アトピー性皮膚炎について

 アトピーとは
ここではアトピー性皮膚炎の学術的な説明をしていきます。

 

アトピーという名前はギリシャ語の「アポトス」が名前の由来と言われています。アポトスは「a=不特定」と「topos=場所」という言葉から来ています。つまり、アトピーとは「場所が不特定」という意味になります。

 

また他の由来も言われています。アトピー(atopy)はギリシャ語から来たのは同じですが、[topy=正常な位置にある」という言葉に「a=否定を表す」言葉を使い、atopyと名付けて「正常ではない」という意味にしたという説です。

 

 アトピー性皮膚炎の歴史
アトピー性皮膚炎は比較的新しい病気と思われがちです。しかしアトピー性皮膚炎について最初に記載されたものとしては、帝政ローマ時代にさかのぼります。「ローマ皇帝伝」という本では(著者のスエトニウス)初代皇帝アウグストゥスについて次のように述べられています。

 

アウグストゥスは毎年春の始めに鼻炎に苦しまされ、また体中がかゆくいつも垢擦り器で強く擦っていたために皮膚が厚くなり、場所によっては堅くなっていたとかいています。

 

他にも、欧米では19世紀の始めころウイラー(Willan)がかゆみを伴った「痒疹」(ようしん)について報告しています。また、同様の所見を19世紀末にへブラ(VonHebra)が自分の名前から「へブラ痒疹」(へぶらようしん)と名付けています。

 

この時期、ベニエ(Besnier)もこの病気が気管支喘息やアレルギーを合併し、家族に同じ病気を持っていることが多いことに注目し、「ベニエ痒疹(べにえようしん)」という病名で文献に残しています。

 

その後、アメリカのコカ(Coca)たちは家系的に発生する喘息などの過敏状態を研究し、血液中にアレルギーを起こす特殊な抗体(レアギン)を発見しました。

 

そして1933年アメリカのザルツバーガーがベニエ痒疹やコカなどの文献を参考にしてアトピー性皮膚炎と名付けました。

 

日本では日本書紀や古事記には湿疹やアレルギーについての記載はないといわれています。比較的最近の1956年に発行の「最新の皮膚病・性病の診断と治療」(谷村忠保氏著)にアトピー性皮膚炎の事が簡単に記載されています。

 

他にも1963年に発行された「湿疹の臨床」(高瀬吉雄著)にはアトピー性皮膚炎の事を詳しく説明しています。

 

1956年に発行された「最新の皮膚病・性病の診断と治療」の本ではアトピー性皮膚炎の事が簡単に記載されています。そこから7年後の1963年に発行された「湿疹の臨床」で高瀬氏がアトピー性皮膚炎の事を詳しく記載されていることから、日本では1960年前後からアトピー性皮膚炎の患者さんが増加してきたことが推測できます。

 

日本ではアトピー性皮膚炎の患者さんが増えてきたのは15年ほど前からと思われていることから、比較的新しい病気と認識されています。しかし世界的にみるとかなり古い時代から痒疹(ようしん)に悩んでおられる方がいたことに驚きます。

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