太る人も「低胃酸」の可能性がある
「太る人」は胃の感覚が鈍い
唐突ですが、あなたは「夏に太りませんか?」
一般的に、気温が高くなると人の食欲は低下します。そのことで、脂っこい食事を敬遠したり、食べる量そのものが少なくなくなるので、いわゆる「夏痩せ」します。
しかし、不思議なことに気温の高い時期でも食欲が落ちず、脂っこい食事も平気な人がいます。そのような人は、夏に痩せるどころか「夏太り」します。
夏に太るタイプは、夏でも食欲が落ちないことで自分自身は「胃が強い」と思っています。
夏太りするタイプの人が、胃が強いと錯覚してしまうのは仕方ありません。その理由をまとめます。
@調理して時間のたった、酸化した揚げ物(コロッケなど)を平気で食べれる
A辛い物・甘い物も苦にせず食べれる
B夏に食欲もあり、また夏バテもしない
上記したことから、夏太りするタイプは健康であると思っています。しかし、夏に太るということが問題なのです。
夏に太る人は感覚が鈍い
夏に食欲が落ちず太るタイプは、朝食を抜くことができる人が多いです。一方、朝食を勧められると、どのような食材でも平気で食べることもできます。
例えば、朝食昨日に調理した揚げ物があっても、苦もなく食べることができます。さらに食後に「胸やけ」や「胃もたれ」を感じることはありません。
例えば夏痩せするタイプが、調理して時間がたった揚げ物を食べると一日中、「胸やけ」や「胃もたれ」に悩まされます。
調理して時間がたった揚げ物(酸化した食材)を食べると、本来は「胸やけ」や「胃もたれ」を生じます。また、炭水化物も大好物でガッツリ食べれる人が多いです。
しかし夏太りする人、「胸やけ」や「胃もたれ」とは無縁です。つまり、何も苦痛を感じないということです。
夏太りするタイプが酸化した揚げ物を食べたり、1回の食事量が多いにも関わらず「胸やけ」や「胃もたれ」を感じないのはどういうことなのでしょうか?
この理由は「夏太りするタイプの人の感覚が鈍い」と私は思っています。
なぜなら、食事を食べて、きちんと消化・吸収・代謝できたのなら太らないからです。
夏に太るということは、消化不良を起こしている
夏太りするタイプは、胃の感覚が鈍いことはお伝えしました。また、そのことで、夏でも食欲は低下せずに食べ過ぎる傾向にあることもお伝えしました。
本人自身も、胃の強さには自信をもっている人が多いですが、体内は悲鳴を上げています。そのことをまとめます。
@夏に増加した体重が落ちなくなり、食欲の秋でさらに体重が増える
Aオナラが異常に臭かったり、下腹部がはったりする
B軟便や下痢が中長期的に続いている
C皮膚の痒みに見舞われる
D気管支炎などの風邪症状を繰り返す
E肝臓の反射ポイントである「踵(かかと)」付近が痛くなる
上記した以外にも、夏太りタイプは、水虫や痔に悩まされる傾向が強いです。
そのことから見ても、暑い時期に食欲が落ちずにどんな食材でも食べれるというのは、胃が健康なのではなく、胃の感覚が鈍いことがわかります。
太る人も「低胃酸症」の疑いがある
胃が大切であると訴える第一人者に、栄養医学研究所の佐藤先生がいます。佐藤先生は常々、「まずは胃の消化能力が大切である」と説いています。
その佐藤先生の文章を引用し、説明していきます。
@最近の30−50歳代の男女でみられる肥満傾向の背景には、胃酸の生産能力とその酸性度が低下していることがある
A「@」のことで、たんぱく質の消化が十分に行われず、人の体を構成している約60兆個の細胞とその働きに不可欠なアミノ酸の合成が低下している
Bこの年齢の人は、加齢以外にもストレスや生活習慣または、食生活にも原因がある
アメリカで紹介されたデータによると、30−50歳代の慢性疲労症候群(CFS)と診断された86名の男女に胃酸の生産能力の確認検査をしたところ、87%の人が食事直後から2時間の間に十分な胃酸の生産がされておらず、酸度(pH)も食物、特にタンパク質を分解するに十分な酸度ではなかったという検査結果が出たそうです。
また、胃酸の生産は十分であっても食事直後の胃酸の酸度(pH)がタンパク質を消化分解するために十分酸性(pH0.8-1.2)でない人の場合には、タンパク質の分解消化にかなりの時間がかかることがあるというものです。
その証拠に、便中に未消化のタンパク質や脂質が確認された人に胃酸を補うサプリメントを一時的に食事とともに飲んでもらうことで、症状が緩和、改善したと答えた人が82%いたということです。
また、便検査でも未消化のタンパク質や脂質が大幅に改善されてもいると、佐藤先生は述べられています。
食べれるから健康と思うな!
一般的に、食欲があると健康であり、食欲がないと弱っていると思われています。
しかし、上述してきたように、いくら食欲があっても、食べた食材をきちんと消化・吸収・代謝できないと、体に必要な栄養素が確保できません。
それどころか、食べ過ぎた食材を処理できないことで、体内には未消化な物質ができてしまいます。未消化な物質は、小腸・大腸に生息する悪玉細菌のエサとなります。
悪玉細菌が造る毒素が体内に充満することで、その処理に肝臓は日々、追われやがて肝臓は疲弊していきます。
疲弊した肝臓は、体内毒素の処理能力が低下し、上述したような、腹の張りや軟便傾向になったり皮膚炎や関節痛を発症したりします。
食欲が落ちず、胸やけや胃もたれを感じない人で太るタイプの人は、感覚が鈍磨であり大病の危険性があることを認識してください。
上記してきたことに関連する記事は「胃が弱い(低胃酸症)と体内に雑菌がはびこる」に詳しく述べているので参考にしてください。