化学物質過敏症と生体水の関係
生体水(体内に存在している水)とは
世間では、「体に良い水」を求める人と、それを商売にしている人が多くいます。その理由は、多くの人が健康維持には「水」が大切と理解しているからです。
では、「良い水とは?」と患者さんに聞かれた場合、私は「体内にある水(生体水)と、同じ水を飲むことができることが理想です」とお答えしています。
それでは、体内に存在する「生体水」とはどのような水なのでしょうか。それをまとめてみます。
・生体水は物質を包み込んで運ぶ:
「ココナツオイルが酸化しない理由」は、油を水が包み込んでいるために、酸素と油が触れないからです。生体水(体内に存在している水)にも、同様の働きがあります。
生体に存在する水とは、きわめて粒子が細かく均一に整い、さらに物質を包み込むことができる結集力の強い水です。
そのような性質を持つ生体水は、タンパク質や脂肪類、ビタミン、ミネラルなどを水に包んで運んでいます。また、体内に入ってきた化学物質でさえ、生体水で包み込み排出しています。その働きを、ここでは「水の器」と表現していきます。
そのように、水が物質を包み込む(水の器)ことのできるのは、体内に存在している生体水(きわめて粒子が細かく、大きさは均一であり、結集力がある)の特性です。
生体水が整っていれば多少の有害物質は体外に排出できる
現代に生きるうえで、ダイオキシンなどの有害物質は知らないうちに体内に入ってきます。その量は想像を絶する量と推測されますが、人はそれらに負けることなく生きています。
なぜなら、人の体には「体外から入ってきた異物や化学物質を速やかに排出する能力」が備わっているからです。その中心的な役割が水(生体水)にあります。
例えば、ダイオキシンが体内に入ってきたとしても、生体水(微粒子化され結集力の強い水)でそれらを包み込んで運びだします。
水分子同士は、ぶつかり合うことで情報を交換している
体内に必要なビタミンや・ミネラル類も生体水が水の器で包んで運んでいます。また、ダイオキシンなどの危険な物質も水の器で運んでいます。
それでは、その水の器に取り込まれている物質が、体の細胞にとって必要か不必要かの判断はどのように伝わるのでしょうか。その情報伝達は水分子同士がぶつかり合うことで、情報の受け渡しをしています。
ようするに、ダイオキシンを包んで運ぶ際は、水分子間で「これは危険だから外に捨てよう」という情報が伝わります。
その結果、水の器で包まれたダイオキシンはどの細胞にも取り込まれずに、消化器系を通って小便、大便、汗などどして体外へ排出されます。
ダイオキシンなどは生体にある物質と結合し、体では処理できない物質が作り出される
もし生体水が弱く、ダイオキシンなどの環境ホルモンを水の器で包み込むことができないと、ダイオキシンなどが「むき出し」状態で体内を廻ります。
むき出し状態のダイオキシンなどの化学物質は、生体内にある必要な物質と結合してしまいます。その結果、必要な物質を変質させたり、通常起こり得ない化学反応が発生したりします。
そのように、生体内では処理することのできない物質が次々とできることで、様々な後発的な症状を引き起こします。
水の器がしっかりしていれば、化学物質も怖くない
私は長年患者さんを診てきましたが、最近特に化学物質過敏症の方が増えています。
一般的には、化学物質に過敏に反応する人への対処法は、それらの物質を体内に取り込まないようにします。ようするに、アレルゲンから遠ざけるのです。
確かに、アレルゲンの摂取を減らすことには異論はありませんし、そのことは必要と考えています。しかし、現代に生きている限り、化学物質を避けきることは不可能ではないかと私は思います。
そこで考えてほしいことは、「なぜ、化学物質に影響を受け過ぎる人とそうでない人がいるのか」ということです。
そのような差が起きる一つに要因に生体水の強さ、弱さが関係していると私は考えています。
化学物質過敏症で苦しんでいる方は、その物質を避けること以外に、生体に存在する水について学んで頂けたらと思います。
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