薬を使わずコレステロール値を下げる
上質のコレステロールを造るしかない
人がストレスや病気と闘うにはホルモンが重要です。このホルモンの材料は、肝臓が合成するコレステロールです。またコレステロールは、脳の栄養や細胞膜の材料としても使われます。また胆汁や10万キロにもおよぶ血管の壁の材料としても使われています。
このように、コレステロールは生きていくうえで必須な物質です。肝臓がコレステロールを造っても、日々の生活で多くのコレステロールを消費するために、コレステロールは不足しそうなものです。しかし、血液検査をすると血液中のコレステロールの値が高い人は多いです。
それでは、なぜこのように血液中のコレステロールの値が高くなる人は多いのでしょうか?
このことは「血液中のコレステロールが高くなる理由」のページに詳しく書いていますので参考にしてください。
肝臓がストレスに対応するために、多くのコレステロールを造ります。コレステロールをたくさん造ることで、肝臓は疲弊していきます。疲弊した肝臓が造るコレステロールは質が低下していきます。
質の低下したコレステロールは、細胞で利用できずに血液中に押し戻されます。いわゆる、行き場のない「質の悪いコレステロール」が血液中に余った状態と私は考えています。このような時に血液検査をしますと、「血液中のコレステロールの値が高い」と判断されます。
そこで医者に行くと、血液中のコレステロールを薬で下げようとします。また、自然療法の指導者は植物性ステロールを使って、コレステロールの値を下げようとします。
私は、そのどちらの方法にも反対です。なぜなら、コレステロールは人が生活していくうえで必要だからです。
ようするに、血液中のコレステロールの値が高くなるのは、肝臓が造るコレステロールの質が低下したのが大きな要因と考えています。そのため、解決法としては、肝臓で上質のコレステロールが造るようにさせることが一番大切と考えています。
上質のコレステロールを造るには
コレステロールは肝臓で造られます。このコレステロールの75%は肝臓自身が造り、残り25%はコレステロール含む食品を利用して合成されます。
ここでは、上質のコレステロールを造る方法を説明していきます。
@ 肝臓に負担をかけない
肝臓は化学物質を解毒します。現代社会を生きる上で、化学物質を避ける事はできません。化学物質は、農薬や食品添加物など口から入ってくるもの以外にも、シャンプーやリンス、洗剤、またはボディークリームなど皮膚から入ってくる物質も多くあります。
日常生活を営むうえで、自分自身が気をつけて「化学物質を出来るだけ体内に入れないようにする努力」が必要になります。
A 肝臓を元気にする食事をとる
風邪を引いて物が食べられなくなると、病院は「ブドウ糖の点滴」をします。しかし、肝臓病で入院した場合の点滴は、ブドウ糖の点滴ではなく「アミノ酸の点滴」をします。アミノ酸はタンパク質が消化された物質です。そのことから分かるように、肝臓の回復に必要な栄養素は、タンパク質です。
その他の栄養素では「ビタミン」が必要です。数多くあるビタミンのなかでも、肝臓には「ビタミンB群」や「ビタミンC」および「ビタミンE」が必要となります。
B コレステロールの材料を食べる
肝臓で造られるコレステロールの25%は、食事に含まれるコレステロールから造られます。そこで、コレステロールを多く含む物を積極的に食べるようにします。
菜食主義の方は、コレステロールを多く含むタンパク質を敬遠します。食事由来のコレステロールの材料がないために、肝臓では、上質のコレステロールが造れなくなります。
C 甘いものを控える
体で利用できずに余った「糖質」は、肝臓で中性脂肪という形に造りかえられます。中性脂肪は肝臓に溜まりやすく、脂肪肝の原因となります。その結果、肝臓の働きは低下してしまい、上質のコレステロールが造れなくなります。
現代人は「糖質」を多く取ります。また、運動量が少ないために糖を消費出来ません。そのために多くの糖が余ります。肝臓は、余った糖を中性脂肪に変える仕事が増えるために疲弊します。特に、飲酒の後のラーメンやお茶漬けは、糖質が多く含まれています。そのために脂肪肝の原因になります
D 酸化した油を控える
必須脂肪酸というように、体にとって脂肪酸(油)は必須です。しかし、油を高温で調理した唐揚げやコロッケ、または魚の干した物のように古い油は「酸化」しています。酸化した油を分解するために、肝臓はとても疲弊しやすいです。
しかし、油自体を敬遠してはいけません。青魚に含まれている油や、熱を加えていない植物油は「良質の油」ですので、積極的に取るようにします。
上記したこと以外にも、質の良い睡眠をこころがけたり、きつい運動をやり過ぎたりしないことも大切です。
肝臓が造る上質のコレステロールは、細胞が待ちわびています。一方、質の悪いコレステロールが運ばれてきても、細胞は受け取りを拒否してします。細胞に拒否された「行き場のないコレステロール」が血液中に残るのです。
多くの医師は、この状態を、コレステロールが必要なコレステロールが血液中に余っていると理解しています。そうなると動脈硬化になる可能性が高いと判断し、リピトールやクレストールなどの薬で血液中のコレステロールの値の下げようとします。
リピトールやクレストールの作用は、血管内の余ったコレステロールを掃除しているように思われがちです。しかし、実際は肝臓でのコレステロールの合成を抑えているのです。
この薬で肝臓が合成するコレステロールを抑制するということは、コレステロールが不足してしまうということです。これは、いかがなものかと思います。
なぜならコレステロールは人が生きていくうえで必須の物質だからです。コレステロールは脳の栄養や10万キロにも及ぶ血管の壁の弾力性の材料であり、ホルモンの材料でもあります。
また植物性ステロールの作用を使い、小腸でのコレステロールの再吸収を阻害させることも行われることがあります。この行為も一時的には、血液中のコレステロールの値が減ります。
しかし、小腸でのコレステロールの再吸収が阻害された場合、肝臓はコレステロールを最初から造らねばならず、肝臓はその作業で疲弊します。
その結果、肝臓が造るコレステロールの質が低下してしまいます。そして、また行き場のないコレステロールが血液中に残ってしまいます。
質の悪いコレステロールが合成されるので、細胞が質の悪いコレステロールを受けとらないことが、血液中のコレステロールの値が高い原因だと私は考えています。
そのことから考えると、肝臓の機能を回復させ、食事からもコレステロールの材料を食べ、上質のコレステロールを造らせることができれば、細胞はコレステロールを受け取ります。そうなれば、血液中のコレステロールの値が高くならなくなります。
肝臓で上質のコレステロールを造らせることが、本当の解決法ではないでしょうか。
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