肝臓にとって苦手な毒素がある
体内で発生する毒素に個人差がある
車を走らせる際にガソリンを入れます。入れるガソリンの種類によって排出される排気ガスの種類も違ってきます。
例えばハイオクのガソリンと軽油を比べた場合、排気ガスの色や匂いは全く違います。
人間も汗や体臭、または息の匂いが人によって違います。ようするに、仕事や運動をする際はエネルギーが必要です。そのエネルギーは細胞で作られます。
しかし、エネルギーを作った際に生じる排気ガス(体内毒素)も生産されます。その体内毒素には個人差があると私は思っています。
肝臓が解毒しにくい毒素が生じる
例えば強いストレスに見舞われた際に、ある人は髪の毛が白髪になったり、またある人は急性脱毛症になったりします。ストレスという共通の刺激を受けても、症状には大きな違いが生じることが不思議です。
なぜこのような違いが生じるのかは、上述したように生きていく上で体内で生産される体内毒素に個人差があるからと私は推測してしまいます。
体内で発生する毒素は大きく分けて2種類あると私は考えています。それをまとめます。
・細胞で生産される毒素:
細胞でエネルギーが生産された際に、副産物として毒素が発生します。その体内毒素は、肝臓で解毒されます。
そして腎臓や皮膚などの排出器官を通じ、尿や汗や便として体外に出します。
しかし有能な肝臓の機能をもってとしても、分解しにくい苦手な毒素があるのです。
特に、「皮膚炎を患う人の細胞から発生する毒素」は肝臓が解毒しにくいと私は推測しています。
・腸内細菌が発する毒素:
腸内には天文学的な数の細菌群が生息していると言われています。その腸内細菌は多くの栄養素を作ります。
一方、腸内環境が悪化して腸内細菌のバランスが崩れると細菌が作り出す毒素が増加します。
例えば、小腸で生息するグラム陰性菌などが増殖した際には、腹部膨満感が現れます。腹部膨満感が表れる理由は、細菌群が出すガスにあります。
そのガスの処理を一手に引き受けているのが肝臓です。ガスの処理に追われ肝臓は疲弊していきます。
皮膚炎を患った人の中には腹部の膨満感や頭部不快感を訴える人がいます。そのような症状がでる背景に、腸に生息する細菌群が出すガスの存在があります。
腸内に生息する細菌が異常繁殖した場合、大量に毒素が発生します。それを肝臓が解毒しなければなりません。
そのような状態が続くと、肝臓はやがて疲弊し腸内細菌が発する毒素の解毒ができにくくなります。
特に「皮膚炎を患う人の腸内細菌が出す毒素」は肝臓が解毒しにくいと私は推測しています。
そして肝臓で解毒できなかった体内毒素は、血液の中に入り心臓から全身に送られます。
血液の本来の仕事は栄養を運ぶことです。しかし、肝臓で体内毒素を解毒できなかった場合、栄養と一緒に体内毒素も細胞に運ばれてしまいます。
人の体は弱っている箇所を治そうとする
人の体の仕組みの1つに、弱い箇所を優先的に治そうとするものがあります。修復物質の1つである血液は、その人の弱い個所に優先的に流れ込みます。
しかし血液の中には、細胞を修復するための有能な栄養素だけではなく、解毒できなかった体内毒素も混入しています。
したがって、体内毒素を肝臓が解毒できなかった場合、その人の弱い個所に栄養素だけではなく体内毒素も運び込まれます。
実際に皮膚炎の人は、最初から皮膚が酷かったわけではありません。初期は軽い皮膚炎で始まりますが、その状態の時に改善方向に導けない場合、皮膚炎はどんどん酷くなる傾向にあります。
その理由は、患部を治すために働く血液が、患部をさらに悪化させてしまうからです。
そうなると、皮膚炎を患っている人の脳は、皮膚を治すためにさらに血液を送り込むように命令します。
しかし肝臓が弱ると、解毒できない毒素が血液中に混在します。そことで患部には血液に混在した毒素も運び込まれます。したがって患部は、修復されるどころか悪化傾向をたどります。
皮膚であれ内臓であれ、細胞を修復する物質は血液やリンンパ液が担っています。
しかし肝臓の解毒力が低下した場合、血液やリンパ液に体内毒素が混在し血液やリンパ液の質が低下します。
本来細胞修復物質である血液やリンパ液が「患部を悪化させてしまう」こともあるということをご理解ください。
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