副腎疲労症候群と低血糖症

 副腎疲労症候群になると発症する症状
副腎はストレスに対応するために脳からの命令を受けてホルモンを造る器官です。副腎を実験的に摘出したラットにストレスを与えると、そのラットは長くは生きれないという実験結果があります。

 

現代社会はストレス社会です。毎日のようにストレスにさらされて生活している現代人は、多くの副腎ホルモンが必要となります。脳から命令を受けて真摯にホルモンを造り続ける副腎は徐々に疲弊していき、やがて副腎疲労症候群に陥ります。

 

 副腎疲労症候群と低血糖症
副腎疲労症候群になると、多くの方が低血糖症を併発します。ここで低血糖症についてまとめていきます。

 

 体に現われる症状:

 

 @朝の10〜10時30分ごろ、昼食後の約2時間後、夕方4〜5時ごろに猛烈な疲労感におそわれる

 

 A手が震えたり、冷や汗がでたりして立っていることができなくなる

 

 B思考力が低下し、不安な気持ちになる

 

上記したような症状が低血糖症です。特に炭水化物や甘い物を多く食べた後に発症しやすくなります。

 

 炭水化物や甘いものを食べているのに低血糖になる理由
低血糖とは、血液の中にある糖(グルコース)の量が減った状態をいいます。炭水化物や甘いお菓子は、消化されると糖(グルコース)になります。食事で炭水化物や甘いものを食べているのにも関わらず、低血糖症になることに不思議さを感じる人が多いと思います。

 

その理由を説明します。脳や骨格筋などの細胞を動かすエネルギー源は糖(グルコース)です。

 

したがって、脳や骨格筋は血液の中に入ってきた糖(グルコース)を我先にと細胞に取り込みます。その結果、脳や骨格筋は、神経伝達をおこなったり、瞬時に筋肉を動かしたりと多くの仕事ができるのです。

 

ようするに、血液の中の糖(グルコース)を脳や骨格筋が優先的に取込むので、血液の中は低血糖状態になります。この一連の作用に関わっているのが、膵臓で造られるインスリンホルモンです。

 

そして、低血糖の状態になると前述したような症状が体に表れます。その症状を緩和させたいために、再び炭水化物や甘いものを食べて低血糖状態を凌ごうとします。その結果、血液の中の糖(グルコース)の量は急激に増えます。

 

そこで、脳や骨格筋はインスリンホルモンを利用して、増えた糖(グルコース)を優先的に奪い取っていき、血液の中は再び低血糖の状態になります。

 

 糖(グルコース)をエネルギー源として使うから疲労感がでる
現代人は食事から多くの炭水化物(糖質)をとります。また間食に飴やお菓子を食べたり、仕事中にイライラしたりしてくると「糖が切れたから集中力がなくなった」という理由でチョコレートなどを食べます。1日中、たえまなく糖質を摂取しているのに、すぐに糖が切れたといって再び食べます。

 

ここで考えて頂きたいことは、多くの糖(グルコース)を食事やおやつで摂取しているのにも関わらず、なぜ体内では糖(グルコース)が足らなくなってしまうのかということです。

 

上記のように、糖(グルコース)を多く摂取しても脳や骨格筋は多くの糖(グルコース)を要求します。そして、その糖(グルコース)をエネルギー源として使います。

 

しかし、人が糖(グルコース)をエネルギーとして使った場合、糖(グルコース)は、30〜60分ほどで使いきられてしまいます。ですから、また糖(グルコース)が必要になってきます。

 

また、困ったことに糖(グルコース)は脳の中で、快楽中枢に作用します。その作用により、糖(グルコース)を摂取した後は、気分がやや高揚して幸福感を感じることができます。ですから、また糖(グルコース)が欲しくなります。

 

しかし、その気持ちよさは60分間も続かず、逆にエネルギー源が枯渇してしまい猛烈な疲労感に襲われます。

 

ここで、低血糖症以外に、糖(グルコース)をエネルギー源として使うと疲労感がでるもう一つ原因を説明します。

 

その原因とは、糖(グルコース)をエネルギー源として使うと、脳や体の内部で多くの乳酸や活性酸素が発生するというものです。ここで乳酸と活性酸素について簡単に説明します。

 

 乳酸:

 

 @糖(グルコース)をエネルギー源として使った際に発生する物質である

 

 A急激な運動のあとは足がだるくなって走りにくくなる。これは筋肉内に発生した乳酸が原因である

 

 B乳酸は筋肉だけではなく、体内どこにでも発生して体を疲労させる物質である

 

 活性酸素:

 

 @脳を使ったり、ストレスに対応したり、また運動をする際に細胞内で発生する物質である

 

 A体内に異物がある場合、白血球は細菌・ウイルスなどを殺すときに活性酸素を使う

 

 B活性酸素が増え過ぎると、正常な細胞まで傷をつけてしまう

 

上記した「乳酸」や「活性酸素」が増える原因の1つに、糖(グルコース)をエネルギー源として使うことが挙げられます。現代人が食事や間食に多くの糖質を摂取してそれをエネルギー源として使うので、体がすぐに疲労してしまいます。

