痩せてる人が太れない理由:酵素との関係

人は生命活動の全分野に、酵素を必要とする


元気な人と病気がちな人の差は何かと問われると、「酵素の働きの差」といっても過言ではありません。すべての生命の根幹は、DNAと酵素の働きによるものです。

 

DNAは、その種の遺伝に関与します。また、酵素は体内での代謝(化学変化によって新しい物質を造る)のすべてに関与します。その具体的な働きを下記にまとめます。

 

 @消化・吸収、または排出に酵素は不可欠である

 

 A呼吸や筋肉の動き、または神経伝達に酵素は不可欠である

 

 Bホルモンの命令を受け、触媒(新たに物質を造り出す)の役目に酵素は不可欠である

 

 C体内で行われている代謝の全てに酵素が必要である

 

上記した酵素の働きは代表的なものであり、体内で「生産」された酵素は、約5000種存在し、5000種の仕事を受け持っています。

 

アルコールが飲めない人は、アルコール分解酵素が少ないのは有名な話です。その他にも、活性酸素を除去するのはSODという酵素があり、また唾液・涙・鼻水にはリゾチームトいう酵素が含まれていて細菌の侵入を防いでいます。

 

その酵素は、体の中で作られます。酵素がどのようにして造られるかというと、食物が消化、吸収され、肝臓で「固有のたんぱく質」ができます。そこに微量元素(ビタミン・ミネラル)が結びついて酵素が完成します。その5000種ある酵素ですが、それぞれの酵素は体内では1つの仕事しか受け持つことができません

 

痩せ型タイプが太れない理由の一つに酵素の働きが弱いことが関係しています。

 

その影響で上述した「@〜C」の働きが弱く、虚弱体質になる傾向が強いです。

 

 

体内に存在する酵素は増やすことはできない


「体内酵素を増やすことができれば健康になれるのでは」と思っている人は多くいます。広告をみても酵素の重要性を謳う商品に溢れています。しかし、実際は体内酵素を増やすことはできません。

 

なぜなら、それは遺伝子により働きが決まっているからです。

 

しかし、体内酵素を活性化させることは可能です。その方法は酵素を働かせる際に必要なビタミン・ミネラルを食事から摂取することです。

 

酵素はビタミン・ミネラルがないと働きが鈍ります。したがって、有能なビタミン・ミネラルは痩せ型タイプの人には必須になります。

 

 

痩せ型タイプは炭水化物中心なためにビタミン・ミネラルが不足する


痩せ型タイプは消化酵素が弱く、タンパク質や脂質を分解する力が低い傾向にあります。そのため、食事の中心は炭水化物に偏ります。

 

精製された炭水化物には有能なビタミン・ミネラルが含有されていないことで酵素反応は低下します。また、炭水化物に含まれる糖質をエネルギーに変える際に多くのビタミン・ミネラルを使うことで、さらに体内にはビタミン・ミネラルが不足傾向になります。

 

また日本人の観念に、野菜や果物から多くのビタミン・ミネラルを摂取しようとする傾向が強くあります。しかし、野菜や果物が保有するビタミン・ミネラルでは量がたりません。

 

新鮮な魚介類や肉は野菜や果物より多くのビタミン・ミネラルを保有しています。しかし、痩せ型タイプは消化酵素が弱いために魚介類や肉類を避ける傾向にあるために、有能なビタミン・ミネラルの摂取量が不足します。

 

そのことで、元来働きの弱い体内酵素にビタミン・ミネラルが不足し、作用しないことで痩せ型は常に疲労感にみまわれます。

 

 発酵食品を積極的に食べる
有名な酵素食品に「マンダ酵素」があります。名前から連想すると、あたかも酵素を摂取できると錯覚してしまいます。しかし実際は、酵素を摂取しても胃酸で分解されてしまいます。

 

したがって、酵素食品を摂取しても体内酵素は増やすことはできません。

 

それでは、「マンダ酵素」とはどのような物かというと、野菜や果物を発酵させることで有能なビタミン・ミネラルを作り出している、いわゆる「補酵素(酵素を活性させる物質)」になります。

 

ようするに、世間で謳われている酵素食品はあくまで「補酵素」ということです。

 

しかし、この補酵素がないと体内酵素は働きが低下するので痩せ型タイプは積極的に摂取した方がよいです。

 

 

ビタミン・ミネラルを酵素に作用させる物質がある


食事から多くのビタミン・ミネラルを摂取しても元気になれないのが痩せ型の特徴でもあります。

 

その理由に、摂取したビタミン・ミネラルを体内酵素に作用させる物質が弱いことがあります。

 

その物質の1つにビタミンB6があります。ビタミンB6を多く含む食品はアボカドやバナナ、ふすま(小麦の皮)、ビール酵母、ニンジン、鶏肉などがあります。

 

しかし、ビタミンB6は食品から摂取してもそのままでは使うことはできません。ビタミンB6を肝臓で「体内で使えるビタミンB6」に変換できるかできないかが大きなポイントになります

 

痩せ型タイプはこのビタミンB6を肝臓で変換する能力が低い傾向にあります。

 

そのせいで、いわゆる「痩せの大食い」といわれるほど食事を食べても、その栄養素が酵素に反応することができない傾向にあります。

 

このように、栄養を多く摂取したからといって全てが体で活かせるわけではありません。

 

痩せ型タイプを元気にすることは大変です。なぜなら、遺伝的に体内酵素の働きが弱いうえに、食事を消化する力も弱く、それらを利用する酵素の働きも弱いからです。

 

したがって、その弱い体内酵素を効率よく働かせるための方法を、医療従事者が知る必要性があります。しかし、日本ではそのような情報は少ないです。

 

私は「痩せ過ぎは病気である」と思っています。しかし、理屈を理解し努力していけば改善は可能であると考えています。

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