副腎疲労症候群にビタミンCの落とし穴

 

日本の医師は副腎を重要とは認識していない

 

唐突ですが、なぜ、日本の病院には「副腎科」がないのでしょうか? その理由は、副腎で生産されるホルモンは血液検査で測定できないからです。

 

日本では、血液検査で測定ができない症状は、病気とは診断されず薬を処方することはできません。したがって、薬を製造し販売する製薬会社は血液検査で判定できない臓器に興味がありません。

 

製薬会社のMR(薬の説明役)が医師に病気回復には薬が必要であることを刷り込んでいきます。しかし、血液検査で判定できない副腎はいわば「無視」状態であり、医師にその重要性を教えてきませんでした。

 

その影響で、日本の医師は副腎について「大事だけどね」と、あいまいな表現で誤魔化してきました。

 

しかし、ストレス社会のアメリカでは50年ほど前から副腎の重要性に気が付き、唾液検査により副腎ホルモンの量を正確に測定し治療法を模索してきました。

 

その情報が最近になってようやく日本に入ってくるようになり、雑誌や書籍でも扱われることが増えたことで、副腎の重要性を知ることができるようになりました。

 

しかし、情報が増えることで混乱を招く場合も少なくありません。その代表的なことが「副腎疲労症候群とビタミンC」の関係です。

 

 

副腎疲労症候群の改善に必須といわれているビタミンCについて

 

副腎疲労症候群の症状の改善に有効とコメントされている栄養素の1つにビタミンCがありますです。

 

ビタミンCは電子を余分に有しています。余った電子を体内で発生した活性酸素に渡すことで、抗酸化の働きがあることは知られています。

 

その他にも、副腎疲労症候群の改善目的にビタミンCを積極的に摂るように言われていますが、なぜ、ビタミンCが副腎疲労の症状を改善方向に導いてくれるのかを理解している人は少ないです。

 

人がスチレスに対応したり、仕事などで頑張る際には副腎で生産されるホルモンが必須です。その1つにコルチゾールがあります。

 

ビタミンCはコルチゾールを安定的に生産させる作用があることは知られています。しかし、副腎の状態によってはビタミンCの作用が裏目に出て、症状が悪化することことはあまり知られていません。

 

副腎疲労を疑われる初期段階では、脳からのシグナルで副腎がコルチゾールを大量に生産するよう促されます。この初期段階では、副腎機能がまだ元気なことで脳からの指示に答え、大量のコルチゾールを生産します。

 

一般的には、ホルモンの量は多く生産されたほうが良いと思われていますが、ホルモンは体内で生産される化学物質であり、いわば毒物に近い物質なのです。したがって過剰に生産されることで体内環境への様々な影響がでてしまいます。

 

そこで、ビタミンCを摂ることで、副腎疲労の初期段階の原因を作っているコルチゾールの過剰な分泌を抑えることで、副腎疲労特有の症状を緩和する狙いがビタミンCを摂る背景にあります。

 

 

ビタミンCが副腎を疲弊させる!?

 

ストレスに対応するための「副腎」という器官が重要であることが理解され始めています。そのことで、ビタミンCを販売したいメーカーは、こぞって、副腎疲労にはビタミンCが必須であるとピーアールしてきました。

 

また、自分の症状が副腎疲労症候群に近いと感じた人たちは、雑誌や書籍、またはネット上で「副腎疲労症候群の症状の改善にはビタミンCが不可欠!」と刷り込まれてきました。

 

「1日の摂取推奨量は3,000mgが必要で取り過ぎても尿中に排泄されるので副作用もありません」と。このキャッチコピーに見覚えのあるかたは多いのではないでしょうか。

 

上記したキャッチコピーが患者さんの脳に刷り込まれ「ビタミンC=副腎疲労症候群」となり、せっせとビタミンCを飲んでいる人は多くいます。

 

確かにコルチゾールが過剰に分泌されるような、いわゆる副腎疲労症候群の初期段階の人の場合にはビタミンCの摂取は有効だと考えます。

 

しかし、副腎疲労症候群が慢性化していくと、副腎でのコルチゾールの生産量が低下してしまいます。アメリカのシステムを利用し、唾液検査でコルチゾールを測定してみると慢性的に副腎疲労を訴える人の中には十分にコルチゾールが生産できない人が想像以上に多いようです。

 

もし、副腎疲労症候群が慢性化しコルチゾールの生産が減少している人が、メーカーなど提案している量のビタミンCを飲んだとすると、さらにコルチゾールの分泌量が減り症状は悪化する場合もあります。

 

 

コルチゾール生産時間とビタミンCの摂取時間

 

副腎は朝の早い時間に1日に必要なホルモンを生産する「早起きの臓器」です。

 

副腎のホルモン生産の1日のリズムを見ると、午前5〜8時くらいまでにコルチゾールの生産・分泌が上昇し、昼ごろはその影響でコルチゾール値は高いします。その後、夕方にはコルチゾール値は下降し、夕食後少し追加分泌されます。

 

そして、午後9時くらいにかけてコルチゾールの生産と分泌量は低下し副腎の働きも低下します。そして、就寝後から翌朝にむけての副腎の休息期にはいります。

 

上述したように、副腎は「早起きの臓器」で、これから1日がスタートするために副腎のホルモン生産量は朝にピークをむかえます。しかし、慢性化した副腎疲労症候群の方の場合は、健康な人とは違いホルモン生産量は多くはありません。

 

一般的には、ビタミンCを含むサプリメントを服用する時間帯は朝食または夕食前後です。そのことから、慢性化した副腎疲労症候群の方も朝食前後の時間帯にビタミンCを服用している可能性が高いです。

 

上述したように、ビタミンCが有効に働く背景は、副腎で生産されるホルモンが過剰な場合です。

 

しかし、慢性化した副腎疲労症候群の方のコルチゾール生産量は少ないので、朝の時間帯にビタミンCを服用大量に飲んでしまうことは、かえって、コルチゾールの分泌量を抑えてしまうことになります。

 

健康回復のために服用しているビタミンCが、朝の時間帯に逆に副腎疲労症候群の症状を悪化させている可能性もあります。しかし、「副腎にはビタミンCが必要」であるという情報が定着していることで、多くの方は、そのことを疑うことはしません。

 

その影響で、うつ症状や慢性化した副腎疲労症候群の人は、朝から元気がでない場合、朝一番に5000mg以上のビタミンCを毎日飲んでいる人は少なくありません。

 

逆に、夜間にストレスが多く感じられた日や夜間にジムで筋トレをし、コルチゾールが過剰に生産された状態では積極的にビタミンCを飲んでみる方法もあります。

 

なぜなら、副腎が夜の時間帯に興奮状態になっているのを抑えるために、ビタミンC有効に働き自律神経の調整をとってくれるかもです。

 

栄養医学研究所の故・佐藤先生も「少なくとも、副腎疲労の症状があるからと言って、全ての人が一律にビタミンCを3,000mgも飲んだとしたら、逆効果になる可能性は否定できないでしょう。」と生前、コメントを残しています。

 

      参考文献 栄養医学研究所 佐藤氏とのパーソナル講義から

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