人に飼われている動物が長寿な理由
野生動物は短命である
サバンナで生活している動物は、常に生命の危機と向き合っています。例えば足に怪我をしたり、体が弱り動きにくくなったりすると、瞬時に敵に襲われて命を落としてしまいます。また、食事や睡眠中あっても、敵が襲ってくるので気を抜くことができません。
そのような理由から野生動物は、寿命を全うすることは少ないです。
飼い犬や動物園の動物は長寿である
家で飼われているペットは、野良犬よりはるかに寿命が長いです。また、動物園で飼われている動物をみても、「最高齢を更新」したというニュースをお聞きしたことがあると思います。
その一番の理由は、食べ物がもらえることと、敵に襲われる心配がないことがあります。このとき、襲われる心配がないという、脳の安心感が最も大事です。
例えば飼い犬でも、外で飼っている犬は、家の中で飼っている犬に比べて短命傾向です。また、猫は犬より短命で、ネズミは猫より短命です。その理由は、意外な器官が密接に関わっています。
動物の死と副腎の関係
動物の寿命と密接に関係する器官が副腎です。副腎はストレスに対し、多くのホルモンを脳に供給している器官です。つまり、ストレスに対応する中心的な働きをします。
動物は生きていく上で、多くの恐怖体験をします。その際に脳は、副腎に助けを求めます。そのメカニズムは、次のようになります。
@恐怖を感じた脳は副腎に対し、副腎ホルモンを出すように指示する
A脳から「ホルモンを出しなさい」と指示された副腎は真摯に副腎ホルモンを造る
B恐怖を感じる回数が多いほど、副腎ホルモンを造らねばならず、やがて副腎は疲弊する
野生動物は飼い犬より「ドキッ」とする機会がとても多いです。また飼い犬でも、外で飼っている犬は、家の中で飼っている犬より「ドキッ」とする回数が多いことはご理解して頂けると思います。
先ほど述べた、猫は犬より短命で、ネズミは猫より短命な理由も、「ドキッ」とする回数の多さが関係します。
また、副腎が疲弊した際には、恐怖心を助長する症状が表れます。それは「音に関してとても敏感になる」という症状です。
そうなると、少しの物音でもビクビクしてしまうようになります。そのような状態では、脳は多くの恐怖を感じてしまい、さらに副腎ホルモンが多く必要になります。
疲弊した副腎が造るホルモンは質・量に乱れを生じます。そのことで自律神経が乱れ、多岐にわたる症状が表れてきます。また、副腎が疲弊すると免疫が異常になります。
その結果、過剰に自分自身を守ろうとすることで自己免疫疾患に陥ります。
「ドキッ」とする性格を治すことはできるのか
世の中には、怖がりな人がいます。元から怖がりな人は、遺伝的影響や母体内環境が大きく反映されるので治すのは簡単ではありません。
一方、成長過程で怖がりになった人は、手術や事故、または親との死別などの後天的な影響で起こることが多いです。そのショックの体験が副腎の疲弊を誘発します。
しかし、個人差はありますが「後天的に怖がりになった患者さんの回復は可能である」と私は長い施術経験から感じています。その方法は皮膚に良い刺激を与え、脳を安心させることで可能になります。
動物(人も含む)は怖いことがあると、本能的に身を寄り添います。そのような行動をとる理由は、体(皮膚)を寄せ合うことで、脳が安定することを本能で知っているからです。
ようするに、抱っこしてあげたり、擦ってあげたりすることが脳にとってとても大切ということがわかります。
逆に、恐怖を体験した時に寄り添える人がいなく孤独であるなら、自律神経は大きく乱れ予期せぬ病気を発症します。
また、重い病気と戦っている人は、「死」という恐怖を感じて生活しています。そのような患者の本心は、優秀な医師に少しでも患部を触ってもらいたいと思っています。
しかし現代医療は、患者には触ることはせずに薬や手術の説明をするだけです。そのために、患者の脳は安定せずに自律神経が乱れ、他の病気も発症しやすくなります。
私の治療所では、手での治療を中心におこなっています。その理由は、患者さんの脳を安定させ、同時に副腎を回復方向にもっていくためには皮膚刺激が一番良いと思っているからです。
現代のように、人間関係が稀薄な時代だからこそ、人の手で人を施術するというアナログ的な手法が大切ではないでしょうか。
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