ホルモンが造られ過ぎても、体調不良が起こる

 

カテコラミンとは何なのか


副腎で造られるホルモンの中で、ドーパミン・アドレナリン・ノルアドレナリンという名称は皆さんも耳にしたことがあるでしょう。

 

この3つのホルモンを、まとめて「カテコラミン」と呼びます。

 

カテコラミンは、主に副腎の髄質で合成されますが、一部は交感神経や脳細胞でも合成されます。

 

ここでカテコラミンの作用をまとめます。
 @血圧や血糖を上昇させる

 

 A心拍数をあげる

 

 B覚醒状態になる

 

 C血液を凝固させる

 

上記した作用がカテコラミンにあります。

 

なぜ上記したような作用が起こるかというと、人が敵や獲物に出会った際に、瞬時に戦ったり逃げたりする体勢を整えるためです。

 

つまり、心拍数や血圧を上げる理由は、心臓や脳、または筋肉に血液(酸素を含む)の供給量を増やすためです。

 

その反面、闘争でケガをした際に出血を最小限にとどめるために、血液を凝固させる作用があります。

 

また、「B」の覚醒状態になるのは、闘争時の恐怖心を和らげるためのものです。

 

 

生命危機にカテコラミンは合成される


糖質の過剰摂取後に血糖値が低下し過ぎる状態を低血糖症といいます。人は低血糖時には正常な判断ができず、また運動機能が低下します。

 

つまり、生命危機の状態とはケガや闘争時だけではなく、低血糖に陥っているときも生命危機といえます。

 

その状態を回避しようと副腎髄質では約6〜7種のホルモンが合成されますが、まず最初に合成、放出されるホルモンが「カテコラミン」です。

 

カテコラミンの作用で、低血糖時に発症する症状が正常な状態に戻ると思われがちですが、このホルモン類が過剰に分泌されることで下記のような症状がでます。

 

 ・身体的症状:
 @頭がしめつけられる、手足が冷える(血管の過剰収縮が原因)

 

 A動悸と冷や汗のような発汗と同時に手足の震え

 

 B呼吸が乱れ、深い呼吸ができなくなる

 

 C体温が上昇し、体に熱がこもる

 

 D思考力が低下し、片頭痛を発症しやすくなる

 

 E慢性疲労になり朝が起きれなくなる

 

 F湿疹や関節炎、またはアレルギー反応が敏感になる

 

 G甘いものが止められず、食後眠たくなる

 

 Hめまいやふらつき、または生あくびがでる

 

 I粘膜が弱り、口内炎や胃腸炎などを発症しやすくなる

 

 J目がかすんだり、眼球の痛みを生じる

 

 ・精神的症状:
 @性格が激変し、攻撃的になるなど感情コントロールができなくなる

 

 A「@」の行動をとった後、自己嫌悪で「うつ」のように落ち込む

 

 B完璧主義者になり、自分を追い込んでしまう

 

 C過度に目的思考型になり、自分を追い込む

 

 D「C」のことで、失敗した際は過度なショックを受け、引きこもる

 

 E不眠になり、幻視幻聴(悪夢)を体感するようになる

 

 Fキレて激高する反面、感情表現は欠如する

 

人の生命維持に必須なカテコラミンホルモンですが、そのホルモンが過剰に分泌されることで上記したような症状が出ることに驚きを感じた人は少なくないと思います。

 

                                        (参考文献:心の病と低血糖症 著者:大沢 博)

 

 

カテコラミンを造る副腎が弱る

 
生命危機の時に放出されるホルモンがカテコラミンです。そのカテコラミンが過剰に分泌されることで、多種の症状が出ることはお伝えしました。

 

それを助長するかのように、現在はストレス社会です。その状況に対応しようと副腎や脳ではカテコラミンを合成する機会が増えます。

 

ストレスに対応するカテコラミンが、副腎で繰り返し合成されることで副腎は疲弊してしまいます。

 

疲弊した副腎が合成するカテコラミンの「質」は低下します。

 

「質」が低下したホルモンでは脳の働きに乱れが生じるので、脳は副腎に対し「量」を増やすように命令を出します。

 

脳からの命令を受け、副腎はカテコラミンを合成することで疲弊しホルモンの「質」はさらに低下します。脳は「質を量でカバーしようと、再度、副腎にホルモン合成の命令を出す」という悪循環が生じます。

 

ホルモンの量が増えると、「症状は改善方向に向かうのではないか」と思われがちですが、大量に合成されたホルモンが脳に達すると、上記したような症状を誘発してしまいます。

 

ホルモンは本来、微量で生体を機能させることのできる物質です。

 

裏を返せば、微量で生体を変化させることができるほどの「力」をもっているがホルモンです。それが大量に造られると、生体の精妙な働きを混乱させてしまう危険性があります。

 

現代人の臓器・器官で最も疲弊しているのが副腎であると、私は思っています。なぜなら副腎はストレスに対応するためのホルモンを合成するからです。

 

現代医学が重要視しない、副腎。この副腎の疲弊を回復に導けるかどうかが、現代病克服の鍵を握っていることを認識してください。

 

 

 

 

 

 

 

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