副腎ホルモンの重要性
ホルモンとは
人が生きていくために必須となる物質がホルモンです。ただこのホルモンとは?の問いに端的に答えることのできる人は少ないです。そこで、ここではホルモンについて簡単にまとめてみました。
@体内の特定器官(内分泌器官)で合成・分泌される物質である
A血液(体液)を介して循環しホルモンが必要とされる特定の臓器・器官(標的器官)に運ばれる
Bホルモンを必要とする臓器・器官の働きを活性化したり、働きを調節したりする物質である
C生理活性物質(特定の臓器・器官で生体の調節機能をする化学物質)である
以上がホルモンについての説明になります。なお、ビタミンとホルモンとの違いですが、「両方とも体内では重要な役割をするが、ホルモンは体内で造る物質であるが、ビタミンは体内では造れない」という違いがあります。
次は副腎が合成・分泌するホルモンについて説明していきます。
副腎ホルモンはストレス対応ホルモン
人が強いストレスを受けたとき、そのストレスを感じるのは脳です。脳はストレスに対応するため、副腎にホルモンを要求します。
脳の命令を受けて、副腎はホルモンを放出します。このホルモンのおかげで脳はストレスを克服できるのです。現代はストレス社会と呼ばれていますが、ストレスを乗り切るために副腎は質の良いホルモンを作り続ける必要があります。
人が生きていく上で多くのストレスに遭遇します。例えば交通事故や手術、または受験や仕事での対人関係など、あらゆるストレスに対応できるのは副腎の働きのおかげなのです。
例えば、実験で副腎を摘出したラットにストレスを与えると、そのラットは長くは生きないという研究結果があります。そのことからわかるように副腎が造るホルモンは、現代社会を生き抜く上で重要な物質でもあります。
副腎ホルモンは体に必須である
副腎ホルモンが、健康維持のためにどれだけ役にたっているかを想像できる人は少ないです。なぜなら、日本の医療従事者で副腎ホルモンについて詳しい人が少ないからです。本や雑誌でも副腎ホルモンの働きを書いてあるものは少ないです。
ここで、生命維持に欠かせない副腎ホルモンの中でも、中心的な働きをするコルチゾールの役割を簡単にまとめてみました。
@アレルギーなど、さまざまな症状を抑制する強力な抗炎症物質である
A体内にある物質が敵か味方かを判断し、それらを攻撃するかどうかの判断をする
B血圧に関与する。コルチゾールの濃度が低い人は低血圧に、濃度の高い人は高血圧になる
Cナトリウムとカリウムの調整に関与し、心臓の拍動など筋肉の正常な働きに大きく関与している
Dコルチゾールの過剰・低下分泌により、感情がコントロールできなくなる。また睡眠も乱れる
Eコルチゾールは肝臓で糖を造ったり、解毒作用を活性化させたりするなど、肝臓の働きに関与する
Fコルチゾールは脂肪とタンパク質からエネルギーを造り、血糖値を正常に保つように働く
Gコルチゾールは膵臓に働きかけて必要なインスリンを分泌させ、グルコース(糖)を細胞に届ける
上記したように、副腎ホルモン濃度が適正でないと、健康を維持できないことがわかります。現代に生きる人は多くのストレスと闘っています。それが中・長期間続くとホルモンを造り続ける副腎が疲弊して副腎疲労症候群に移行していき、慢性疲労症候群やうつ症状などを発症してしまいます。
副腎が分泌するホルモンの材料は何か?
毎日のストレスに対応するため、副腎からはホルモンが絶え間なく造り続けられています。それでは、このホルモンを造るうえでの「材料」はどうなっているのでしょうか? それは、肝臓が合成するコレステロールから造られています。
医学界において、コレステロールといえば動脈硬化などの原因になる物質であり、悪者であると教えられています。しかし、実際は人間が生きていく上で必須なホルモンの材料でもあります。
前述したホルモンについて、日本の医療機関では適切な説明がありません。日本の医療技術は、手術や薬での分野では世界トップレベルであるにも関わらず、ホルモンが関与する病気に対しては重要視しない傾向が強いです。
しかし、私はうつ病や難病などでも重要な役割を果たす「ホルモン」を理解した上で、患者さんを診ることが重要だと感じています。
そして、その考えを患者さんに伝えることにより、患者さん自身もホルモンについて知識を深めて頂きたいと思います。一般的に、ホルモンを理解することは難しいと思いますが、それを理解してもらうことで病気を回復傾向に導けると確信しています。
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