痩せてる人が太れない理由:胆汁とコレステロールの関係

 

痩せている人は油物の消化が苦手である


人が食事をするのはお腹を満腹にするために食べるのではなく、生命を維持するために必要な栄養素を食物から獲得するためです。

 

栄養素のなかでも脂肪は生命維持に欠かせない大切なものです。

 

しかし、痩せ型タイプの人は大切な脂肪を分解する能力が弱い傾向にあります。

 

例えば、お持ち帰りのコロッケを食べたり外食のフライ物を食べた後に「胸やけ」や「ゲップ」に悩まされます(自宅で調理した油物は、油が酸化していないので症状は起こりにくいです)。

 

痩せ型タイプの人は油物を食した後の「胸やけ」や「ゲップ」を起こすことを嫌い、油物を控えるようになります。しかし、上記したように人にとって「必須」の栄養素である脂肪が足らなくなります。

 

 

油物をの消化が弱いのは胆汁の質が悪い


油物の消化・分解に大きく関与するのは、胆嚢(たんのう)から分泌される胆汁です。この胆汁の質が低下したり分泌量が適量ではない場合は、食物から摂取した脂肪を体内に吸収できなくなります。

 

ここで胆汁の働きを簡単にまとめます。

 

 @胆汁は脂肪を体に取り込みやすく分解する

 

 A胆汁はビタミンのA、D、EおよびKなどの脂溶性ビタミンの代謝に不可欠である

 

ようするに、油が悪いのではなくそれを消化・分解できない胆汁の質の悪さが根底にあります。

 

そこで、胆汁の質をどのようにして改善すればよいのかという考えがでます。そのためには、胆汁の材料は何からできているのかを知る必要があります。

 

胆汁の主な材料は、肝臓が合成するコレステロールです。

 

1日で合成されるコレステロールの半分は「胆汁の生成」に使われます。これにより食品から体に必要な必須脂肪酸の吸収が高まります。

 

しかし、痩せ型タイプは胆汁の質が悪く必須脂肪酸を体に取り込むのが下手なために、皮下に脂肪が蓄積できないので太ることができません。

 

 

痩せ型タイプはコレステロールの合成が弱い


コレステロールは胆汁の材料の他に、脳の栄養や血管の壁の栄養として知られています。細胞膜の材料やホルモンの材料にも使われ、とても重要な成分です。体(細胞)にコレステロールが不足すると健康維持ができません。

 

痩せ型の人はコレステロールの合成が弱い傾向にあります。そのことで起こる症状をまとめてみます。

 

 @脳への栄養が不足することで痩せ型タイプは「イライラ」する人が多い

 

 A血管壁が柔軟性がなく、血液を送り込むポンプも弱いために低血圧傾向にある

 

 B「A」の理由で栄養が運ばれにくいことで太ることができない

 

 Cようやく細胞に栄養が届いても、栄養を細胞膜が弱いために上手く取り込めない

 

このようなことで、痩せ型タイプは疲労感や冷えにみまわれます。

 

また、上記したことよりも重大なことがあります。そのことはコレステロールは副腎や卵巣ホルモンの材料であるということです。

 

 

痩せ型は副腎や卵巣で造るホルモンの合成力が弱い


肝臓で合成されるコレステロールは、体にとってとても重要なことはお伝えしました。しかし、一般的にはそのような認識はなくどちらかといえば悪い物として扱われています。

 

特にコレステロールが副腎や卵巣で合成されるホルモンの材料であることは認識されていません。

 

副腎や卵巣で造るホルモンは生きていく上で不可欠です。これらのバランスが少し狂うだけで、人の健康維持は損なわれます。

 

しかし、痩せ型タイプはコレステロールの合成力が弱いことで、これらのホルモンを造る材料が乏しくなります。そのことで良質なホルモンを合成することができなくなります。

 

 

コレステロールを副腎に奪われ生理不順になる


コレステロールは副腎や卵巣で造られるホルモンの材料です。ようするに、コレステロールというホルモンの材料を、副腎と卵巣が取り合っているのです。

 

人がストレスにみまわれた際には、それから逃れようと副腎で大量のホルモンを造ります。ようするに、コレステロールが副腎に奪われた状態です。

 

そのような状況下では、卵巣にコレステロールが運ばれずにホルモンの合成がうまくいかなくなります。いわゆる生理不順の状態になります。

 

元来、痩せ型タイプはコレステロールの合成力が弱いために、ストレス対応が苦手であったり、その影響で生理が止まったりします。

 

しかし、病院ではコレステロールの摂取は体に悪いと教えられるために、コレステロールを多く含む食材を控える傾向にあります。

 

 

コレステロールを含む食材を食べないと良質の胆汁ができない


痩せ型のタイプは、油物の分解が苦手であることは上述しました。そのことで油物全般を避けるようになります。

 

食材の中には魚や肉に含まれる良質の油もあります。しかし、痩せ型タイプはそのような良質の油さえも避けます。

 

つまり、コレステロールの材料を食べないということになります。ただでさえコレステロールの合成力が弱いのにその材料をも控えることで、さらにコレステロールの質は低下します。

 

良い胆汁ができず油物の分解ができないことで、また油を避けてしまうという悪循環になります。

 

胆汁の質を向上させ、体内に良質の脂肪を増やしていくことが重要です。痩せ型タイプは空腹になると疲労感にみまわれます。その理由の1つに、体内に良質の脂肪が蓄積されていないことがあります。

 

胆汁の質を向上させて体内に良質の脂肪を増やすには、油全般を毛嫌いするのではなく養殖ではない魚や放牧で育てられている動物の油、または低温で圧搾された良質の植物油を積極的に摂取することをおすすめします。

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