 

 寝ている間の血糖値はどうなっているのか
現代人は多くの糖(グルコース)を摂取しているのに、数時間後にはまた糖(グルコース)が欲しくなるという理由は理解頂けたかと思います。

 

次に、「人が数十時間の間、糖(グルコース)を摂取しなかったらどうなるのか」という疑問について述べていきます。例えば、夕食を夜の19時に食べて朝食が7時であると、夕食後に何も口にしなかったとしたら約12時間の間、何も食べていないことになります。

 

当然のことながら、糖(グルコース)も摂取していません。普通に考えると、夕食から朝食までの12時間、何も食べていない人は低血糖になっていると思われます。

 

しかし、健康な人を使い、実験的に早朝の血糖値を測定しても血糖値は低下していません。なぜ、このようなことになるのか疑問に感じることと思います。

 

 川で遭難した人が数日間、水だけで生き延びれるのか
上記以外にも、川で遭難した人が数日間水だけで過ごし、生き延び保護されたというニュースを耳にしたことがあると思います。このような場合、数日間水だけで過ごしたわけですから、体は低血糖症になり、生命の危険にみまわれそうなものです。

 

しかし、保護された人に話を聞いた記者はコメントで「体は衰弱していますが意識ははっきりしています」と報告しています。

 

脳は糖(グルコース)のみをエネルギー源として使います。その脳のエネルギー源を数日間も摂取していないのに意識が正常であるということに疑問がわきます。

 

 糖(グルコース)は体内で合成される
仕事中に数時間で糖(グルコース)が体内からなくなり低血糖症になる人がいれば、数十時間、また何日も糖(グルコース)を摂取しなくても大丈夫な人の違いはどこにあるのでしょうか?

 

上記のような違いに大きく関与している物質が副腎で造られるコルチゾールというホルモンです。

 

ここでは、その作用の1つである低血糖症とコルチゾールの関係について説明します。

 

 正常なコルチゾールの作用:

 

 @低血糖が下がった場合には、筋肉に貯めていたグリコーゲンを糖(グルコース)に変換し血糖値を正常に保つ

 

 A濃度・質が良質なコルチゾールは、タンパク質・脂肪・炭水化物を糖(グルコース)に変換する働きがある

 

 濃度・質の低下したコルチゾールの働き:

 

 @コルチゾール濃度・質が低下すると、筋肉内のグリコーゲンから糖(グルコース)を造れなくなって、低血糖状態になる

 

 Aタンパク質・脂肪・炭水化物から糖(グルコース)に変換ができなくなり、低血糖状態になる

 

上記したように、人は低血糖状態になった場合でも、副腎が造るコルチゾールの濃度・質が正常であれば、体の中で糖(グルコース)を造ることができます。よって、数十時間、または数日間の間、糖質(炭水化物や甘いお菓子)を摂取しなくても低血糖症になりにくいことがわかります。

 

 コルチゾール以外に血糖値を上昇させてくれるホルモン
低血糖状態が続くと生死に関わる危険性があります。そのため、体は低血糖状態から一刻も早く脱出するために、コルチゾール以外にも予備のホルモンを用意しています。

 

ここで、低血糖状態になった際、コルチゾール以外に働くホルモンをまとめてみます。

 

 @グルカゴン:膵臓から造られるホルモンで、低血糖時に血糖値を上昇させる

 

 A成長ホルモン:脳下垂体前葉から分泌されるホルモンで、肝臓の糖(グルコース)を造る働きを強め、インスリンの働きを抑えて血糖値を正常に保つ

 

 B甲状腺ホルモン:甲状腺で造られ、エネルギーの消費を一定に保つ働きがあるため急速なエネルギー低下(低血糖)を防ぐ

 

上記したように、人は低血糖にはなりにくいようなシステムが組まれています。そのシステムが正常に作動するために欠かせない物質がホルモンです。そして、このホルモンの材料の多くは肝臓で造られるコレステロールであることを理解してください。

 

また、副腎疲労症候群が関係する低血糖症の改善法の詳細は別のページにまとめています。

 

日本の病院ではホルモンについての知識が乏しく、ホルモンの異常と診断された場合には、そのホルモンを正常にする薬が処方されます。薬でホルモン値を正常にしたとしても、体に備わっている本来のシステムが改善するわけではありません。

 

ホルモンは本来、脳の命令を受けて、副腎や甲状腺などの各内分泌器官で合成されます。正常なホルモンを造るために必要な条件をまとめてみます。

 

 @ホルモンを造る命令を出すためには、脳が正常でなければならない

 

 A脳の命令を受ける内分泌器官の働きが正常でなければならない

 

 B肝臓はホルモンの材料であるコレステロールを合成するため、肝臓が元気でなければならない

 

 Cホルモンを体で使えるように変換させる酵素がなければならない

 

上記した以外にも、体内ではホルモンの合成のために神経系、血管系などが緻密にからみあって働いています。それらの働きを無視して短絡的に足らないホルモンのみに働きかける薬の処方に私は疑問を感じます。

 

 

 

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