炭水化物がやめられない理由
炭水化物(デンプン)には糖質が一杯
炭水化物(デンプン)は糖が連なっている形状をしています。そのことで甘さは感じませんが、炭水化物(デンプン)には多くの糖質が含まれています。
例えば、うどん1玉には角砂糖に換算すると約14個分の糖が含まれています。また、パン100gには角砂糖に換算すると約12個分の糖が含まれています。しかし、多くの方は「デンプン=糖が多い」とは認識していません。
炭水化物(デンプン)を食べても味覚では甘さを感じませんが、身体は炭水化物(デンプン)には糖が含まれていることを認識しています。そのことで、疲れたときなどに炭水化物(デンプン)を食べる人は少なくありません。
肥満の人は炭水化物(デンプン)が好きである
肥満の人は汗をかきながらラーメン・焼き飯セットを食べているイメージを持っている人は少なくないでしょう。実際に、肥満の方は炭水化物(デンプン)を過剰に食べてしまう傾向にあります。
炭水化物や甘い物を過剰に食べる人を、英語では 「Carbo Craver(カーボクレーバー)」や「Sugar Craver(シュガークレーバー)」と言います。
Cravingとは「渇望(かつぼう)」という意味で、上記したように、炭水化物や甘いものを異常に食べたくなる衝動を もった人のことを言います。
トリプトファンと炭水化物(デンプン)の関係
1日を通して、食事や間食で甘いものを渇望する人の多くは「トリプトファンが不足している」という研究報告が多くあります。
栄養医学研究所の故・佐藤氏の師匠であるDr.ライトのタホマクリニックでも、炭水化物過食による肥満の患者さんの血中トリプトファンを検査しした結果、90%の患者さんがトリプトファンが不足している現状があったと報告しています。
そして、炭水化物過食による肥満の患者さんの多くにうつ症状・情緒不安・不眠などの症状がみられると報告しています。
なぜなら、トリプトファンは代謝されることによって、うつ症状・情緒不安・不眠などのに関わるセロトニンという神経伝達ホルモンに変化するからです。
セロトニンの量は炭水化物(デンプン)を摂取することによって増加しますが、この背景は、炭水化物(デンプン)を摂取した後に分泌されるイ ンスリンホルモンの働きが大きく関係しています。
インスリンホルモンはアミノ酸(トリプトファン)を運ぶトランスポーター(運び屋)です。つまり、インスリンホルモンの働きにより血液中のトリプトファンを効率的に細胞内に運びこみます。
血液中を調べるとトリプトファンが少ないのに、、、、
上記したように、炭水化物過食による肥満の患者さんの血中トリプトファンを検査した結果、90%の患者さんがトリプトファンが不足しているとお伝えしました。
血液中のトリプトファンが少ないということは、トリプトファンはインスリンホルモンの作用で細胞内に運びこまれこまれたことが推測できます。
ここで疑問が生じます。
炭水化物(デンプン)を過剰に摂取することでインスリンホルモンが分泌され、トリプトファンは細胞内に運ばれた(血液中のから減った)のなら、細胞内はトリプトファンで満たされたことになります。
しかし肥満の人は、炭水化物(デンプン)の過食が止まりません。なぜでしょうか? インスリンホルモンの作用で細胞内にトリプトファンが運びこまれ、代謝されたならセロトニンが合成されます。
セロトニンが一定量に達すれば、炭水化物(デンプン)を摂取する必要はなくなるはずです。 しかし、炭水化物の過食が止まらない人が多くいます。
この疑問を説くカギが「インスリン抵抗性」という症状にあります。
糖尿病の方にインスリン抵抗性という症状を発症する方がいます。ここでインスリン抵抗性についてまとめます。
@インスリンは糖を細胞まで運ぶ作用がある
Aインスリン抵抗性とは、インスリンが運んできた糖の受け入れを細胞が拒否する
Bその背景に、インスリンの質の低下が影響していることが推測でされる
C「B」の理由以外に、細胞のセンサーが怖がりになり、必要な物質まで敵とみなす
上記したように、インスリン抵抗性を発症すると、細胞に糖が届かなくなり糖代謝異常(糖尿病)を生じます。
インスリン抵抗性はトリプトファンも運びこめない!?
インスリンの作用は糖を細胞に運ぶだけではなく、トリプトファン(アミノ酸の1種)も細胞に運び込みます。
糖尿病を患っている人は「うつ症状」を併発する場合が少なくありません。それではなぜ、糖尿病の人は「うつ症状」を併発するのでしょうか?
@インスリン抵抗性により、糖だけではなくトリプトファンも細胞に届かない
A「@」のことで、セロトニンの元となるトリプトファンが不足する
B「A」のことで、トリプトファン不足を補うことで炭水化物を過食しインスリン量を増やそうとする
C「B」のような食事をしても、インスリン抵抗性によりトリプトファンは細胞に届かない
上述しているように、炭水化物をやめれない大きな理由に、細胞にトリプトファンが届かないことがあります。そのことで、トリプトファン→セロトニン合成ルートが働かずセロトニン不足となるからです。
トリプトファンをサプリメントで補うと体調が良くなる人、ならない人
栄養療法では上記のような症状を改善するために、食事の1時間ほど前にトリプトファンのサプリメントを1,000〜2,000mg摂取してもらうことで炭水化物の過食が症状が顕著に改善し、食欲コン トロールが改善されて肥満を改善させることもあります。
一方、同じ条件で同量のサプリメントを摂取しても効果が出にくい人もいます。その違いは、血液中のトリプトファンを「細胞内に運べるタイプ」か「運びこめないタイプ」かが関係していると推測されます。
つまり、上述してきたように、インスリン抵抗性の症状があり、トリプトファンを細胞内に運びこめない人はトリプトファンのサプリメントでは効果が出にくいということです。
インスリン抵抗性を引き起こす原因は、細胞膜のセンサーが過剰になっていることがあります。度重なるストレスで「自分力が低下」すると、あらゆる物を敵と感じ体内や細胞内への取り込みを拒否するのです。
つまり、細胞膜のセンサーが正常ではなくなり、本来、体に必要な糖質やトリプトファンを運んでくれるインスリンホルモンでさえ敵と感じてしまうのです。
健康は体に備わっている「精妙なシステム」が正常に働いて維持されています。システムが精妙過ぎることで、バランスが崩れると修復が難しいのです。
細胞のセンサーの過敏な状態を正常化するのは容易ではありません。しかし、このような時こそ地道に「皮膚刺激」をすることは重要です。なぜなら、細胞のセンサーと皮膚に存在しているセンサーは親密に情報交換しているからです。
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