副腎疲労症候群と自己免疫疾患の関係

 副腎という器官を知っていますか?
副腎は左右に二つあり、大きさは、縦幅:2.5センチ、横幅:3.5〜5センチであり、厚さは約0.6センチ、重さは約3.5〜5グラムになります。男性の副腎は女性の副腎に比べて、若干大きくて重いです。

 

二つの副腎はどちらも左右の腎臓の上に帽子をかぶったように隣接して位置しています。肋骨の位置で説明しますと、一番下の肋骨(12番目)の裏側に位置しており、副腎を傷つけないように外部からの衝撃から守られています。

 

また左右の副腎は3つの大きな動脈大静脈のごく近くに配置されています。その位置にあるおかげで脳からの命令を受けた副腎は数秒以内に「各種ホルモンを必要な臓器に送ることができる」といわれています。

 

現代社会はストレス社会です。毎日のようにストレスにさらされて生活している現代人は、多くの副腎ホルモンが必要となります。脳から命令を受けて真摯にホルモンを造り続ける副腎は徐々に疲弊していき、やがて副腎疲労症候群に陥ります。

 

長期にわたりストレスに晒され副腎が疲弊するとホルモンのバランスが崩れ、免疫が異常になってしまいます。特に副腎が造るホルモンのなかで、免疫と強い関係をもつホルモンがコルチゾールです。

 

副腎が造るコルチゾールの濃度・質が低下すると、白血球に属するリンパ球やナチュラルキラー(NK)、またはマクロファージなどの異物と戦う物質の働きをコントロールできなくなります。その結果、免疫が過剰になったり低下したりします。免疫のコントロールができなくなることから、慢性の炎症症状が続いたり自己免疫疾になったりすることがあります。

 

ここでは、副腎疲労症候群と自己免疫疾患について述べていきますが、その前に副腎疲労症候群と「慢性の炎症体質」の関係を先にお読みください。

 

 悪さをしない細菌・ウイルスも攻撃してしまう
副腎が健康であれば、白血球は体に宿っている細菌・ウイルスに対し一定の許容量を設定しています。例えば「ある細菌が5000匹に増えたら攻撃しよう」とか「あるウイルスが30000匹に増えたら攻撃しよう」など、設定以上に細菌・ウイルスが増えないか監視をして、数を安定化させる働きをしています。

 

しかし、副腎疲労症候群になると、白血球の働きをコントロールすることが難しくなります。その結果、体を守ろうという働きが強まり、細菌・ウイルスに対して過剰な攻撃を仕掛けてしまいます。

 

上記したように、「ある細菌が5000匹になったら攻撃しよう」という設定が狂いだし、例えば細菌が2500匹という少ない数にもかかわらず攻撃を開始します。

 

また、腸内細菌など体内のいたる場所に常在している細菌・ウイルスは、通常は体に対して炎症を引き起こすような悪さをしません。しかし、副腎が弱って白血球のコントロールが乱れると、その常在菌に対しても攻撃を仕掛けてしまいます。

 

その証拠に、最近特に増えている自己免疫疾患に潰瘍性大腸炎があります。この症状は過剰になった白血球が腸内に宿っている細菌・ウイルスを攻撃してしまうことで発症します。

 

 細菌・ウイルスをだけを攻撃することは不可能
白血球が細菌・ウイルスを攻撃する際に、「活性酸素」という大きな問題が発生します。白血球は細菌・ウイルスをやっつける際には活性酸素を放出します。この白血球の出す活性酸素は、強力に細菌・ウイルスの増殖を抑えます。

 

しかし、この強力な活性酸素は、細菌・ウイルスだけに作用するわけではありません。そのことについて、例をだして説明します。

 

 例1) 豆腐の上に、ハエがたかったとします。その時にハエを殺そうとハエを叩くとハエは死にますが、同時に豆腐も潰れてしまう

 

 例2) 電線に鳥がたくさんとまっているとします。その鳥を機関銃でうち落そうとすると、鳥は死ぬが鳥がとまっていた電線も切れてしまう

 

