稽留(けいりゅう)流産と腎臓が造るホルモンの関係
稽留(けいりゅう)流産が増えています
不妊の原因の1つに、過剰なアレルギー反応があります。受精卵を異物と認知してしまうことで、着床しにくいことは「不妊とアレルギー疾患の関係」で述べています。
ここでは最近急増している稽留(けいりゅう)流産について述べていきます。
稽留(けいりゅう)流産なる原因は、胎児の染色体異常によるものだと考えられています。つまり、精子か卵子に染色体異常があり、その受精卵が着床したとしても細胞分裂の過程で不具合が生じ成長が止まってしまいます。
妊娠12週未満の流産は胎児側に問題があるとされていますが、本当の原因は解明されていません。
上記した理論に異論はありませんが、私は稽留(けいりゅう)流産なる原因の1つに、腎臓との関係があると考えています。
慢性腎機能低下症の人は多い
私は2016年現在、延べ63000人以上の患者さんを診てきました。その中で、最近特に「慢性腎臓機能低下症」の人が増えています。その症状をまとめます。
@車や船、または回転する遊具で酔いやすい
A立ち眩みなど体位を変えた時に軽い貧血症状が起きる
B鉄分が不足していないのに、貧血や末端に冷えがある
C排尿に力がない。また、尿意が頻繁であったり、無さ過ぎたりする
D下半身に「むくみ」が生じやすい
一般的に腎臓は「C・D」のように、排尿が主な仕事と思われていますが、上記した「@〜B」のような症状にも腎臓が関係しています。
腎臓と乗り物酔いや貧血とは一見、関係性がないように思われますが、腎臓が生産するホルモンがそれらの症状と関係しています。
腎臓はホルモンを生産している
腎臓が造る代表的なホルモンにエリスロポエチンがあります。このホルモンの働きは赤血球の産生を促進することです。
腎機能が低下すると排尿の機能低下だけではなく、エリスロポエチンの生産力が低下します。
赤血球の内部にはヘモグロビンという物質が存在します。ヘモグロビンの重要な働きに、呼吸から得た酸素と結合し細胞に酸素を供給することがあります
つまり、腎臓でエリスロポエチンの生産力が低下すると、下記にまとめたようなことで乗り物酔いや貧血が発症します。
稽留(けいりゅう)流産とエリスロポエチンの関係
腎機能が低下すると乗り物酔いや貧血が発症するのと同じメカニズムで、稽留(けいりゅう)流産になりやすい母体環境になってしまいます。
ここで、稽留(けいりゅう)流産とエリスロポエチンの関係をまとめます。
@腎機能が低下して腎臓で造られるエリスロポエチンの生産量が低下する
A「@」のことで赤血球の産生量が減る
B赤血球が減ると、その内部に存在しているヘモグロビンも減る
Cヘモグロビンが減ると呼吸から獲得した酸素との結合率が低下する
「@〜C」の結果、体内の血中酸素濃度は低下してしまいます。そのことで、子宮にも酸素濃度の低い血液が流れ込むことで受精卵は酸素不足になります。
着床初期の受精卵には、酸素を多く含んだ血液が必要です。しかし、腎機能低下からエリスロポエチンの生産力が低下しすることで、子宮(受精卵)には低酸素状態の血液が流れ込みます。
低酸素状態の血液では、受精卵は育ちにくいことが予想されます。それが稽留(けいりゅう)流産を引き起こす可能性があると私は考えています。
川本式、腎臓回復法
現代人の多くが腎臓機能が低下傾向にあります。それではなぜ、腎機能が低下するのかをまとめます。
@糖質の過剰摂取で腎臓の細胞(血管)が硬くなる。(糖尿病患者は人工透析になる確率が高い)
A汗をかかないことで体毒の処理が排尿中心になるので腎臓が疲弊する
B自己免疫が過剰なために、腎臓に生息している細菌・ウイルスを攻撃することで腎臓の細胞が傷つく
現代人に慢性腎機能低下症が増えているのは上記したことが背景にあると私は思っています。
私の施術は神経を狙った指圧をします。つまり、腎臓に分布している神経を指圧することで腎臓への神経命令が活性化し、また、皮膚を刺激することで自律神経が整います。
自宅でも簡単な器具で自己指圧をしてもらうことで、さらに腎機能は回復傾向に向かいます。また、必要であれば腎機能を回復させる生薬を使用する場合もあります。
腎臓と妊娠は直接的にはあまり関係ないように思われがちですが、私は妊娠するための重要な臓器の1つに、腎臓が関係していると思っています。
したがって、腎臓の重要性とその機能を回復させる方法を知っておくことはとても大切なことです。
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