ヘルペスウイルスで生じるベーチェット病や全身性エリトマトーデス

 ヘルペスウイルスの関係する病気が増えています
人は成長過程で多くの病気に罹ります。その病気の1つに水疱瘡(みずぼうそう)があります。その水疱瘡を発症させるウイルスがヘルペスウイルスです。

 

ヘルペスウイルスは本来弱く、おとなしいウイルスです。しかし、人の成長過程で罹る病気の対応に多くの薬を使ったために、ヘルペスウイルスが強くなり「ゾンビ化」してきています。

 

ゾンビ化したヘルペスウイルスは、体の抵抗力が落ちた時や消炎剤などの薬を服用した後に、体内で爆発的に増殖します。

 

その増殖したヘルペスウイルスを、白血球が攻撃をするために炎症症状が起こります。その詳しいメカニズムは「突発性難聴はヘルペスウイルスに侵されて生じる」を参考にして下さい。

 

 多くの病気にヘルペスが関与している
病院では原因不明といわれる症状に、ヘルペスウイルスが関与していることはとても多いです。その病気をまとめてみます。

 

 @顔面神経麻痺 
 A円形性脱毛症 
 B口内炎・舌炎などの粘膜疾患 
 C結膜炎・ぶどう膜炎などの目の疾患 
 D偽リウマチ(リウマチ因子が陽性でない関節炎) 
 E下腹部痛 F顎関節症 
 G股関節症 
 H五十肩

 

上記した以外にも、ギランバレー症候群など末端の神経の感覚が低下するような病気などヘルペスウイルスが関与している可能性が高いです。

 

 遺伝や環境原因にヘルペスが「スイッチ」をいれる
直接的にはヘルペスウイルスが関係しなくても、原因不明の病気の発症を助長するのがヘルペスウイルスです。そのようなことで発症する病気を例にあげて説明します。

 

 @ベーチェット病:
原因不明の炎症であり、主に口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚、眼に症状を発症します。やがて、全身のいたる場所で症状を生じるようになり、再発しながら進行していく全身性炎症性疾患です。

 

世界的にみると、日本をはじめ、韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国に多く見られ、シルクロード病とも呼ばれています。これには、遺伝的な要素が関係しているといわれています。

 

しかし、最近では、ベーチェット病の遺伝素因を持った人に、何らかの細菌・ウイルスが侵入すると異常な免疫反応が炎症を引き起こし、結果としてベーチェット病の発症に至るという考えが有力とされています。

 

A全身性エリトマトーデス:
この病気に罹る人の95%以上が、抗核抗体という抗体をもっています。抗核抗体とは、細胞中の核に対して自己抗体をもつことにより、細胞の核に対して攻撃を仕掛けようとします。膠原病の患者さんの多くは抗核抗体が陽性です。

 

90%が女性ということから「遺伝が関与している」、または「ホルモンが関与している」などといわれています。また、紫外線(海水浴、日光浴、スキーなど)、風邪などのウイルス感染、怪我、外科手術、妊娠・出産、ある腫の薬剤などが発症の原因になります。

 

上記の発症原因の中で、怪我や外科手術などに、大きく関与しているのが副腎です。副腎の機能の一つに、白血球の働きをコントロールするという働きがあります。強いストレスで副腎が弱ると、白血球のコントロールができなくなります。コントロール不能になった白血球は細胞の核を攻撃してしまいます。

 

それとは別に、風邪を引いた際に発症する場合があります。風邪などのウイルス感染時に、消炎剤などの薬を服用した後に発症することが多いです。

 

その症状をまとめます。

 

 @蝶形紅斑頬という頬から鼻にかけて丘疹状の紅斑がでる
 A顔面以外に、血管炎・蕁麻疹・皮膚潰瘍がでる場合がある
 B多発性筋炎という、体の広範囲の筋肉に痛みがでる
 Cレイノー病という、指先が真っ白になる原因不明の症状が約25%の患者に発症する
 D関節リウマチに似た関節炎が起こる(関節の変形は起こらないのが特徴)
 E中枢神経が侵され、失明や痙攣、髄膜炎を発症する場合がある
 F末梢神経が侵せれ、ギランバレー症候群のような末端の感覚神経障害がでる場合がある

 

上記した以外にも、肺炎や結核または、腸炎や腎炎、間質性膀胱炎なども発症する場合があります。

 

膠原病に罹ると、このような多種な症状が発症します。その多種な症状を抑えるために、多くの薬を処方され服用します。その薬の作用で一時的には症状が抑えられます。

 

しかし、薬は白血球の働きを抑制するため、体内では細菌・ウイルスが増殖します。薬の服用をやめた際に、白血球の働きが過剰になり、今度は体内に増殖した細菌・ウイルスを攻撃するようになり、全身にさまざまな炎症を引き起こします。

 

膠原病の多くは風邪などのウイルス感染に罹り、それを抑えるための薬を服用した数日後〜1週間ほどで発症する場合が多いです。

 

上述してきた膠原病の症状には、神経系が侵される症状が多いです。その理由は、ヘルペスウイルスは神経細胞に宿るウイルスであり、そのヘルペスウイルスを免疫が過剰に攻撃することで神経系が傷害されるからです。

 

膠原病の原因は、遺伝や環境などが複雑に絡み合って発症します。その複雑な発症原因のスイッチを「オン」にしてしまうのが、ヘルペスウイルスの可能性が高いと私は考えています。

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