本来、混ざり合うことのなかった水と油を混ぜ合わせることを可能にした物質です。1830年にドイツが植物油を材料に合成界面活性剤を作ったのがはじまりで、現在は約2000種類が食品、洗剤、化粧品などに使われています。
ただ、日本では1950年にある問題が起きました。その問題とは、合成界面活性剤が入ったシャンプーや化粧品を使用した女性の皮膚が、黒く変色してしまう「黒皮症」が発症したというものです。この原因は、皮膚から浸透した合成界面活性剤が皮膚細胞に異変をもたらしたことで発症したのです。
洗剤などでは、成分の40%ほどが合成界面活性剤であり、化粧品でも成分の20%ほどに合成界面活性剤が使用されています。本来、地球上には存在しなかった化学物質である合成界面活性剤は、安易に皮膚や粘膜細胞を通過して細胞まで到達してしまいます。
夢の製材、合成界面活性剤
合成界面活性剤は従来の洗剤類とは違い、泡立ち・洗浄力・乳化・潤いなどに優れた化学物質です。コストも安く、大量に製造できることから洗剤や化粧品の分野に革命を起こしました。
その反面、生態系や環境汚染などの安全性については全く考慮されておらず、本来なら安易に使用するような物質ではありません。ここで、合成界面活性剤が体に及ぼす影響をまとめてみます。
@合成界面活性剤の最も怖い作用は、細胞膜を通過して細胞内にまで達してしまう点です。細胞内にまで達した合成界面活性剤は、細胞内にある核(DNA・RNA)が保有する遺伝情報に悪い影響を与えます。
A合成界面活性剤はトランスポーター(運び屋)と呼ばれています。そのように名付けられている理由は、洗剤や化粧品に含まれている化学物質と結合し、それらを細胞内にまで運ぶからです。代表的なトランスポーターに、プロピレン・グリコール(PG)やブレチン・グリコール(BG)があります。
B合成界面活性剤は食品添加物と結合し、それらを人体にとって危険な物質へと変化させます。例えば、ハムやソーセージ、タラコなどの発色剤として使用されている「亜硝酸ナトリウム」と反応し、発がん物質であるニトロソロアミンを作り出します。
C合成界面活性剤は防腐剤のパラペンなどを細胞内にまで運びこみます。人体にとって、パラペンは危険性が高い物質なので食品に添加される量は規制がありますが、シャンプーや洗剤、または化粧品などの添加に対しては基準が甘く、高濃度で配合されています。
この理由は、パラペンなどの防腐剤は皮膚や粘膜からは浸透しないと考えられているからです。しかし、それらが合成界面活性剤と結合すると、合成界面活性剤がトランス・ポーター(運び屋)になりパラペンを細胞内にまで運び込みます。
女性は化粧品やシャンプー、またはクレンジングなどを美容のために多く使います。例えば、女性に多い乳がんや卵巣がんの病巣を調べると、そのがん病巣の細胞内には、多くのパラペンが存在していることがわかっています。
D合成界面活性剤は洗浄力が強いために、皮膚に存在する「脂の膜」までも溶かしてしまいます。皮膚のバリア機能が壊れると、外部から侵入してくる細菌(緑膿菌など)に侵されやすくなり、アレルギーの原因になります。
また、皮膚には、古い角質や皮脂、または体内からの分泌物を食べてくれる、有能な善玉細菌がいます。この細菌は、それらを食べて「脂肪酸(皮脂)」を造り、皮膚のバリア機能を維持しています。
しかし、合成界面活性剤を使うとこの善玉菌や古い角質が剥ぎ落され、皮膚のバリア機能のバランスを大きく崩す原因になります。
清潔志向に落とし穴がある
現代人の多くは、清潔志向が過ぎています。洗剤で何度も手を洗ったり、入浴の際には合成石鹸やシャンプー、リンスで体を清潔にしたりします。しかし、それら全ての商品には、合成界面活性剤が使用されています。
また、一般的に安全と思われている個形石鹸がありますが、ここにも落とし穴があります。人の皮膚のPH(ペーハー)は約6.8の弱酸性です。しかし、個形石鹸そのものは「中性」と表示されていても、水と反応するとPH10前後のアルカリ性に変わります。その強アルカリに傾いた石鹸で皮膚を洗うと、皮膚のバリア機能が損なわれます。
洗剤やシャンプーなどを選ぶ時に、「泡立ちが良い」「泡切れが良い」「洗浄力が強い」などを基準にすると、その商品には大量の合成界面活性剤が含まれています。これらの合成界面活性剤がトランスポーター(運び屋)となり、洗剤等を製造する際に使われている化学物質を細胞内に運び込んでしまいます。
その結果、細胞の遺伝子に変異がおきます。このように、とても身近にある洗剤類が、細胞を破壊しているという現状を理解してください。
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