猫背など、骨格を正す必要がある
人は脳から伸びる神経の命令で動いている
人の生命維持の中心は「神経の命令」が担っています。例えば事故なので頸椎を損傷すると、神経命令が途絶え車いすの生活を強いられます。
脳から伸び全身に分布している神経を脳脊髄神経といいます。脳脊髄神経は脳から伸び、背骨(第一頸椎から第五腰椎)に存在する「脊柱管」いう管の中を通り内臓・器官に分布します。
上記した脳脊髄神経と背骨と内臓との関係を分かりやすくまとめます。
脊髄神経は「ヒモや糸」のような線維になっていて、神経信号を伝える電線のような働きをしています。これを身近なもので例えるため、家に電気がくるまでの過程で考えると
・脳が「電力会社」
・背骨が「電柱」
・神経が「電線」
・内臓や各器官が「家」
このように、脳から伸びた神経が「背骨の中」を通り内臓・器官に分布しています。
猫背・側彎はなぜ、健康によくないのか?
子供のしつける時や習い事を始めた際、親や指導者は決まって「姿勢を正しなさい」と教育します。
一般的には見た目の「だらしなさ」を改善するための教えと思われがちです。しかし実際はそうではなく、内臓・器官の働きに大きく関係するからです。
上記したイラスト図からわかるように、背骨が蛇行しているとその中を通る神経も蛇行します。そのことをまとめます。
@姿勢が乱れる(猫背・側彎)ことで脊柱管を通る紐状の神経が軽く圧迫を受ける
A「@」のことで、脳が出すシグナルが末端まで届きにくくなる
B「A」のことで、内臓・器官に十分な命令が届かないことで内臓・器官の働きが弱る
もう一つ、脳内で造られた「脳脊髄液」という体液が、脊骨の中を通っています。この脳脊髄液も脳脊髄神経同様に生命維持に大切な働きをしています。
脳脊髄液については、「仙腸関節の刺激で脳脊髄液が循環する」のページを参考にしてください。
上記したように姿勢が悪い(猫背・側彎)ことで、脳脊髄液の流れも悪くなります。つまり姿勢が悪いと、生命維持に欠かせない脳脊髄神経と脳脊髄液の働きが低下します。
神経系の働きは重要である
病気を改善しようとする際に、まずは「生活習慣の改善」が挙げられます。お酒やタバコを減らしたり、食事内容を変えたりします。また、運動不足の人は運動を取り入れたりします。
そのように努力することに異論はありません。しかし、姿勢が悪いことで神経命令が低下し、内臓・器官の働きが鈍ることへの認識が薄いために、姿勢改善のための努力をする人はとても少ないです。
脳から正常に神経命令が出ていたとしても、背骨がズレることで神経の命令が低下します。またそのことで、内臓・器官の精妙な働きに乱れがでることを認識してください。