痩せてる人が元気が出ない理由:細胞に届いた糖を利用できない
痩せ形タイプは炭水化物を好む
痩せ型のタイプは、消化能力が弱く、肉や油脂を毛嫌いする傾向があります。そのことで食事の中心は炭水化物を好みます。
炭水化物は植物繊維と糖質とで形成されています。つまり、炭水化物から植物線維を抜くと糖質ということです。
例えば、うどん1玉には角砂糖(1個が約4,5g)が14個分含まれていることはみなさんもお聞きになったことがあると思います。うどんなど炭水化物を食べた際に、味が甘くないことで炭水化物=糖質というイメージが持ちにくいのです。
ここで考えてほしいのは、うどんや米を食したということは、多くの糖を摂取したということです。糖は脳や身体を動かすためのエネルギー源ですが、痩せ型タイプは糖炭水化物を多く食べてるのにも関わらず、なぜ、疲労感に見舞われるのでしょうか?
上記のようになるメカニズムは、いわゆる「機能性低血糖」といいます。その作用は精製された炭水化物を摂取すると急激に高血糖状態になり、その後に血糖値が低下した際に、手足の震えや思考力の低下、倦怠感に見舞われるなどの症状が出ます。
機能性低血糖症についての疑問
最近、私は「機能性低血糖」について疑問が湧いてきています。 その疑問を記していきます。
「血液中に糖(グルコース)が多い状態」を高血糖状態といいます。一方、「血液中に糖(グルコース)が少なくなった状態」を低血糖状態といいます。血液中の糖はグルコースを測定しています。
「機能性低血糖」とは、高血糖状態から急激に低血糖症になった「落差」(血液に糖=グルコースが少なくなった)で、手足の震え・思考力の低下・疲労感など体調の不調が発生すると教えられてきました。
また、糖尿病患者さんでインスリンホルモンを注射している人は低血糖症を発症します。その際の血液中の糖の量は1デシリットル中60ミリグラム以下になっています。つまり、インスリンホルモンの作用で血液中の糖が減り過ぎたことで低血糖症状がでます。
つまり、痩せ型タイプで食後に低血糖症状が出る人も、糖尿病の患者さんでインスリンホルモンを注射して低血糖症状が出る人も、血液中の糖が急激に減った(低血糖状態)際に疲労感に見舞われるということです。
血液中の糖が減ったのなら糖はどこに運ばれたのでしょうか? 普通に考えると細胞内に運ばれたと推測できます。
ここで、おさらいをします。糖は人が生きていくためのエネルギー源です。そのエネルギーは細胞内に存在するミトコンドリアで生産されます。
糖が血液中から減り細胞内に運ばれたなら、ミトコンドリアは糖を利用してエネルギーを生産することができ、人は元気になるはずです。
しかし、痩せ型タイプの大半の方は、精製炭水化物を摂取した後に、手の震えや思考力の低下、または倦怠感を感じます。
そうなる原因は大きく二つあります。
1つは細胞に糖が届かない=インスリン抵抗性タイプがあり、もう1つは「細胞内で糖を代謝できないタイプ」があります。
ここでは、細胞内に糖が運ばれたが代謝(エネルギー生産)ができないタイプをまとめてみます。
・細胞内に糖が運ばれたケース:
@細胞内に糖が入るとエネルギーが生産され、元気になるはずである
Aしかし、痩せ型タイプは炭水化物を摂取した後、手の震え・思考力の低下が起きる
B「A」の理由として、細胞内に入った糖をエネルギーに変換できないことが推測される
「インスリン抵抗性=細胞に糖が運ばれないタイプ」は、細胞に糖が入らないことで、エネルギー生産ができず疲労感に見舞われることは何となく理解できると思います。
しかし痩せ型では、「細胞内に糖が運ばれているのにミトコンドリアでエネルギー生産ができない」タイプがあるということです。
「5−アミノレブリン酸」を知っていますか?
