「胃もたれ」や「胸やけ」を感じない人は短命の危険性がある
健康についての常識を疑ってみる
川本治療所に来院される患者さんの多くが「胃に不安」をもっています。例えば、酸化した油で調理された揚げ物などを食べると、「胃もたれ」や「胸やけ」を感じます。そのような症状があると、胃が弱いと自己判断します。
それとは逆に、酸化した油で調理した揚げ物を食べても「胃もたれ」や「胸やけ」が感じない人もいます。そのようなタイプの人は胃が強いと思っています。
しかし、実際はそうではなく、健康な人なら酸化油に対し「胃もたれ」や「胸やけ」が起るべきであり、逆にそのような症状を感じない人ほど感覚が鈍感ということになります。
感覚が敏感すぎても鈍感すぎてもいけない
人は、体(胃)にとって質の悪い食物が入ってきた場合、それらをそれ以上食べないように、おう吐したり下痢として体外に出したりします。
そのような防御反応の一つに、酸化した油に対して、「胃もたれ」や「胸やけ」という反応がでます。
この「胃もたれ」や「胸やけ」があることは悪いことではなく、悪い食品を食べ過ぎないように病気を防いでくれているのです。また逆に、そのような反応が出ない人は、悪い食品を食べ過ぎてしまい将来的には病気になりやすいです。
欧米人に「胃もたれ」や「胸やけ」は少ない
欧米人は、体格もよく食欲旺盛で体(胃)が強いと評されています。そのことを裏付けるように欧米人には、酸化した油で調理した揚げ物を食べた際にも、「胃もたれ」や「胸やけ」を訴える人はほとんどいません。また、日本人でも肥満傾向の人はそれらを感じない傾向が強いです。
では、なぜ欧米人や肥満傾向の日本人は、酸化した油に対して「胃もたれ」や「胸やけ」を感じないのでしょうか。それは、消化酵素の質・量の分泌量が多いことが挙げられます。
本来なら「消化酵素の質・量が多く分泌されるほうが良いのでは?」と思うのではないでしょうか。ただ、実際はそうではありません。先ほどお伝えしたように、人は体(胃)にとって悪影響な食物が入ってきた場合は拒否をすべきなのです。
しかし、欧米人や肥満傾向の日本人は、消化酵素が強いために「質の悪い酸化した油」に対しても拒否反応が働かずに全て取込んでしまいます。
欧米人には肥満の人が多い
体にとって望ましくない食品でも食べることのできる「感覚鈍麻タイプ」は、欧米人や肥満傾向の日本人に多いということはお伝えしました。この「感覚鈍麻タイプ」の特徴を簡単にまとめてみます。
@揚げ物やポテトチィップ、またはクッキーなどを食べても「胃もたれ」や「胸やけ」は起こらない
A「@」の他に炭水化物などの糖質を食べ過ぎても「胃もたれ」や「胸やけ」は起こらない
B熱い夏場でも食欲が落ちずに食べることができ、いわゆる夏バテを感じない
C「B」の結果、夏太りする
D体重増加と並行して「軟便」や「痔」、または「水虫」、「皮膚炎」になる傾向が強い
E血液検査の結果は、思っている以上に悪くない
上記したようなことが「感覚鈍麻タイプ」の特徴です。また、「E」の血液検査結果が良好な場合が多い理由は下記に説明します。
「感覚鈍麻タイプ」の血液は意外にも綺麗である
上記した「感覚鈍麻タイプ」の人は、揚げ物や甘いものを過食してしまうことはお伝えしました。一般的に考えれば、そのような過食が続くと、血液検査では脂質(コレステロールや中性脂肪)異常が指摘されそうです。
しかし、意外にも血液検査結果は悪くありません。その理由をまとめます。
@「感覚鈍麻タイプ」は、消化・分解されて血液中に運ばれてきた栄養素(質の悪い物質も含む)を細胞内に持ち込む作用が強い
Aどんどん運びこまれる栄養素(質の悪い物質も含む)を細胞が受け入れる能力も高い
B細胞が栄養素で満たされ際でも、細胞の外側に栄養素を溜め込む能力が高い
上記したように、「感覚鈍麻タイプ」は血液中の栄養素をどんどん細胞内・外に持ち込む能力が強いです。したがって、過剰に食べた脂質や糖質は細胞内・外に運ばれるので、血液中には脂質や糖質が少ないということになります。
現に、糖尿病や脂質異常は、欧米人や太っている日本人には少なく、痩せ型の日本人に多く発症します。この結果は、あくまで血液中を診ているのでこのような結果になります。
ようするに、「感覚鈍麻タイプ」は血液中が綺麗でも、細胞内・外には不必要な物質が多く溜まっているということです。
胃もたれや胸やけのない人は短命の危険性がある
上記の状況から、私は「胃もたれ」や「胸やけ」の感じない人の方が病気になりやすいと説明しています。
なぜなら、欧米人や肥満傾向の日本人の体は、酸化した油に対しての反応が鈍いために、そのような質の悪い食品を多く取り込んでしまうからです。
そして私は、欧米人や肥満傾向の日本人の体は、「琵琶湖」に似ていますとも説明します。ようするに、琵琶湖という大きな湖に少々汚物を捨てても、琵琶湖の汚れは目立ちません。
欧米人や肥満傾向の日本人の体は琵琶湖同様に、汚物(酸化した油で調理)した物をどんどん取込みます。
その結果体は、多くの汚物を許容しますが、感覚が鈍麻なために体が汚れきるまでに時間がかかります。したがって、自分の体に異変が出ていることには気づきにくいのです。
食欲旺盛で何でも食べる人は健康の代名詞です。しかし、この裏には、質の悪い食品を許容してしまうという落とし穴があるのです。
そして、一度汚れきった体は、琵琶湖の水と同様に簡単には回復しません。そうなると慢性疾患が発症し、生命の危険が出てきます。
痩せ型(太れない)体質の人は、自己防衛力が働いている
上記してきた体質とは逆に、痩せ型体質の日本人は、すぐに「胃もたれ」や「胸やけ」を感じます。質の悪い油を食した場合、そのような反応が出るのは正常なのです。
「胃もたれ」や「胸やけ」を感じる痩せ型体質の人は、琵琶湖とは逆に「小さなため池である」と私は説明します。ため池に汚物を捨てた場合、その影響ですぐに体(水)が汚れてしまいます。
ようするに、痩せ型(太れない)体質の人は、酸化した油などの影響で体が汚れるのを感じとれるために、それらを食べ過ぎることはありません。
したがって、「胃もたれ」や「胸やけ」を感じ、不安になる人は多いですが、大病に移行する可能性は欧米人や肥満傾向の日本人より低いです。
人の感覚は過敏すぎても、鈍感すぎてもいけません。そのことを知って頂くことで病気の予防につながればと思います。
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