アナフェラキシーショックの真実

 アナフェラキシーショックの真実
そばアレルギーの人や蜂に一度刺されたことのある人は、体がアレルゲンに過剰に反応してしまいアナフェラキシーショックになります。このアナフェラキシーショックの症状では、脳神経がパニックに陥り、呼吸困難になったり手足がしびれたりします。

 

そのような症状がでた場合はエピペンというアドレナリンを主成分とした薬を携帯しておき、注射すると症状は一時的に治まります。アドレナリンとは、副腎で造られるホルモンです。

 

そのエピペンは、「気管支を拡張させ呼吸困難を解消させる」また、「心臓拍動を亢進させ、血流を上昇させてショック症状を緩和させる」という作用があります。

 

では、なぜアナフェラキシーショックになるのでしょうか? 我々の体が動き、呼吸をしたり心臓が拍動したりするのは、神経伝達物質の働きが関係しています。神経伝達物質は、脳からの情報を瞬時に伝える役目をしていますが、その役割が終わるとすぐに分解されます。

 

この役目を終えた神経伝達物質の分解は酵素が行います。

 

 強いアレルギー症状を持っている人は、自分を守り過ぎる
通常であれば、神経伝達物質は素早く分解されます。しかし、強いアレルギー症状を持つ人の場合、気管支の拡張や血圧を上げるための命令を担う神経伝達物質は、簡単には分解されません。

 

なぜ、強いアレルギー症状を持つ人は、神経伝達物質の分解に、二の足を踏むのでしょうか?
その理由は、強いアレルギー症状を持つ人にとって神経伝達物質は、患部の改善には必要な物質だからです。その物質を分解してしまうと患部の改善に支障がでると感じているからだと思われます。

 

そうなると、患部に神経伝達物質が多く集まりま過ぎます。その結果、生体の神経系が過剰に反応してしまいパニックになります。

 

 アレルゲンは真の犯人ではない
一般的には、アレルゲン(アレルギーを起こす物質)が原因でアナフェラキシーショックが起きると思われがちです。確かに、アナフェラキシーショックの引き金はアレルゲンですが、そのアレルゲンに過剰に反応した患部を治そうとすると、神経伝達物質が集まり過ぎてしまいます。そして、このように過剰に神経を刺激してしまうことでショック症状がでていることは、あまり理解されていません。

 

例えば、地下鉄サリン事件で使われたサリンは、神経伝達物質の分解に関わる酵素を阻害します。そのことにより、神経伝達物質の量が増え過ぎ、神経を過剰に刺激して呼吸困難になります。

 

このとき、サリンの解毒に使われた解毒剤があります。その薬はPAM(パム)といいます。PAMの作用は、サリンで効力を失った「酵素」を働きをを復活させることにより、神経伝達物質を分解させます。その結果、過剰になっている神経系の命令が安定しパニックは解消されます。

 

上述したように、ショックやパニック症状の本質は、その患部の神経系に対して、一度に多くの「治せ! 治せ!」の命令が集まり過ぎ、統率がとれなくなった状態なのです。治すための命令がが集まりすぎてもショックやパニック症状になるのです。本当に、人の体のメカニズムは奥が深いです。

 

生死に関わるようなきついアレルギー症状でなければ、安易に薬に頼るべきではないと思います。薬を使用していても、これだけ多くの人がアレルギー症状に苦しんでいるのにも関わらず、何十年も同じ手法で治療されていることに私は疑問を感じます。 

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