赤ちゃんに歯が生えてくる理由

 新生児が母乳を飲むのを止める理由
新生児は母乳だけで成長します。また、この時期は脳が最も発達する時期でもあります。そのことから考えると、母乳に含まれる栄養素がいかに完璧であるかが分かります。

 

そのことから大いなる仮説を立ててみます。それは、「母乳を飲み続けることができれば人は食事なしで成長していけるのか」という仮説です。

 

上述したように、新生児を飛躍的に成長させる母乳があれば、それだけで幼児も成長していけそうに感じます。また、大人も母乳があれば生きていけるのではないかとも考えます。

 

しかし、新生児は6カ月を過ぎたころから「歯」が生えてきます。そして母乳を飲む回数は減り離乳食を食べ始めます。

 

 動かない時期だから母乳だけで成長できる
先ほど述べたように、母乳が完璧な栄養素であれば、母乳が出ている間には「歯」は生える必要はないと考えられます。しかし、母乳が出ているにも関わらず「歯」は生えてきます。

 

あたり前なことですが、改めて考えると不思議さを感じます。

 

そのことから紐解くと、新生児は立ったり走ったりしません。また、幼児ほど脳を使うことはありません。したがって、その時期だからこそ、新生児は母乳だけで生きていけるのです。

 

6か月を過ぎた赤ちゃんはハイハイをしたり、親以外の人に接触し多くの刺激を受けます。その時期になると「母乳だけでは人の成長を支えることは難しくなるのではないか」と私は推測しています。

 

またその時期にあわせ、新生児は歯が生えてきます。その時期に歯が生えるのは、赤ちゃんの成長を養うには母乳だけの栄養素では足らなくなるので、食事からの栄養素を獲得するためです。

 

 母乳の成分は薄くなるのか
一般的には歯が生えてくる時期ぐらいから「断乳(乳を絶つ)」をします。そして離乳食へと移行します。例外的には3〜4歳になっても母乳を与える人もいます。しかし、母乳だけではなく必ず離乳食と併用しています。

 

その理由の1つに、母乳は出ているが母乳の栄養素が年月を経て薄くなることで、離乳食がに移行せざる得ないのか? という疑問が出てきます。

 

その疑問についての答えは、奈良教育大学教育学部家政科の米山京子先生が日本公衆衛生雑誌の平成7年の第42巻7号で、お母さんたちの協力を得て月齢ごとに母乳を分析した論文があります。

 

米山先生は出産後1ヶ月から12ヶ月まで26人の女性から母乳を採取し分析しました。その結果下記にまとめます。

 

 @タンパク質は1〜6ヶ月で15−35%減少し、その後は軽微な減少があった

 

 A糖質は10ヶ月まで一定で、その後はむしろ上昇した

 

 Bカルシウムなどの微量栄養素は6ヶ月以降、減少傾向であった

 

 C脂肪とエネルギー量は月齢による変動がなかった

 

このように発表しています。

 

さらに、米山先生は「@」のタンパク質の減少は微減であり、離乳食が必要になる理由は「成長過程においてカルシウムなどが足らなくなる」からではないかと述べています。

 

 母乳に変化がなくても離乳食が必要な理由
米山先生の論文をみると、1年の間では母乳の成分は大きな変化は出ていません。そのことから考えると幼児になっても、母乳に含まれる栄養素だけで成長していけそうなものです。

 

しかし幼児には歯が生え、離乳食を食す準備が始まります。

 

母乳だけで成長していけるのであれば、歯は必要ないはずです。しかし歯は自然と生えてきます。

 

このことから考えると、急成長する幼児期に母乳が有する栄養素だけでは対応できないということを本能的に知っているからではないでしょうか。

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