皮膚の同じ箇所が痒くなる理由

 慢性のアトピー性皮膚炎への疑問
一般的にアトピー性皮膚炎の原因は、「体内で発生する毒素や化学物質などの処理がうまくできず、皮膚から出てきている」といわれています。

 

確かに、幼少期のアトピー性皮膚炎は、「母親の羊水や母乳から移行した毒素や化学物質を乳児の肝臓が解毒できないことで、皮膚から毒素が排出している」という説明には納得がいきます。

 

しかし、幼少期から慢性化している患者さんは、「どれだけの毒素を排出すれば、私の体の毒素は無くなるのか?」と疑問に思っています。

 

母親から移行した毒素や化学物質を排出するなら1〜3年もあれば排出されそうなものです。どう考えても、「アトピー性皮膚炎=毒素」ということに疑問を抱いてしまいます。

 

 いつも同じ箇所が痒くなる
アトピー性皮膚炎を発症すると、患部を掻きむしることで、皮膚に傷がつきます。その傷が治りかけてくると、アトピー性皮膚炎はとは違う「傷が治る際の痒み」が生じ、再度患部を掻いてしまいます。

 

そのことを繰り返すと、皮膚は硬くなります。また、皮膚の直下の血管も硬くなってきます。つまり、何回も掻きむしった箇所周辺の組織が硬くなります。

 

アトピー性皮膚炎の原因が、「体内毒素の排出」によって発症しているなら、毒素は柔らかい皮膚から出ていきそうなものです。

 

しかし、慢性のアトピー性皮膚炎の患者さんの症状は、硬く、黒づんだ皮膚、つまり、過去にひどくなった箇所に痒みが集中する傾向が強いです。

 

毒素を排出するなら、わざわざ、硬い箇所からは排出しないはずです。したがって、慢性のアトピー性皮膚炎の方の痒みの原因は毒素だけではないと私は考えていいます。。

 

 患部を治そうと体液が集まる
人はケガをしたり病気になった際に、患部には修復する物質が集まります。例えばやけどをすると「水ぶくれ」ができたり、虫に刺されたりすると「腫れて赤く」なります。

 

そのように患部が腫れたり赤くなったりするのは、細胞修復物質であるアミノ酸(透明の液体)とヘモグロビン(赤みの正体)が患部に集まるからです。

 

例えば、目の眼球に傷かつくと涙がでます。その涙は透明の液(アミノ酸)です。次に目は充血してきます。その充血するのはヘモグロビンが集まるからです。

 

そして最後は目ヤニ(膿)がでます。いわゆる「膿(うみ)」は患部を修復するために集まった細胞修復物質の死骸ともいえます。

 

そのように、人の体には透明の液(アミノ酸)が先発部隊で患部にいき、次いで赤みの正体の(ヘモグロビン)がいくことで患部を修復します。そのお土産に「膿」が出ます。

 

 過去の病気を優先的に治そうとする
花粉や黄砂、旬の野草が芽吹くときにアトピー性皮膚炎や喘息の症状は悪化します。

 

通常、刺激物が体内に入ってくると、体はそれらの物質を排除しようと患部に修復物質(アミノ酸・ヘモグロビン)を集めます。その作用で、急激に大量の鼻水が出たり、涙が出たりします。

 

花粉や黄砂、または旬の野菜、甲殻類などでアレルギー反応が出た際に、体内で困ったことが起こります。

 

その困ったこととは、脳が過去を忘れることができないことです。

 

本来なら花粉や黄砂などが付着した箇所だけに、修復物質(アミノ酸・ヘモグロビン)を動員してくれれば良いのですが、脳は過去の記憶から「自分の弱い箇所にも修復物質(アミノ酸・ヘモグロビン)を集める」のです。

 

つまり、春先に慢性アトピー性皮膚炎が悪化しやすいのは、花粉や黄砂、または旬の野菜や甲殻類などの影響で、アレルギー反応が過敏になることで、脳は過去にひどい症状が出た場所に対し大量の修復物質(アミノ酸・ヘモグロビン)を動員するからです。

 

しかし、過去に酷く症状がでた場所の皮膚や血管の組織は硬くなっています。その硬くなった組織に対し大量の修復液(アミノ酸・ヘモグロビン)が流れ込むことで、血管と修復物質との間で摩擦が発生します。

 

つまり、血管の中を通過する大量の修復物質の影響で、血管内に活性酸素が発生し炎症症状(痒み)がでます。

 

 患部を治す物質の質が低下している
体には、細胞が損傷した際に、患部を修復する物質(アミノ酸・ヘモグロビン)を有しています。それらの作用があるから傷んだ細胞も修復されるのです。

 

しかし長期の間、病気を患っていると患部に何回も何回も修復物質(アミノ酸・ヘモグロビン)を動員しなければなりません。

 

そのことで、修復物質(アミノ酸・ヘモグロビン)自体が劣化します。つまり、患部を修復するための物質(組織液)自体の「質が低下」してきます。

 

患部を治す修復物質の「質が低下」すると、「質を量」で補おうとします。

 

「質を量」で補うということは、硬くなった血管に対し大量に修復物質(アミノ酸・ヘモグロビン)が流れ込みます。そのことで上述したように、硬いや血管に大量の組織液が流れ込むことで摩擦(炎症)が生じ、患部は赤みを帯び痒くなります。

 

上述してきたように、同じ箇所ばかりに痒みが出るのは、脳が過去を忘れることができずに、その場所を治そうとすることの弊害なのです。

 

そして、過去に患った患部の組織(血管)が硬くなっていることで、皮肉にも炎症症状が出るのです。

 

そのことから私は、慢性のアトピー性皮膚炎の原因は体内毒素だけではなく、脳が患部を治そうとすることで再発していると考えています。

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