例1,2に挙げたように、人間の体の中でも同じようなことが起こっています。副腎疲労症候群になると、体内の細菌・ウイルスに対して敵か味方かの識別がつかなくなり、白血球は手当たり次第に攻撃してしまいます。

 

その白血球は、細菌・ウイルスを攻撃する際に、必ず正常な細胞まで傷がついてしまいます。このような状態になることを自己免疫疾患といいます。

 

 外から入ってくる物質にも過剰に反応してしまう
現代に生きる人は、化学物質を必ず摂取してしまいます。それらは、食品の防腐剤や添加物、または農薬などです。食品以外でも環境汚染により、空気中に多くの化学物質が混じっています。また、現代人は多くの薬も服用しています。

 

副腎疲労症候群になると、体を守ろうとする作用が強くなります。その作用は細菌・ウイルスなどを攻撃するだけではなく、化学薬品、空気中に含まれる汚染物質などにも敏感になります。それらが体内に侵入してきた際に、敵と思い込み過剰攻撃をしてしまいます。

 

副腎疲労症候群の初期の症状の代表的なものがアレルギー症状です。

 

 イラク戦争時のアメリカ兵の悩み
副腎疲労症候群の病態の1つに、恐怖から過剰に身を守ろうという行動が表れます。その結果、白血球は体内にいる細菌・ウイルスが敵か味方かがわからなくなります。

 

ここでわかりやすい例を挙げてみます。

 

アメリカがイラクと戦争をした際に、アメリカ兵の多くはあることに困りました。そのあることとは、イラク兵が軍服をきていないで戦闘に参加していることです。

 

本来なら、兵隊は各国の軍服を着て戦います。しかし、イラク兵は一般市民と同じ白い服をまとい、アメリカ兵に向かってくるのです。そうするとアメリカ兵は、そのイラク人が、兵士か一般人かの見分けがつきません。その結果、アメリカ兵はイラクの一般庶民の多くを戦争の巻き添えにしてしまっていました。

 

アメリカの司令部は、アメリカ兵に対し「一般人は攻撃しないように」との通達をだしていました。しかし、現場のアメリカ兵は、近寄ってくるイラク人が兵士か一般人かの見分けがつきません。

 

ですので、アメリカ兵は自分を守るがために、近寄ってくるイラク人が兵士とみなし、一般人の多くを殺してしまったのです。

 

まさに、このアメリカ兵の心情や行動は、副腎疲労症候群を患っている人の体のなかでおこっている免疫の異常と同じようなプロセスで起こっています

 

ようするに、副腎が弱ることにより「体外から入ってくる物質」や「体内で生産される物質、または常在菌」が自分にとって異物なのか異物でないのかの判断がつかなくなります。

 

そして、体内が「異物に侵されるのではないか」という恐怖心から白血球は過剰防衛に転じてしまい、大量の活性酸素を放出します。その結果、正常細胞までも傷がついてしまいます。

 

 アレルギーや軽い炎症を、安易に薬で止めたことから悲劇がはじまる
人が感染症に罹った場合は、その人の弱い臓器・器官に細菌・ウイルスがはびこります。副腎が弱ると、それらの「細菌・ウイルスを敵とみなし、攻撃をしてしまう」ことや「化学物質や食品などに対しても敵とみなし攻撃をしてしまう」ことはお伝えしてきました。

 

上記のように、異物を過剰に攻撃したり、異物でないものを異物と思い攻撃を仕掛けたりしていくと、体のいたるところで炎症症状がでます。炎症症状が体にでると、その炎症症状は薬でおさえられます。

 

一般的に病院で処方される薬は、過剰になっている免疫(白血球)にアプローチするものです。

 

その薬の1つに、白血球の働きを抑え込むように作られたものがあります。いわゆるステロイド系のものです。

 

ステロイド系の薬の特徴をまとめます

 

 @感覚器官を麻痺させ、臓器・器官にはびこった異物の存在を脳に知らせない

 

 A白血球の働きを抑制することにより、異物への攻撃を妨げる

 

 B血管を異常収縮させ、ヒスタミンの放出を抑える

 

