副腎ホルモンの材料はコレステロールである

 副腎が作るホルモンはステロイド系ホルモンである
現代社会はストレス社会です。そのストレスに対応するためには副腎が造るホルモンが必要です。ストレスを感じた脳は副腎にホルモンを造るように指示を出します。脳の命令を受けた副腎はホルモンを作り続けます。

 

実験で副腎を摘出したラットにストレスを与えると、そのラットは長くは生きれません。このようにストレスに対応するためには副腎が造るホルモンが必須になります。

 

 副腎の造るホルモンは「ステロイド系ホルモン」に属する

 

ステロイドと聞いて筋肉増強剤を思い浮かべる人が多いと思いますが、ステロイドホルモンとは、コレステロールを材料にして造られる生理活性物質の総称です。副腎ホルモンも「コレステロールから造られる多くのホルモン」の名称の一つです。

 

このステロイドホルモンにはどのような種類があるのかを説明します。

 

代表的なものはコルチコステロイド(副腎皮質がつくるコルチゾールなど、多種のホルモンの総称)があります。他にはエストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、DHEAなどがあります。

 

これらのホルモンの働きは各内分泌器官で合成される量・質により、微妙かつ複雑に作用します。少しのアンバランスでも大きな問題が生じます。

 

 コレステロールからステロイドホルモンを造る 
ステロイドホルモンの材料は肝臓で合成されるコレステロールです。では、コレステロールからどのようにしてステロイドホルモンが出来るのかを説明します。

 

ステロイドホルモンの製造は、体の全ての細胞(赤血球細胞以外)の中にあるミトコンドリアと呼ばれるとても小さなエネルギー生産工場でスタートします。

 

まずミトコンドリアはコレステロールを材料にプレグネノロンというホルモンを造り、このホルモンが血液を介して副腎や卵巣に運ばれます。プレグネノロンとは全てのステロイドホルモンの前駆物質(各ホルモンになる前の段階)の材料になるとても重要な物質です。

 

副腎・卵巣に運ばれたプレグネロンは副腎・卵巣で「プロゲステロン」と「17−OH−プレグネロン」というステロイドに変換されます。この二つのステロイドから体の必要に応じて多種多様なステロイドホルモンが作られます。いわば全てのステロイドホルモンの材料がこの二つのホルモンです。

 

ステロイドホルモンには、多種多様なものがあります。これらは脳の指令によって体の内分泌器官で必要に応じて造られますが、材料の大元はプレグネロンなのです。

 

このとき、プレグネロンを材料にしてホルモンの分子構造を少しだけ変えることで新たなホルモンを造っていきます。この「分子構造を変える場所」が各内分泌器官となります。

 

ようするに「一つのホルモンを変換することにより、多種多様なホルモンを造る」というやり方でなされています。

 

さらに、ステロイドホルモンはリサイクルされます。必要な場所で利用された後、ステロイドホルモンは他のホルモンに転換・再利用されます。

 

生活をしていくうえで必須な物質がホルモンであります。このホルモンのバランスはとても繊細で崩れやすいのです。ホルモンの絶妙なバランスを維持するためには各内分泌器官が正常であることと、その内分泌器官が正常なホルモンを造るためには「材料」が必要ということになります。

 

このとき、ホルモンの材料は肝臓が合成する「コレステロール」である事を憶えておいて頂きたいです。

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