自分の考えだけでは病気改善は難しい
ゴルフの上達と病気の改善
唐突ですが、ゴルフという競技はとても奥が深く、単に運動神経が良いだけでは上達しません。
なぜなら、ゴルフで使用するクラブは数が多く、それぞれのクラブに特徴があります。また、自然を相手にすることで、風が吹いたり雨が降ったりします。さらにコースにでると足元は傾斜があり、練習場のように平らな場面はほぼありません。
精神面でも、自分のスコアや相手との駆け引きなど多くの緊張にさらされての競技となります。
上記したことで、ゴルフをしている人で、自分の考え(我流)を中心に練習している人は上達しにくいです。
多くの情報があるのに上達しない
雑誌やネット上ではゴルフの上達法の情報が溢れかえっています。本来なら、それを勉強して練習をおこなえば、皆さんが上達するはずです。しかし、実際は80%の人が満足いく結果を残せません。
この背景に何があるのか? それをまとめます。
@自分の考えが正しいと思っている
A人に自分の考えを否定されるのが嫌である
B人に指導を受けても、心や脳がそれらを否定している
C情報を「つまみ食い」して良いところだけを張り付けている
D必要なことにお金をかけることを渋る
上記したような考えをもっている人は、レッスン代がもったいないという思考もあり、指導者に習おうとはしません。そのことでゴルフは上達しません。
病気も同じである
ゴルフの例えで上記したことは、慢性疾患が改善しない人の思考にもあてはまると私は思っています。
ゴルフ同様に、病気改善の情報は溢れかえっています。しかし、慢性疾患を自分の努力(考え)だけで改善方向に向かわすことのできる人は少数です。
なぜなら病気の発症理由は、遺伝や環境、または思考や食事、さらに人間関係などが複雑に絡み合っているからです。
私が多くの患者さんを診て思うに、病気が治らない人の思考は大きく2つに分かれると感じます。
・自分の信じた理論にしがみつく:
このタイプは男性に多いです。有名な医師が「高血圧は塩分を減らしなさい」というと、計量器を用いて塩分の量を徹底的に測るような行動を、きっちりと何年も続けます。
そのように、とことんやってみることは悪いことではないのですが、新しい良い情報が提案されても、かたくなに自分の信じた方法を貫きます。
上記した方法で症状が改善すれば問題ないのですが、症状が改善しないのにその方法をやり続ける人がいます。
・人が成功した情報に飛びつく:
このタイプは女性に多いです。いわゆる、「一貫した考えと継続性がない」というタイプです。
世間には多くの情報が溢れかえっています。そのことで、あの情報が良い、この情報が良いと、情報に流されてしまいます。
習い事をしても、数カ月から1年単位でコロコロと変えていき、身につくまで継続して行わない人が多いです。
そのような思考は体の改善法や健康法のときにもでてしまいます。いわゆる「つまみ食い」思考です。
自分の考えに、「いいな」と思う情報を取り入れて、自分流を構築しようとする思考です。
そうすることで、うわべだけの底の浅い「自分流」ができ、本人は満足しますが、その考えに振り回されるのが身体です。
例えば「このサプリメントいいんだって、この食材もいいらしいよ。また、この薬、よく効くよ」といったような思考です。1つ1つは良くても、それらが合わさった時の反作用には目をむけません。
また、それらを消化・分解・代謝する体の負担などは気にならないのです。
そして、これは良いと思っても長く継続できず、結果が伴わないとすぐに諦め他のことを取り入れていきます。
良い指導者と地道に進む
イチロー選手は自身を「天才ではない、努力を継続できる人」と語っています。スポーツだけではなく勉強や音楽など、どの分野でもあるレベル以上に到達するには地道な努力が必要になります。
そして、どの分野でもある一定レベルに達した人にはコーチの存在があります。これは病気の人の場合は、医師や治療家にあたります。
良い指導者を探し、その人達の考えを取り込み、自分自身が地道に努力していくことが病気改善の近道ではないでしょうか。
しかし一定期間、指導者とともに必死に健康法をおこなったが、思っているような結果がでない場合は、自分の考えを指導者にきちんと伝えて、他の方法に変える柔軟性も必要です。
ただ、他の方法に変える条件は、あくまで「一定期間、必死に努力した」ということが重要です。
また、今日述べたことの関連記事が「病気が治りにくい人の行動パターン」の欄でも述べていますので参考にしてください。