玄米菜食が一時的にアトピー性皮膚炎を改善させる理由
小・中学生から大学までの間、アトピー性皮膚炎は酷くなる
アトピー性皮膚炎の原因は、母親の羊水の汚れ・化学物質・抗生物質の服用・遺伝子節など色々といわれています。
私は多くの皮膚疾患の患者さんを診てきて実感していることは、遺伝的な要因が強く関与しているのではないかということです。
なぜなら、アトピー性皮膚炎を患っている患者さんに「親や親せきにアトピー性皮膚炎を患っている方がいますか?」と問診した場合、85%以上の方が「います」と答えるからです。
また母親の羊水の汚れや化学物質、または抗生物質などが影響してアトピー性皮膚炎が発症しているなら現代に生きる人の大多数が発症するはずです。
ただ、その遺伝子の中に、化学物質や抗生剤などの異物を皮膚から排出しようとする能力が強い人がアトピー性皮膚炎を患いますがこれも遺伝による作用です。
余談ですが、皮膚から異物を排出できない人は異物が細胞内や細胞外(膠原線繊維)に溜まり、ガンや膠原病に罹りやすいです。
細胞がエネルギーを生産する際に毒素がでる
車を走らせると排気ガスがでます。また、車の能力以上のスピードを出すと黒い煙幕のような排気ガスが出ます。
車と同様に人も思考したり動いたりする際に、タンパク質が合成されたり、エネルギーが生産されたりします。細胞の働きに不具合が生じると、異種のタンパク質や大量の毒素が生産されます。
また、頑張り過ぎる、つまり、能力以上の思考や運動は細胞でのタンパク質生産やエネルギーが生産が過度になり過ぎて、異種タンパク質や多くの毒素を生産します。
上記のことが理解できると、なぜ、小学校の高学年から高校3年生ぐらいの間に皮膚炎やニキビ、体臭などが酷くなるかが分かりますね。そうです、この時期は人生の中で細胞の新陳代謝が最も激しい時期だからです。
その証拠に、小学校の高学年から高校3年生ぐらいの子どもがお風呂に入ると「垢(あか)」が大量に浮いています。また、体臭もきつくなります。その理由は、細胞の代謝が激しいことでその見返りに「垢(あか)や体臭」といった体内毒素が発生するからです。
一方、70歳を超えてアトピー性皮膚炎を発症する人はみたことがありません。その理由は、細胞での新陳代謝が落ち着くことで異種タンパクや毒素の排出量が少なくなるからです。
車は排気量に応じた運転をすると排気ガスは最小限に抑えられます。車同様に人も細胞の新陳代謝を抑えることができれば体内で発生する異種タンパク質や毒素量を減らすことは可能です。
その方法の1つに、栄養価の低い玄米菜食にして、勉強やクラブ活動を抑制することで細胞の新陳代謝を抑えることはできます。しかし、そこには難しい問題もあります。
子どもに玄米菜食でアトピー性皮膚炎が一時的に改善する理由
私の治療所に来院されるアトピー性皮膚炎の患者さんは色々な努力をされておられます。
その1つに、玄米菜食をおこなってきたことがある人が結構おられます。その方達が同様に口にするのが「玄米菜食で一時的に良くなったが、受験やクラブ活動、または就職時期に一気に悪化した」という言葉です。
上記したようなことが起こる理由をまとめます。
1、玄米菜食にすることは動物性たんぱく質や脂肪摂取を控えることになる
2、「1」のことで、細胞の活性を抑える=毒素の発生を減らすことができる
3、玄米菜食にすることで抗酸化作用がある野菜を多く摂れる
4、玄米菜食にすることでパンや焼きそば、または揚げ物などの過酸化脂質の元となる食材を避けることになる
上記したように玄米菜食にすることで、細胞でのエネルギー生産量を減らし毒素の発生を抑えているのです。
しかし、受験時期やクラブ活動を再開したり、就職などで頑張らないといけない環境になると、脳や体を動かすのに多くのエネルギーが必要となります。
食事も多くのエネルギーを生産できるように、動物性たんぱく質や脂質の摂取も増えます。そのことで細胞ではエネルギーの生産量を増やしますが、同時に大量の毒素が発生してしまいます。
上記したことでアトピー性皮膚炎が再発するなら、玄米菜食でいいのではないかと思いがちです。
しかし、成長期であり受験やクラブ活動がある時期に、玄米菜食で勉強量も運動量も控え低エネルギーで生活していくということは難しいのです。
そのことで上述したように、「玄米菜食で一時的に良くなったが、受験やクラブ活動、または就職時期に一気に悪化した」ということが起こります。
つまり、玄米菜食はアトピー性皮膚炎の根本的な治療ではなく、エネルギー生産を抑制し異種タンパクや毒素の生産も抑制することでアトピー性皮膚炎の症状を一時的に抑えているに過ぎません。
その証拠に、玄米菜食でアトピー性皮膚炎の症状が治まっていた子どもが、成長期で勉強やクラブ活動、または就職など多くのエネルギーが必要な時期になると多くの人は症状をぶり返します。
現代医療は、外部から侵入してくる細菌・ウイルスへの対応はワクチンや抗生物質の開発により一定の効果をあげています。しかし、ガンやリウマチ、またはホルモン異常やアトピー性皮膚炎など、自身の細胞の内に原因がある内因性の疾患には効果をあげているとはいえません。
なぜなら、内因性の病気の発症原因の多くは遺伝子が関係しているからです。アトピー性皮膚炎も遺伝子が関与しているケースが多いことで治すことが難しいのです。
ではどのようにしていけば良いのか? そのことは川本療法:アトピー性皮膚炎への対処法で述べていきたいと思います。
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