5―アミノレブリン酸は36億年前の原始の地球に生命体と共に誕生し、動物や植物などの生命体に宿っている物質です。
人では血液中のヘモグロビン(ヘム)、植物では葉緑素の原材料となる唯一のアミノ酸です。
・「5−アミノレブリン酸」はヘムを生産する唯一の物質である:
生体内の多くの機能調節に関わる重要な役割を占めているのが「ヘム」です。
「5−アミノレブリン酸」が8分子集まってはじめて「ヘム」が生産されます。つまり、「5−アミノレブリン酸」がないと生命維持に不可欠な「ヘム」は生産できません。
ヘムは生体のすべての組織に存在し、食事や自身の遺伝子から生産された「タンパク質」と結合してヘムタンパクになります。
例えばヘム(モ)グロビンにおいては酸素と結合し生体内唯一の「酸素を運搬するタンパク質」となります。
・「5−アミノレブリン酸」は「ヘム」を生産しエネルギー生産をおこなう:
人はエンジンもバッテリーもないのに、なぜ活動できるのでしょうか? それは各細胞内に存在する「ミトコンドリア」という器官が人を動かすエネルギー生産をおこなっているからです。
ミトコンドリアでは、細胞外から取り込んだ様々な種類のタンパク質複合体に酸素が加わることで「水」と「ATP(エネルギー)」と「CO2」が生成されます。
その過程で必須な物質が「ヘム」です。つまり「5−アミノレブリン酸」が8個集まり「ヘム」を生産することで「代謝」が促進され、エネルギーと水とCO2を生産するという重要な働きに関与しています。
・「5−アミノレブリン酸」が不足すると糖代謝が低下する:
加齢や何らかの原因で「5−アミノレブリン酸」が不足するとエネルギー生産が落ちます。
エネルギーを生産する際に不可欠な物質が「糖」です。糖を代謝できないとエネルギー生産力が低下し、いわゆる「元気がない状態」となります。
つまり、エネルギー生産がうまくいっていない背景に「糖」を代謝する能力が低いことがあります。
糖代謝の能力が低い原因の1つに、「5−アミノレブリン酸」が少ないことがあります。
「5−アミノレブリン酸」が少ない理由の1つに、遺伝の関与が疑われます。なぜなら、糖尿病を発症した人の親族に糖尿病患者さんが多いからです。
したがって、「5−アミノレブリン酸」をサプリメントで摂取することで糖代謝が活性し、エネルギーに満ちた元気な体になることが推測されます。そのことで、糖代謝が正常になり糖尿病の改善にも望みが出てきます。
・元気な人は体内で水を作っている:
赤ちゃんはミルクしか飲まないのに水分で満ち溢れています。不思議ですね。赤ちゃんの時期は「5−アミノレブリン酸」の保有量が多く、いわゆる「基礎代謝(エネルギー生産)」が活発であるといえます。
「基礎代謝」とは「代謝水(たいしゃすい)を作り出す能力」と考えることができます。「代謝水」が多い状態がエネルギーに満ちた状態といえます。
つまり、「5−アミノレブリン酸」が豊富に存在していることで、基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がれば上がるほど細胞の中で水が作り出されます。
・「5−アミノレブリン酸」は体温を上昇させる:
生物は呼吸をおこない、酸素を獲得することでエネルギー生産をおこなっています。その際、細胞内のミトコンドリアで段階的な代謝が行われ、最終的には「糖が水と二酸化炭素に分解」されます。
上記の段階を経てATP合成酵素によりATP(エネルギー生産)が活性します。
そして、多くのエネルギーが生産され、使われず残ったエネルギーがUCP(脱共役タンパク)によって「熱に変換」され、発散されることで体温が上昇します。
つまり、「5−アミノレブリン酸」が不足しエネルギーが多く生産されないとエネルギーが余らず、体温を上昇させる能力が低下します。
補足)・UCP(脱共役タンパク)とは体温を上げるタンパク質のことです。
痩せ型タイプは、「5−アミノレブリン酸」の保有量が少ない
上述してきたように、「5−アミノレブリン酸」はエネルギー生産には欠かせない物質であることは理解していただけかと思います。
特に、細胞内で「糖を利用してエネルギー生産することが苦手(低エネルギー症)」な、痩せ型タイプは、遺伝的な要因で「5−アミノレブリン酸」の保有量が少ないことが推測されます。
なぜなら、家族も同様に?せていて、疲労感や冷えに悩まされていることが多いからです。
痩せ型タイプで、多種の健康法を実践してきたのも関わらず、思ったような結果が出ていない人が多くいます。その背景に、糖を摂取しても、その糖を細胞内で代謝できないことがあります。
糖を細胞内で代謝できない状態ということは「エネルギーを生産できない=低エネルギー状態」といえます。
今までは低血糖症といわれてきましたが、私は低血糖症ではなく低エネルギー症であると表現しています。細胞でエネルギーを生産する能力が低い体質の人がいることをご理解ください。
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