栄養学をシンプルに考える

 

栄養療法に悩む


「人の体は食べ物からできている」といわれています。確かに我々は、食べることで健康を維持している一方、暴飲暴食や偏った食事で健康を害することもあります。そのことを考えると、やはり人が健康でいるためには食事が大切です。

 

日本だけでも玄米菜食や少食療法、または最近では糖質制限法など多くの食事方法があり、どの食事法が良いのかと悩む人が多くいます。また、食事は「食育」の影響を強く受けます。したがって、日本の主食はお米で、肉や油は体に悪いと多くの人が思いこんでいます。

 

私自身も、体のことを勉強していくなかで栄養学の必要性を感じ多くの食事法を実践してきました。その食事法の遍歴をここで紹介させて頂きます。

 

玄米菜食を厳格に2年半、ナチュラル・ハイジーンという生食を1年弱試してきました。そして、一時期は「本能食」と名付け、自分の欲する物を感じるままに食べる方法も試みました。そしてここ5年間は、糖質制限をしています。

 

 

専門家でも食事について悩む


私のような治療家であっても、食事法に悩みが生じます。なぜなら、玄米菜食であれ、生食であれ、糖質制限であれ、1つのことを信じて実践し継続している栄養指導者は皆さん元気だからです。

 

1つのことを信じ、実践している栄養指導者の話を聞くと「この食事法は正しいんだ」という心理が芽生えてきます。なぜならどの食事法にも、一本筋の通った理論が構築されているからです。したがって、一般の人は「栄養学は何が正しいのか?」とさらに迷いが生じます。私自身も悩んだ時期もあります。それはある意味仕方のないことです。

 

私が多種の食事法を一定期間厳格におこなった理由は、実際に実践いないと分からないことがあること、また実践していないことは肯定や批判ができないからです

 

栄養指導者は信念があり実践力もあり魅力的な方が多いです。しかし1つ問題があります。栄養指導者は自分の考えが1番で、他の方法を試さずに批判をしている方が多いことです。

 

 

良くならない食事療法を疑ってみる


現在おこなっている食事法や運動療法で、健康を維持できている人は今の状態を変える必要はないと思います。

 

私が多くの患者さんをみて思うことがあります。それは、一定の期間、食事法やサプリメント療法を継続しているにもかかわらず、体調が思わしくない方が多くいます。しかし、その場合でもかたくなに健康法は変えようとしません。

 

例えば、子供が学習塾に通っても一向に成績が上がらない場合、親は子供の学習態度を正すと同時に、塾に対し疑問をもちます。しかし、自分の健康法に関してはなぜか疑問を持たずに継続する人が多いです。

 

 

栄養学をシンプルに考える


ある食事法を一定期間、実践しても結果が思わしくない方に対し、私は食事法の改善を提案します。その提案はとてもシンプルなものです。それをまとめます。

 

 @今の食事法で、一番摂り過ぎている食材を減らす

 

 

 A今の食事法で、最も不足しているものを増やす

 

上記した、ただ2点だけです。

 

例えば、玄米菜食を実践しても貧血や生理不順で悩む人は多くいます。その食事法をしている患者さんは、「玄米を減らす、動物性のタンパク質や脂質を増やす」ということです。

 

また慢性の下痢で、肉や脂質の摂取を減らしても改善しない方には「肉や脂質は増やし、食べ過ぎているものを減らす」というとてもシンプルな指導をしています。

 

そのような指導をする理由は単純明快です。今継続している食事法で結果が出ていないからです。

 

 

食事法を変えようとしても思想が邪魔する


食事法の基本は体の構造を理解し、実践すべきです。しかし、食事法のほとんどは「思想」から成り立っています。そのことを例にあげてまとめます。

 

 ・日本人は農耕民族なので、主食は米である:
「日本人は農耕民族である」という言葉をよく耳にします。しかし、人類が250万年前に誕生し、日本で農耕が始まったのは5500年前です。日本人は5500年前に、突如として誕生したのでしょうか?

 

 ・日本食は胃にやさしい:
「日本食は胃にやさしい」といわれています。最近でこそ大腸がんなどが増加傾向ですが、長期にわたり日本人が一番多く発症するガンは胃ガンでした。胃にやさしい食事を食べている日本人に胃ガンが多いことは不思議ではないでしょうか?

 

 ・餅は消化に良い:
お餅は消化に良いといわれています。しかし、餅を多く食べると胸やけを起こします。これでも餅は消化に良いのでしょうか?

 

 ・サツマイモは便秘に効く:
サツマイモを食べると便秘に良いといわれていますが、サツマイモを食べるとお腹が張り、ガスが溜まります。この現象は、デンプン(糖)と植物繊維が腸内で発酵していることで起こります。ようするに、ガス腹になるということは便秘ではないでしょうか?

 

 ・野菜は便秘を改善する:
日本人はとても多くの野菜を食す民族です。しかし、日本人の多くのは便秘に苦しんでいます。食物線維を摂り過ぎることで便秘になっていることに疑いをもちません。なぜなら、「食物繊維は便秘に良い」といわれているからです。

 

 ・うどんやお粥は消化がよい:
うどんや米はデンプンからできています。デンプン分解酵素は唾液にあります。デンプンを咀嚼して食べた場合、唾液で分解されますが、咀嚼しないで胃に流し込んだ場合は胃はデンプンの消化に時間がかかります。なぜなら、胃にはデンプン分解酵素が少ないからです。

 

しかし、咀嚼しないで食べるうどんやお粥が消化によいといわれていることに不思議さを感じます。

 

上記したように昔からの言い伝えが根付き、そのことから食事法がなりたっています。そのことで、ある食事法を長期間、実践しているのにも関わらず慢性的に体調が悪い人でも、食事を変えようとはしません。

 

その理由は、食事法は思想教育の影響を強く受けているからです。

 

私は患者さんに対し、「食事法は思想ではなく、人間の構造に適した食事法をするべきです」とお伝えしています。

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