ホルモン量が正常でも症状が回復しない理由
現代医学の落とし穴
日本の医療システムは世界でもトップレベルです。そのシステムがあることで、世界一の長寿国の座を守っています。
しかし、その完璧にも思える日本の現代医療にも欠点があります。その欠点とは内分泌、いわゆるホルモンが関与する病気に対して専門家が少ないことです。
また、病院でおこなうホルモンの検査を「血液や尿で測る」ことに問題があります。そのことをまとめます。
@血液中のホルモン量は、細胞に到達するのか、細胞には到達せずに尿から排出されるのか分からない
A尿中のホルモン量は、細胞で仕事を終えたホルモンなのか、細胞に到達せず排出されたホルモンなのかが分からない
上記した検査方法では、ホルモンが細胞に届いたかが分からないことに問題があります。
ホルモンは細胞まできちんと届くことで精妙な生体システムが稼働します。したがって、血液中や尿中に存在しているホルモンを調べても本質ではないということです。
ホルモンは唾液で測るのが一番である
最近はアメリカの統合医療の影響を受け、ホルモンの検査を唾液で調べる医療機関が日本でも増えてきました。
唾液でホルモンを検査することで、細胞まで到達したホルモンの量を測定できます。
唾液でのホルモン量の検査を受けることで、正確なホルモン値が測定できるようになったことはとても良いことです。
問題は「量より質」である
私の治療所には、副腎疲労症候群の患者さんが多く来院されます。その中には、唾液検査でコルチゾール値を測定されている人も多くいます。
唾液検査でコルチゾール値が低いことが分かると、ホルモン剤やサプリメントを使いコルチゾール値を向上させる治療が提案されます。
その治療効果で、唾液中のコルチゾール値は回復するケースが増えてきました。
しかし、コルチゾール値が回復しているのに、慢性疲労などの症状は回復しない人が多くいます。
例えば、高級車にはハイオクのガソリンが30リットル必要とします。その高級車に軽油を30リットル入れたとします。
30リットルという「量」は入れたが、ハイオクではなく軽油をいれたことで「質」が悪く、高級車は故障します。
たとえ、コルチゾール値が正確に測定できる唾液検査でも、あくまで「量」を測っているにすぎません。本当に体に必要なホルモンは「量」プラス「質」ということです。
したがって、コルチゾール量が正常でも、「質」が良くないと慢性疲労や体の不調からは解放されません。
外部からホルモンを補充することは反対である
医薬品のホルモン剤は、たとえ細胞にまで届いても細胞はそれを利用せずに排出しているのではないかと私は推測しています。
また、サプリメントでホルモンを補充し、その作用でコルチゾール値が回復しても、細胞は医薬品同様に「このホルモン何か違うな」という感じをもっているように推測しています。
なぜなら、唾液検査でコルチゾール値が回復しているにも関わらず、症状が改善方向に向かわない人が多くいるからです。
人は本来、元気な副腎がホルモンを合成するシステムです。したがって、副腎を回復させ、量・質ともに良いホルモンを合成してもらうことが理想です。
胃・肝臓・副腎ルートを整備する
コルチゾールを含め、副腎で合成されるホルモンの材料は「コレステロール」です。
コレステロールは肝臓で65%が合成され、また、食事から摂取する栄養を利用して残り35%が合成されます。
したがって、肝臓機能を正常に保つことはとても大切です。
また、食事からの栄養を利用して、35%が肝臓で合成されますが、食事をまず分解する「胃」の働きが重要になります。
なぜなら、胃酸が弱いと、摂取した食材をきちんと分解できず、肝臓は未分解な栄養素からコレステロールを合成しないといけません。
そのことで肝臓で合成されるコレステロールの「質」が低下する可能性が高まるからです。
ホルモンは量よりも「質」であるということを上述してきました。
そのことは一見、当たり前のようなことと感じてしまいますが、日本の医療関係者でホルモンの「質」の重要性を説いている人は少ないです。そのことで、患者さんにも情報が届きません。
川本療法は、ホルモンが関与する症状の場合、胃・肝臓・副腎へのアプローチは必須であると考えています。それに加え、栄養学を学んでいただくことでホルモンの質を向上させていきます。
また、自宅でも患者さん自身に自己指圧をしていただき、副腎機能を回復方向に向かわせるための努力も必要であるとお伝えしています。
ホルモンだけではなく、神経伝達物質などもすべて、物質は「量」より「質」であるということを認識してください。
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