老人ホームの入居者は、花粉症になる人は少ないが肺炎患者は多い

体外から多くの物質が侵入してくる


車を動かすと排気ガスが出ます。人が運動したり、勉強したりした際にも体内で毒素を発生します。その毒素の処理能力が低いと、毒素が体内で溜まり、その場所が病気になります。

 

それとは別に、体外から人の中に侵入してくる異物(毒素)も多くあります。それは、空気中の化学物質や食品添加物、または細菌・ウイルスなど様々です。

 

それらの異物(化学物質・食品添加物・細菌・ウイルスなど)が入ってきても病気になる人とならない人がいます。なぜ、このような違いが出るのか、このことを紐解いていきます。

 

 

老人ホームでは、花粉症の発症数は少ないが、肺炎は多く発症する


体の仕組みは複雑です。よって、多くの疑問が湧いてきます。私の仕事への原動力の1つに、体の不思議を紐解くことがあります。

 

例えば、老人ホームの入居者には、花粉症を発症する人は少ないです。 この理由は、免疫の老化が関係しています。花粉症は、草花の花粉に含まれるたんぱく質を、免疫が異物として認定することから症状を発症します。

 

本来、若い人にとっての異物(花粉)は、高齢者にとっても異物(花粉)なはずです。しかし、高齢者の多くは、異物(花粉)が侵入してきても、免疫が速やかに反応できない状態になっています

 

そうなると、花粉を外に排出するための、「咳」や「鼻水」などの反応はおこりません。よって、花粉症の症状は出にくいのです。免疫から逃れた花粉は体内に入りますが、花粉自身は体の中では悪さをしないので問題はありません。

 

 

高齢者の肺はとても怖がりになっている


本来、異物(化学物質・食品添加物・細菌・ウイルスなど)の侵入を阻止するのは鼻と口です。しかし、高齢者の多くは、鼻と口の免疫が老化によって反応性が鈍くなっています。そのために、異物が容易に体内へと入っていきます。

 

これら、異物が次に向かう先はです。本来、肺は異物の処理を鼻と口の免疫にゆだねています。しかし、パートナーである鼻と口の免疫が作用しません。

 

そうなると、肺は鼻と口の免疫を信用できなくなります。パートナーを失った肺は、自らの免疫を過剰に反応させるようにします。その結果、肺に入ってきた異物を、過剰なまでに攻撃します。

 

 

炎症が起こる原因は、白血球が異物を攻撃しているからである


上記したように、高齢者の肺の免疫は、万全の態勢で待機しています。そこに、異物が入ってくると、「相手が悪い物質かそうでない物質」かの見分けがつかずに、自身を守るために総攻撃します。

 

肺炎とは、細菌・ウイルスなどに侵された結果発症すると思われがちです。しかし、実際は、細菌・ウイルスなどに対し白血球の攻撃な攻撃により炎症が起きます。

 

白血球は異物を攻撃する際は、活性酸素を放出します。この活性酸素の量が、異物に対して適量なら、きつい炎症はおきません。

 

しかし、高齢者の肺は怖がっています。自らを守るために、活性酸素を必要以上に放出して異物を攻撃します。その必要以上の活性酸素は、肺の正常細胞までも攻撃してしまい、肺全体に炎症症状がでます

 

上述したように、高齢者の鼻・口の免疫は花粉に反応しないので、鼻・口では炎症は起こりにくいです。ようするに、炎症とは、免疫が反応する場所で起きます。

 

 

若年層は、肺の免疫が正常なので肺炎にはなりにくい


若年層は、鼻・口の免疫が過剰なために花粉症を発症します。その際に症状を止めようと薬を服用します。その薬は、花粉に反応している箇所をマヒさせる作用があります。そうなると花粉だけではなく異物(化学物質・食品添加物・細菌・ウイルスなど)も体内に侵入し肺にまで到達します。

 

しかし、若年層の肺機能は、高齢者の肺のように怖がりになっていません。したがって、肺に入ってきた異物に対し、白血球は適正な量の活性酸素で対応するので、きつい炎症にはなりません。

 

 

誤飲性肺炎の発症メカニズム


高齢者が罹る病気に誤飲性肺炎(ごいんせいはいえん)があります。この病気は、食事中に食べた物が食道へいかずに、誤って気道から気管支・肺に入ってしまうことで発症します。

 

若年層でも、食事が気管支に入り込んでせき込むことがあります。しかし、肺炎は発症しません。では高齢者は、なぜ誤飲性肺炎を発症するのでしょうか?

