細胞が生産する物質と副腎疲労の関係
細胞は何をしているのか
唐突ですが、人の細胞の中で何が起こっているかご存知でしょうか? 分かっていそうで理解されていない細胞の働きをまとめます。
人の細胞の中には、様々な情報が書き込まれたDNAとその情報を伝達するRNAといった遺伝子があります。
その遺伝子指令によって、体の恒常性(平均を保つ)を保つための物質を作っています。その中心的な物質をまとめます。
@たんぱく質:
私達の体はすべてたんぱく質でできています。骨格や筋肉などは想像がつくと思いますが、血液中のヘモグロビンや異物と戦う免疫物質などもたんぱく質から作られます。
また。体内を調整する各種ホルモンや代謝や消化、呼吸に関わる酵素もたんぱく質を材料にした化合物です。
なぜ、たんぱく質が重要であるかというと、生命を維持するための全ての活動にたんぱく質が必要だからです。
Aエネルギー:
人はどうして動けるのでしょう? その答えは、細胞でエネルギーを生産しているからです。
エネルギー生産がスムーズにいかないと、細胞内では大量の乳酸が発生します。そのことで細胞内は酸性に傾き、さらにエネルギー生産効率が低下します
上記した物質がうまく作れないと、人は病気や慢性疲労になります。
副腎ホルモンとたんぱく質・エネルギーの関係
ホルモンとは体内で生産される化学物質です。それではホルモンの材料の元となる物質は何なのでしょうか? それは「たんぱく質」です。
上記したように、細胞では遺伝情報に基づきたんぱく質を生産しています。そのたんぱく質の生産能力が低下したり遺伝情報とは違った異種たんぱく質が生産されると、ホルモンの材料に利用できなくなります。
そうなると人の恒常性(平均を保つ)は崩れます。その中心的存在が「副腎」です。細胞で生産されるたんぱく質、この物質がとても重要なのです。
次に、人が動くことができるのは細胞でエネルギーが生産されるからです。しかし、細胞でのエネルギー生産が不足すると人は疲労感に見舞われます。その時に救世主として生産されるのが副腎ホルモンです。
副腎ホルモンは微量で「火事場の馬鹿力」を発揮させてくれますが、副腎でホルモンを生産する回数が増えると副腎はやがて疲弊してしまいます。
上記してきたように、細胞でエネルギーやたんぱく質の生産に不具合が生じると、副腎に大きな負担がかかるということを認識することで後述する文章が理解しやすくなります。
細胞に必要な物質
細胞内で「たんぱく質」「エネルギー」を効率よく生産するのに必要な物質があります。それをまとめます。
@酸素
A代謝しやすい糖質
Bビタミン・ミネラル、必須アミノ酸
C電子(水素)
上記した「@〜C」の物質がないと細胞の働きは低下します。
細胞で生産されるエネルギーの質を上げるには
人が普段おこなっている呼吸や食事は何のためにしているのでしょうか?
答えは、細胞で人が生きるために必要な「たんぱく質」「エネルギー」を生産するためです。
つまり、無意識に行っている呼吸も何気なく食べている食事も、細胞に必要な栄養素を獲得するためなのです。
次に細胞に必要な物質の各々の働きをまとめます。
@酸素:
現代人は過緊張状態で呼吸が浅い人が多いです。本来、呼吸が深くなる睡眠時でも呼吸が浅い睡眠時無呼吸症候群を発症する人が増えています。
また、昔にくらべ空気中の酸素濃度も減少傾向であり、さらに、化学物質なども混入していることで呼吸が浅く、体内は酸素不足傾向です。
A代謝しやすい糖:
細胞で利用できない「糖」の代表は、植物油脂と炭水化物が結合している食材(パン・カレー、揚げ物と炭水化物など)です。
現代人の多くは代謝しにくい糖質を多食しています
Bビタミン・ミネラル・必須アミノ酸:
酵素を動かすためには、ビタミン・ミネラルが必須です。しかし、日本では自給率の問題、農薬、保存料、冷凍食材などがあり、ビタミン・ミネラルを含む食材はとても少ない状態です。
また、たんぱく質が高価なために炭水化物中心の食事の人が多いことも原因しています。
C電子(水素):
人の身体にはマイナス100〜200?の「マイナスの電子」が流れています。
玉川温泉に行くのはラジウム石から出る「マイナス電子」をチャージするためです。健康な人の腸内では、新鮮な食材を発酵させマイナス電子(水素)を生産しています。
一方、抗がん剤やCT、MRIなどの検査は強烈なプラス電子を浴びます。また、パソコンなどのOA機器もプラス電子です。
医療検査の後や飛行機に乗った後にキツイ疲労感に見舞われるのは「強烈なプラス電子」の影響で「マイナス電子」が引き抜かれた状態=酸性に傾く=酸化状態になるからです。
上述したように、現代社会では、細胞が正常に働くための「@〜C」の全てが枯渇している状態といえます。
低エネルギーと副腎の関係
上述してきたように、栄養素の絶対量が不足していたり、酸素や電子が不足であったりすると、細胞が本来行うべき働きが十分にできなくなります。
つまり、細胞内で行うエネルギー生産力が低下すると人は疲労感を感じます。
ここで再度、確認です。人が元気に動けるのは、細胞でエネルギーを生産しているからです。しかし、エネルギー生産がうまくいかないと、副腎でホルモンを生産しホルモンの力で強制的に体を動かすのです。
上述してきたように、人を動かす原動力は、細胞で生産されるエネルギーです。しかし、細胞でのエネルギー生産不足が長期化すると副腎は大量にホルモンを生産しなければなりません。
なぜなら、副腎は「全能の臓器」といわれ、血圧・体温・免疫・自律神経・瞳孔・発汗・ミネラルなど人が生きていくための恒常性の調節を担っているからです。
したがって、エネルギー不足が生じた際も副腎がホルモンを生産することで人は動くことができるのです。
しかしここで問題が生じます。細胞に必要な物質が現代人には足りないことはお伝えしました。そのことで、細胞では、エネルギーだけではなくたんぱく質の生産にも影響することもお伝えしました。
副腎ホルモンの材料は細胞が生産するたんぱく質です。しかし、細胞で良質なたんぱく質が生産されないと副腎ホルモンの材料が不足します。
つまり、細胞が正常に働かないということは、エネルギー不足に陥りかつ、ホルモンの材料であるたんぱく質が生産できないことで副腎疲労症候群を発症するということです。
近年、慢性疲労症候群や起立性調節障害が激増しています。その原因はまだ解明されていません。しかし、私は長年、副腎に注目してきたことで慢性疲労症候群や起立性調節障害を発症する原因の1つに副腎が関係していると確信しています。
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