胃が弱い真実:胃が生産するホルモンとの関係

 

腸より胃が重要である


世間の健康情報の主役は「腸」です。腸の重要性を説く指導者が増え、腸関連の本も多く出版されています。しかし、私は腸もじゅうようだが胃も重要であると考えています。

 

そのことは、胃がんなどで胃3分の2を切除した患者さんの術後に顕著に表れます。胃癌部分を切除した患者さんは様々な後遺症がでます。また、そのことに適切な対処ができていません。

 

特に胃を切除した場合に起こる代表的な後遺症に「ダンピング症候群」があります。

 

ここで「ダンピング症候群」の代表的な症状をまとめます。

 

 @食後に急激に血糖値が上昇する

 

 A「@」のことで、次に低血糖症状がでる

 

 B腹痛が頻繁に出るようになり軟便傾向になる

 

 C動悸・息苦しさ・めまい・冷や汗などの症状に見舞われる

 

 D食欲不振になり、食べ過ぎると吐き気に見舞われる

 

健康な人が食事をすると、胃で消化された食べ物は少しづつゆっくりと腸まで運ばれます。しかし、胃を切除した場合、食べ物は食道から腸に一気に流れ込んでしまうことで「ダンピング症候群」になります。

 

胃の働きがわるくなることで、胃とは関係ないと思われる、動悸や下痢など上記した症状がでることから、胃がいかに重要かが分かります。

 

 

「胃が弱い」とはどういうことなのか


痩せ型で元気の出ない人の共通点は「胃が弱い」ことです。胃が弱い、、、、、さて、胃がどのように弱いのでしょうか?

 

一般的には、「胃が下垂している」「消化酵素が弱い」「気にし過ぎる性格である」などの説明がされますが、胃が生産するホルモンが関係していることは余り知られていません。

 

そのホルモンとは「グレリン」といいます。

 

主に胃から分泌され、食欲を刺激したり、成長ホルモンの分泌を促進したりするホルモンで、1999年、国立循環器病センター研究所生化学部の寒川賢治博士が率いるグループがラットを用いた実験で存在を明らかにしました。

 

このグレリンの分泌量が少ない人は、いわゆる痩せ型で、上記した「ダンピング症候群」の軽い症状に見舞われる可能性が高まります。

 

逆流性食道炎の原因も、このグレリンが関係しているのではないかと言われています。

 

 

胃が弱い人をどのように回復させるのか?


胃の弱い人を回復させる方法の1つに栄養学があります。

 

甲田療法のように、できるだけ空腹時間を長くして「胃を休ませる」方法や1回の食事量を減らし、4〜5回に分けて摂取する方法などもあります。

 

食事法は指導者の思想によって異なり取捨選択が難しいと言えます。

 

そこで私が提案しているのが皮膚(神経)への刺激法です。内臓は脳から伸び、背骨を経由して伸びる神経の命令で働いています。

 

つまり、胃が弱いのは胃が弱いのではなく、胃に分布する神経の命令が弱いのです。

 

胃に分布する神経は、背骨の胸椎の5番目、頸椎の2〜4番目を経由して胃に到達します。したがって、頸椎5番目・頸椎2〜4番目の骨のキワを通る神経を刺激することで、胃の働きは活性します。

 

つまり、脳から伸び、背骨を経由して内臓に分布する脊髄神経のシグナルを正常にすることが根本治療と言えます。

 

したがって、栄養療法は胃の負担を減らす1つの手法に過ぎず、根本療法ではありません。

 

 

ホルモンの分泌を正常化させるにはどうしたらいいのか


例えば、甲状腺ホルモンが低下した際はホルモンを補充します。一方、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される場合は、ホルモンを減らすことができないために、放射線治療や甲状腺自体を切除する方法がとられます。

 

つまり、現代医療はホルモン低下にはホルモンを補充して対応できますが、ホルモンの過剰分泌には対応できなきのです。

 

一方、神経刺激法や鍼灸療法では、内分泌器官(ホルモンを生産する器官)の働きを正常化させる可能性があります。

 

食欲に関するホルモンに、胃で生産される「グレリン」があることは上述しました。痩せ型のタイプは、グレリンの生産能力が低いことが推測されます。

 

それでは、グレリン自体を補充すればよいのではという発想が芽生えます。しかし、グレリンをはじめとするホルモンを補充した場合、胃のホルモン生産力はさらに低下します。

 

なぜなら、外部からホルモン補充されることで、胃がホルモンを生産しなくてよくなるからです。つまり、胃がホルモンを生産する仕事をサボってしまうのです。

 

現在はグレリン自体を補充する治療法は確立されていませんが、近い将来、グレリン補充療法が提案される可能性は否定できません。

 

しかし、グレリンを補充したとしても胃の機能が回復しないので根本治療にはなりません。

 

 

神経系を刺激して内臓を活性化させることが重要である


上述したように、脳から伸びた神経が背骨を経由して内臓に達します。

 

胃に分布する神経は、背骨の胸椎の5番目、頸椎の2〜4番目を経由して胃に到達します。したがって、頸椎5番目・頸椎2〜4番目の骨のキワを通る神経を刺激することで、胃の働きは活性します。

 

この刺激法を治療院で施してもらうとよいでしょう。また、自宅で行う「自己指圧」が重要です。なぜなら、治療院での施術だけでは刺激回数が足りず、神経系の働きを正常化させるのは難しいからです。

 

そこで私は、自己指圧の重要性を説いています。そして、その方法の説明に長い時間を割いて理解して頂いています。

 

内臓は勝手に動いているのではなく、神経系の命令によって動いています。その神経系の働きを妨げているのが骨のズレです。

 

骨のズレは遺伝的要素もありますが、姿勢の悪さの影響も受けます。立ち姿勢や歩行姿勢を改善し内臓に分布している神経の通り道を開放することがとても重要です。

 

それに加えて、背骨から内臓に分布している神経を刺激する。この2つを実践していくことで自分自身を変えることができます。

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