蜂に刺された時に1回目から腫れる人、腫れない人

人が受けた恐怖は記憶に残る


人が蜂に刺された場合、1回目は患部が腫れることは少ないこのことは皆さんも聞いたことがあると思います。

 

しかし、実際は1回目から患部が腫れたり軽いアナフェラキシー症状が出る人も多くいるのです。それでは、「1回目は刺されても大丈夫な人と1回目から反応が出る人の差はどこにあるのでしょうか?」

 

蜂の針には毒があるといわれています。当然ですが蜂に刺された場合、毒が体に入ってきます。その毒が体に悪影響を及ぼすなら、刺された全ての人が1回目から患部は腫れるはずです。

 

しかし、中には1回目は腫れずに2回目以降に強い症状が出る人に大別されます。その違いをまとめます。

 

 ・1回目は腫れない人:
そのタイプの人は、初めて蜂に刺されたときに、脳は「蜂の毒を毒と認識しない」からです。

 

 @1回目に刺された直後の脳は、蜂毒を毒と認識しない

 

 A1回目刺された数時間に、体に異変を感じる

 

 B「A」のことで「鉢の毒が入ってきたら怖い」ということを学習する

 

 C「B」のことで、2回目は、過去の記憶から蜂毒を異物として攻撃する

 

 D「C」のことで、患部には白血球を動員しさらに患部を修復物質を集める

 

上記したように2回目は「前にやられた蜂毒が入ってきたから注意せよ」と免疫が作動し白血球が攻撃することで炎症がでます

 

ようするに、脳は弱い蜂毒であっても記憶にとどめます。そして、次にその蜂毒が入ってきた際には、その毒の影響をうけないように反応します。

 

つまり、1回目に腫れないタイプは、脳が「蜂の毒が怖い物質である」ということが分からないため、患部に白血球や細胞修復物質を動員しないことできつく腫れることがないのです。

 

 ・1回目から腫れる人:
一般的には、上記した「蜂に刺されても1回目は腫れない」と言われていますが、そのことは誤りで、1回目から腫れたりアナフェラキシー症状を起こす人は多くいます。

 

 @数種のアレルゲンに反応する体質である

 

 A「@」の背景にヒスタミン反応が過敏であり、ヒスタミン分解酵素が少ない体質である

 

 B蜂の毒の成分にヒスタミンが存在する

 

 C蜂の毒に含まれるヒスタミンが血液中ぬ増えることで過剰なヒスタミン反応が起きる

 

つまり、アレルギー反応が過敏な人の背景に、ヒスタミン反応が過敏なことがあります。そのことで、蜂に初めて刺された場合でも強い症状が出るのです。

 

蜂に2回刺された場合は、強い炎症反応がでる



蜂に1回刺されて、初回から腫れる人、腫れない人のタイプの違はお伝えしました。それでは、蜂に2回目刺された場合は、2つのタイプの反応に違いがあるのでしょうか?

 

このようは反応が出る理由をまとめます。

 

 @1回目から腫れる、腫れない両タイプとも2回目は、1回目よりも腫れる

 

 Aその理由は、1回目、刺されたことで脳が蜂の毒を異物と認識するからである

 

 B1回目から腫れるタイプの人の方が、その反応は過剰である

 

 C「B」の理由は、蜂の毒のヒスタミンに反応し、さらに、脳が過剰に異物反応をするからである

 

 

3回目はさらに反応が過剰にある


蜂に2回刺された人は1回目よりも患部が腫れることはお伝えしました。

 

それでは、3回目刺された場合はどうなるのでしょう? 患部は2回目よりもさらに腫れがきつくなり場合によってはパニック症状になり人もいます。

 

その理由は、2回目に蜂の毒が怖いと認識した脳は、3回目はさらに過剰に反応するからです。

 

ここで、体内では何が起こっているのかを説明します。

 

 @過去に記憶から、蜂の毒に対し更に過剰に反する

 

 A「@」の際に、肥満細胞に存在するヒスタミンが血液中に放出される

 

上記したヒスタミンの作用により下記の症状がでます。

 

 @血管過拡張による血圧低下 

 

 A気管支収縮・気管支痙攣(けいれん)による呼吸困難

 

 B「A」の状態を修復しようと肺に体液が集まり過ぎ「肺水腫」が起きる

 

 C「B」のことで更に呼吸が苦しくなる

 

 D他にも、生命維持に支障をきたす多くの症状が出る場合がある

 

 

蜂の毒への反応が強過ぎる人は、薬が必須である


上記したように、蜂に刺され、キツイ反応が出た場合には、薬が必須となります。その薬とは「エピペン」というもので自分で太ももに注射して使用します。

 

その「エピペン」の主成分は、「アドレナリン」です。アドレナリンの作用に、血管を収縮・気管支拡張・体液の集まり過ぎを抑制する働きがあります。

 

そのことで、アナフェラキシー症状を抑えることができます。生活しているうえで、過剰なアレルギー反応を経験している人が山登りや畑しごとをすることがあるなら「エピペン」について勉強しておくことを
お勧めします。

 

補足ですが、なぜ、太ももに注射するのかというと、重要な血管や神経が比較的少ないからです。

 

 

4回目の腫れは個人差、5回目は腫れる人は少ない


蜂に3回刺された時が、一番きつい反応が出る理由を上述してきました。

 

それでは4回目刺されたときはどのようになるのでしょうか?

 

その反応は、個人によって違なります。それは、過去に受けたストレスや病歴により「自分を守ろう」とする防衛反応に個人差があるからです。

 

それでは5回目刺された場合はというと、個人差はなく、きつく腫れることはありません。その理由は、脳が蜂毒では命を落とすことはないと学習したからです。

 

 

自分を守ろうとして状態が悪化する


一般的には、蜂の毒が患部を腫らしていると思われています。しかし、腫れるという症状は、上述してきたように患部を治そうとする防衛反応で起こっているのです。

 

その反応は、自分が弱っている人ほど過敏です。自分力が低下は、過去のトラウマを払拭できていない人に起こります。

 

過去の「負の出来事(トラウマ)」に逃げ込むのではなく、それを克服するための地道な努力が必要です。

 

そのような人達の道しるべになれるような治療家でありたいと思っています。

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