突発性難聴はヘルペスウイルスに侵されて生じる

 人類はヘルペスに侵される
人がこれまで進化してこれた理由の1つに、薬の功績があります。その功績とは、伝染病を撲滅したり、細菌の増殖を防いだりしたことです。しかし、その反面、困った問題がでてきています。それは、薬をもってしても死ななかった細菌・ウイルスが、薬に対して耐性をもってしまったことが挙げられます

 

特に、ここ10年ほどで増えてきた病気に、自己免疫疾患があります。ここでいう、自己免疫疾患とは、自分の免疫が自身の細胞を攻撃するものではなく、免疫が異物を過剰に攻撃する際に、正常細胞まで一緒に攻撃してしまうことにより、正常細胞が損傷するということをご理解下さい。

 

その自己免疫疾患の原因の1つは、ヘルペスウイルスが関係しています

 

ヘルペスウイルスは、本来はとても弱いウイルスの一つです。しかし、病気を治すために多くの薬を服用するなかで、ヘルペスウイルスが薬に耐性をもってしまい、薬を投与投与しても効かないヘルペスウイルスに変化してしまいました。

 

私は、そのように変化したヘルペスウイルスを「ゾンビ化したヘルペス」と呼んでいます。

 

本来、ヘルペスウイルスが増殖する場所は、比較的浅い、表層の神経上でした。皮膚に帯状の斑点が出てくることから、帯状疱疹と呼ばれます。

 

しかし、薬に耐性を持ったゾンビ化ヘルペスは、表層の浅い場所には増殖せず、「神経の根元」や「関節と関節の間の奥の神経」など、体内の深い場所で増殖していく傾向が強いです。そのため、今までとは全く違う症状がでます。

 

ここでゾンビ化したヘルペスウイルスの影響によって生じる病気と、その病気の対応に「なぜステロイド系の薬が必要なのか」を説明します。

 

 突発性難聴になるメカニズム:
最近、私の治療所に多く相談が寄せられる症状に突発性難聴があります。では、なぜこの病気が増えてきたのでしょうか? ここで、私の考える「突発性難聴になるメカニズム」をまとめます。

 

 @感染症に罹り、抗生剤や抗炎症剤、またはステロイド系の薬を服用した後に起こることが多い

 

 A「@」で服用した薬により、ヒスタミンや白血球の働きが抑制される

 

 B白血球の働きが抑制されている間に、ヘルペスウイルスが聴覚神経上に増殖してくる

 

 C薬の作用が切れ、白血球の働きが活性化してきて、聴覚神経に宿ったヘルペスウイルスを攻撃する

 

上記の「C」の聴覚神経に宿ったヘルペスウイルスを攻撃する際に、白血球が放出する活性酸素が聴覚神経も同時に攻撃してしまい、急性の難聴になります。

 

例えば、電線にがたくさんの鳥がとまっているとします。鳥を鉄砲で撃つと、鳥は死にますが、流れ弾が電線にあたると電線にも傷がつきます。電線に傷がつくと、電気が家にいかず停電になります。それと同じことが突発性難聴を発症する時におこっています。

 

健康な人は、ヘルペスウイルスの数が増殖することを抑制できます。また、それらを過剰に攻撃しないで、放置することができるので炎症にはなりません。

 

 突発性難聴になった際にステロイド系の薬が必要になる理由:
ステロイド系の薬を絶対に使うなとは、誰一人としていえません。いくら副作用の強いステロイド系の薬であっても、躊躇なく使わなければならない場合があります。その症状はとても多いのですが、アナフェラキシーショックや急性ネフローゼ、突発性難聴などが該当します。

 

では、なぜ突発性難聴には、ステロイド系の薬が必要なのでしょうか? その理由は、以下のようになります。

 

 @ステロイド剤の作用で、聴覚神経に宿ったヘルペスウイルスを白血球が攻撃しないようにする

 

 A白血球が攻撃を仕掛けなければ、炎症がおこらず、難聴を回避できる

 

上記したように、白血球が攻撃をしないでヘルペスウイルスを放置できるかがポイントになります。ヘルペスウイルスは自分から攻撃を仕掛けてくるのではなく、白血球が攻撃をすることで炎症が起きるのです

 

したがって、ヘルペスウイルスを放置することができれば、ヘルペスウイルスは何もなかったかのように聴覚神経上から移動します。ですから、ステロイド系の薬で、白血球に攻撃をさせないようにする時間を延ばすのです。

 

そうすれば、薬の作用が切れて、白血球がヘルペスウイルスを攻撃しようとしても、ヘルペスウイルスはもう聴覚神経上にはいないのです。したがって、白血球が攻撃をすることがなくなり、難聴を回避できるのです。

 

 ヘルペスウイルスなどを、放置できない免疫
ヘルペスウイルスは、本来は弱いウイルスです。通常、体内にヘルペスウイルスがいても免疫は攻撃せずに放置しています。

 

しかし、最近のヘルペスウイルスは、抗ウイルス剤に耐性を持っていて、想像以上に「ゾンビ化」しています。そのために免疫は、ゾンビ化したヘルペスウイルスを、「手ごわくなった」と認識します。

 

よって、本来は放置してきたヘルペスウイルスに対し、過剰に攻撃を仕掛けるようになってきたのです。

 

そのようなことが起こる背景の一つに、副腎という器官が関係しています。副腎が造るホルモンに、白血球の働きをコントロールする作用があるからです。

 

副腎の働きが正常な場合、白血球は細菌・ウイルスに対し安易には攻撃を仕掛けません。しかし、ストレスや長期間病気を患ったりしていると副腎が弱り、白血球のコントロールができなくなります。したがってヘルペスウイルスに対し必要以上に攻撃を仕掛けてしまいます。

 

体内の細菌・ウイルスに対し、「放置するか」、「攻撃するか」の判断に関与しているのが、副腎という器官であるということを認識して下さい。

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