 

その理由に、肺の免疫が過剰になっていることが挙げられます。本来、食物は細菌・ウイルスではないので、肺に入ったとしても肺細胞を侵すことはありません。しかし、高齢者の肺の免疫は、肺に入ってくるもの全てに敵対心をもって、過剰に攻撃してしまいます。

 

さらに、食物に対しても同じように過剰攻撃してしまいます。その結果、誤って入ってきた食物に、大量の活性酸素が放出されます。その作用で、肺の正常細胞までが攻撃対象になり、肺の細胞が壊死に陥ります。

 

 

免疫が弱り過ぎても異物(細菌・ウイルス)に侵される


敗血症(はいけつしょう)という病気をご存じでしょうか? この病気は、ステロイド剤や免疫抑制剤などの「白血球を抑制する薬」を長期間飲んでいたり、高齢になった人の免疫が弱ったりした際に発症します。

 

敗血症は、些細な「切り傷」や「化膿」などが体内に発生した際に、その炎症物質が数時間から2日ほどで全身を蝕んでしまい、死亡するという怖い病気です。

 

その原因は、免疫が異物に対し作用しないので、細菌・ウイルスの活動を抑制できずに、細菌・ウイルスが一気に体中で増殖してしまうことがあります。

 

上述してきたように、免疫は過剰過ぎても、また働きが弱っても病気を発症します。高齢者の免疫が弱っていくのは仕方のないことではありますが、同じ高齢者でも病気になりにくい人もいます。

 

なお、この免疫をコントロールしている臓器が副腎になります。副腎と免疫の関係を参考にして、健康に役立てて下さい。

川本療法の神髄を伝授:無料メルマガ登録




セミナーの開催のお知らせ



老人ホームの入居者は、花粉症になる人は少ないが肺炎患者は多い 関連ページ

体について勉強していくと、病気は治せないことが分かる
健康な人は、異物に対する免疫反応が正常である
生まれてすぐに病気になる子どものメカニズム
「育てにくい子」が病気になるメカニズム
幼少期の抗生物質の服用と病気の関係
小胞体ストレスとB級品タンパク質の関係
うたた寝したら、なぜ風邪を引くのか
蜂に刺されて腫れる人、腫れない人
子宮頸がんワクチンの副作用から免疫を紐解く
細胞は復元されるなずが、、:リウマチが治らない理由
非ステロイド性抗炎症薬の機能を紐解く
「咳ぜんそく」は薬の副作用で発症する
自律神経の乱れが細胞修復を妨げ、病気を引き起こす
「食べれる」「呼吸できる」「出せる」「寝れる」ができると病気にならない
ミトコンドリアが作るATPが、自然治癒力の源である
細胞を修復してくれる物質に「ヘモグロビン」がある
脳を正常に動かすには栄養が必要である
遺伝の影響により細胞の復元能力に差ができる
5000種ある体内酵素が、細胞復元と病気の発症に影響を及ぼす
糖鎖の働きが健康維持には重要である
後天的な要因が細胞の遺伝情報に影響を与える
体内で発生する毒素が病気の原因になる
体内毒素の処理能力に個人差がある
アトピー性皮膚炎・膠原病・癌になる人の違いはどこにあるのか
生体水(体内に存在している水)が弱いと体内は酸化する
活性酸素の発生メカニズムと、その働きを紐解く
血管内を流れる血液が血管の細胞に傷をつける
過酸化脂質・糖質・タバコが血管の細胞を傷つける
合成界面活性剤は細胞にとって大敵である
小麦グルテンは、小腸壁の細胞を壊す
女性ホルモンや尿酸は、活性酸素を強力に除去する
なぜ、男性は腸が弱いのか
食事から摂取する抗酸化物質の働き
骨折により変形した関節は、なぜ元に戻らないのか
DNA・RNAが傷ついたとき、細胞復元を助ける核酸の役割とは
肝機能によるタンパク質合成能力が、細胞の復元に影響を及ぼす
背骨の配列のズレが、細胞復元に影響を及ぼす
体液(血液・リンパ液)が汚れると病気になる
体に必要な栄養素が不足すると病気になる

HOME プロフィール 川本療法の特徴 川本治療所 HP 治療家向けセミナー お問い合わせ