視床下部と下垂体、副腎の関係

 

脳は社長で副腎は部下


我々が社会生活を営むうえでストレスを必ず受けてしまいます。ストレスに対応するホルモンを分泌する器官が副腎ですが、「体のどの部分が副腎にホルモン出すように要求しているのか」また「どのようにしてそのホルモンを一定量に保持しているのか」を説明していきます。

 

血液中の副腎ホルモンの質・量は24時間中、脳の視床下部(脳の統率を行う)という場所で調節されています。視床下部は脳が感じとった痛みや匂い、また喜びやストレスなど内外からの刺激を感じとり、瞬時にその情報を分析して体に必要なホルモン量を決定します。

 

ホルモン量を決定した視床下部は直近の部下の下垂体に対し、副腎を刺激するホルモンを分泌させるように働きかけます。このホルモンが副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)です。このホルモンを受けとった下垂体は、次に副腎にホルモンを出すように促す副腎刺激ホルモンを分泌します。

 

ここで下垂体の働きを説明します。下垂体は脊椎動物の脳のすぐ下に位置する器官であり、多種多様なホルモンをだす内分泌器官です。下垂体は視床下部からの命令を受け、各種ホルモンを分泌します。分泌されたホルモンが効率よく体の必要な場所に運ばれるように血管網が発達しています。

 

下垂体は位置や働きによって「前葉」「中葉」「後葉」に分類されています、この各場所から各種ホルモンが分泌されます。以下にそれぞれの役割と放出されるホルモンを記します。

 

 前葉:
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)・成長ホルモン(GH)・甲状腺刺激ホルモン(TSH)・黄体形成ホルモン(LH)・卵胞刺激ホルモン(FSH)・プロラクチン(PRL)

 

 中葉:
メラトニン細胞刺激ホルモン(MSH)

 

 後葉:
オキシトシン(OXT)・パゾプレッシン(VP)

 

このように下垂体は視床下部の命令をうけて様々なホルモンを必要に応じて分泌します。ここからは視床下部と下垂体と副腎の関係性についてまとめてみます。

 

 @視床下部が放出した「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが(CRH)」が下垂体に届く

 

 A下垂体はそのホルモンを感知して「副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)」を放出する

 

 B副腎は下垂体が出す副腎刺激ホルモンを感知して各種ホルモンを分泌する

 

 C副腎が放出したホルモンの一部(主にコルチゾール)が視床下部に届く

 

 D視床下部はそのホルモン量をもとに体に必要なホルモン量を決める

 

このように視床下部は「脳」が感じとったストレスの内容を分析し、体が必要とする「ホルモン量」を決定することから上記の@〜Dのサイクルが始まります。

 

このサイクルのスピードはとても速いです。下垂体が放出した副腎刺激ホルモンの刺激によって、副腎は各種ホルモンを作りますが、このホルモンが体の必要な部位へ運ばれるまでに1分もかからないといわれています。

 

現代社会では毎日がストレスとの闘いです。そのストレスに負けないように陰で支えてくれている物質が各内分泌器官で作られているホルモンです。このホルモン分泌のバランスが崩れると脳や体のさまざまな場所が正常に働けないようになります。

 

しかし病院にいっても医師からホルモンについての説明はほとんどどありません、そのため私たちもホルモンの知識や重要性を知るすべはありませんがこのサイトを通じ是非ともホルモンの大切さを知って下さい。

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