上記の作用で、ステロイド系の薬を使うと見事に炎症がおさまります。しかし、臓器・器官にはびこった細菌・ウイルス、または体外から侵入してきた化学物質などに作用しているものではありません。攻撃側に停戦命令をだしているだけです。

 

しかし、ステロイド系の薬には副作用があるため、長期服用することに抵抗があります。そこで、ある程度炎症症状が治まると薬の服用を中止します。

 

ここで、ステロイド系の薬の服用を中止した場合に、体内ではどのような現象が起こるのかをまとめてみます。

 

 @薬を服用中は白血球の働きが抑制されていたが、服用を中止すると白血球の働きが過剰になる

 

 A過剰なった白血球は、体内に増殖した細菌・ウイルスを以前にまして攻撃することにより、炎症症状がおこる

 

ステロイド系の薬は一種の麻薬です。安易に使うと、その薬を止めるのにとても苦労をします。しかし、現代医学では、軽い咳や花粉症、または軽い皮膚炎であっても簡単にステロイド系の薬を処方します。

 

その背景には「炎症を止めてほしい患者」と「炎症を止めないと悪評を言われるのを嫌がる医師」と双方の思惑があります。

 

「急性のネフローゼ」や「ヘルペスが眼内にはびこって失明の恐れがある」などの場合に、ステロイド系の薬を使うことには異論はありません。しかし、そのような病気になる背景の説明がないことに私は疑問を感じます。

 

 最近、自己免疫疾患が急増しています
私は長い間、副腎疲労症候群を診てきましたが、最近特に多い症状が潰瘍性大腸炎です。その他にも、原因不明の関節炎や線維筋痛症(せんいきんつうしょう)があります。

 

潰瘍性大腸炎では、大腸に常在する腸内細菌を白血球が敵と勘違いして、攻撃を仕掛けてしまいます。そのことにより、正常な腸壁の細胞に傷がつき、出血を伴います。人の体の免疫を担う白血球の約70%は、腸に存在しているといわれています。

 

「腸管免疫説」を唱えている方々は、「免疫の中心は腸である。腸をきれいに! 腸内細菌がすべてである!」など、腸の大切さを訴えています。しかし、免疫(白血球)70%が存在している腸になぜ、クローン病や潰瘍性大腸炎の病気が発症するのでしょうか?

 

免疫が強いなら、そのような病気には罹らないはずです。しかし、上記したように、クローン病や潰瘍性大腸炎は増加の一途です。なぜ、そうなるのかというと、免疫が強すぎ、過剰になっているからです。 

 

しかし、そのことが分からず、世間では「免疫力を上げるサプリメント」や「免疫力を上がる食事法」など、免疫を上げましょう! の大合唱です。免疫は下がり過ぎても上がり過ぎても健康は維持できません。

 

その他の自己免疫疾患で、上記した「A原因不明の関節炎」「B線維筋痛症の発症メカニズム」をまとめてみます。

 

 @「A、B」ともにヘルペスウイルスを中心とした、ウイルスが関節や筋肉にある神経組織に増殖する

 

 A副腎疲労症候群を患うと白血球が過剰になり、増殖したウイルス群を敵とみなし攻撃を仕掛ける

 

 B攻撃を受けた関節や筋線維などの他に、正常細胞にも炎症がでる

 

ヘルペスウイルスは本来は、弱いウイルスです。しかし、抗ウイルス剤に耐性を持ったヘルペスウイルスは、想像以上に「ゾンビ化」しています。

 

現代人に急増している病気に膠原病があります。その代表的な病気に、ベーチェット病や全身性エリトマトーデス、または多発性硬化症などがあります。これらの病気の根底にあるのは、ゾンビ化したヘルペスウイルスがあると私は考えています。

 

本来、健康な人なら、あまり悪さをしないヘルペスウイルスは放置します。そのために炎症はおきません。しかし、副腎が弱り免疫が過剰になっている人は、悪さをしないヘルペスウイルスでさえ敵と思い攻撃を仕掛けてしまいます。

 

炎症を起こす物質の除去ばかり考えるのではなく、過剰に攻撃してしまう体のメカニズムの改善法に目を向けてほしいものです。

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