不妊と女性ホルモンと活性酸素の関係
女性ホルモンには、抗酸化作用がある
女性ホルモンは妊娠や生理、または乳房の膨らみなど女性らしさを保ったりするなどの働きは理解されていますが、それ以外にあまり知られていない重要な働きがあります。
その働きとは、優れた抗酸化物質であるということです。
女性の体は男性に比べ、丸みがあります。そのように体型に男女差が生じる理由は、妊娠・出産時に赤ちゃんの栄養の確保や妊娠中に外部からの衝撃から胎児を守るために、「体内に脂肪(コレステロールや中性脂肪)を蓄えるという女性特有のシステム」があるからです。
脂肪は生命維持や妊娠・出産には欠かせない重要な物質であることはお伝えしました。しかし、脂肪が多いことは良いことばかりではありません。
なぜなら、現代人は「糖質」の過剰摂取や「揚げ物」など高温で調理した食品の影響で、コレステロールや中性脂肪が酸化し、いわゆる「過酸化脂質」という猛毒な物質に変化してしまう状況が多くあるからです。
また、女性の社会進出によりストレスが増え、その影響で体内には活性酸素が大量に発生します。活性酸素の作用の1つに脂肪を「酸化」させてしまうことがあります。
つまり、脂肪(コレステロールや中性脂肪)を蓄える女性は、食べ物やストレスの影響で、脂肪が酸化し「過酸化脂質」が発生する頻度が男性よりも高いということです。
普通に考えれば、過酸化脂質がより多く発生する女性の方が短命なはずですが、不思議にも女性の方が男性よりも長生きです。
その背景には、子孫を残す役割を担っているからでしょうか、女性には脂肪(コレステロールや中性脂肪)を酸化させない強力な抗酸化物質を持っています。それは女性ホルモンです。
女性ホルモンは活性酸素を無毒化する
人が物事を考えたり、過度な運動をこなすためのエネルギーを生産した際、そのお土産として活性酸素が発生します。また紫外線や病院での放射線や造影剤検査でも活性酸素が発生します。
体には活性酸素を無毒化する機能が備わっています。その機能は主に肝臓が担っています。しかし、現代人の肝臓は活性酸素や化学物質の処理、または暴飲暴食などで疲弊しています。その影響で、体内に発生した活性酸素の処理能力が低下しています。
肝臓が疲弊し活性酸素の処理能力が低下すると、人は健康を害してしまいますが、人の体には活性酸素を無毒化する「予備機能」が備わっています。
その予備機能は男女で違いがあります。それをまとめます。
・男性の活性酸素、無毒化システム:
男性の体内で活性酸素が発生した際は、尿酸を増やし活性酸素を処理します。しかし、尿酸が生産されるとその代償として痛風が発生します。
また男性の中でも尿酸値が上昇しない体質の人がいます。その人は、尿酸の代わりに胆のうで胆汁を生産し、活性酸素を処理します。胆汁が多く生産されると、胆汁が大腸に達し下痢になります。
したがって、男性は腸が弱いと表されます。
・女性の活性酸素、無毒化システム:
女性で、痛風を発症する人は稀です。また、女性で下痢で悩む人も稀です。つまり、女性は活性酸素の処理に尿酸や胆汁を使っていないことが推測できます。
それでは、女性はどのようにして活性酸素を処理しているのかというと、女性ホルモンがその仕事をしています。
つまり、女性ホルモンの作用があれば、尿酸や胆汁などは必要ないということです。それほど女性ホルモンの抗酸化力は優れているのです。
しかし、女性ホルモンの質が低下してくると、体内で過酸化脂質が増えたり活性酸素が増えたりしてしまいます。その時に女性はアルブミンという物質を使い過酸化脂質や活性酸素の処理をします。
肝臓で合成されるアルブミンも強い抗酸化力を持っていますが、その副作用として浮腫、いわゆる「むくみ」が生じます。
女性ホルモンの材料は、肝臓で合成されるコレステロールである
女性ホルモンが、妊娠や出産などに関係しているだけでなく、強力な抗酸化作用があることを述べてきました。その重要な女性ホルモンは卵巣で合成されますが、そのホルモンを造るには材料が必要です。
女性ホルモンの材料は、肝臓で合成されるコレステロールです。したがって、肝臓を大切にし質の良いコレステロールを合成してもらい、その質の良いコレステロールを卵巣が利用し、はじめて質の良い女性ホルモンができます。
つまり、女性ホルモンのバランス・合成能力を低下させないことで妊娠する可能性が高まるだけではなく、病気の発症を予防することもできます。
したがって、私が不妊治療をおこなう場合、肝臓や卵巣の機能を向上させる神経指圧に時間を割きます。また、自宅での自己指圧も推奨しています。また、肝臓を疲弊させないノウハウや栄養学も併せて学んで頂いています。
多くの人が最新の不妊治療を受けています。しかし、その治療だけに頼るのではなく不妊治療の効果が倍増するように、個人レベルの努力を継続する必要があることを認識してほしいものです。
また、コレステロールとホルモンのことは肝臓とコレステロールとホルモンの関係で詳しく述べているので参考にしてください。
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