胃が弱い(低胃酸症)と体内に雑菌がはびこる
日本人は胃薬が好き!?
日本は保険医療制度の恩恵があることで、医療機関に通院しやすい環境が整っています。そのことで、日本人の平均寿命は世界でもトップクラスです。
一方、安易に医療機関を受診することで、1人あたりの薬の消費量も世界でトップクラスです。
日本人が多く服用する薬の一つに「胃薬」があります。
ひと昔前まで、日本人で一番多いガンは胃ガンでした。また、胃ガン以外にも多くの方が慢性的な胃の不調を訴えています。
そのことから、病院では胃酸を抑える薬や胃の粘膜を保護する薬が多く処方されます。
胃弱とは胃酸の量が多い、少ないではない
胃弱とは、胃酸が出過ぎていると感じる「胃酸過多症」や胃酸が少ないと感じる「消化不良」に大別されます。
そのことで、「胃酸過多症」には胃酸を抑える薬が処方されます。また胃酸過多により、胃の壁が傷つかないように胃の粘膜を保護する薬が処方されます。
一方、消化不良を訴える人には、胃酸の分泌を促進する薬が処方されます。
上記したように、胃の症状に応じて薬が処方されますが薬はあくまで対処療法であり、胃の不調を改善したわけではありません。
ここで、真の胃弱とはどのような状態なのかを説明します。
真の胃弱とは、「低胃酸症(pHが強酸性ではない)」状態を指します。
つまり、胃弱とは「胃酸が出過ぎる」または「胃酸が出にくい」といということではなく、胃酸のpH(0,8〜1,2)が強酸性を保持できず、ややアルカリ性に偏ってしまった状態なのです。
そのことから考えると、胃酸過多や胃酸が出ない症状に対して薬を服用しても、それらの薬は胃酸のpHを改善してないので体の不調は改善しません。
病院が処方する薬が「低胃酸症」を発症することを助長してしまっていることは皮肉なものです。
そのことについては、「腸より胃のほうが大事な理由」で詳しく述べているので必ずお読みください。
低胃酸症の人は体内で雑菌がはびこる
低胃酸の状態、すなわち「胃酸の分泌が少ない、またはpHが十分に酸性になっていない状態」が続くと、体内では予想もしていないことが起こります。そのことをまとめます。
@低胃酸の状態では、食事から摂取した物質を分解しきれない
A「@」のことで、すい臓から分泌される消化酵素「アミラーゼ」の生産スイッチが入らない
B「A」のことでタンパク質や炭水化物、または脂質の分解能力が低下し食物がきちんと消化できない
C「B」の状態、すなわち、未消化な物質は大腸・小腸に生息している悪玉細菌群の「エサ」となる
上記したように、胃酸のpHが弱る(アルカリに傾く)と、すい臓の消化機能にも影響を及ぼし、さらに小腸での栄養吸収にも影響を及ぼします。
未消化な物質は大腸に生息する悪玉菌のエサとなる
大腸・小腸に生息する悪玉菌は、未消化な物質をエサにし、猛烈に増殖します。そのことで、悪玉菌から毒性の強いタンパク質が生産されます。
その毒性の強いタンパク質はガス化し、いわゆる「膨満感(ガス腹)」を引き起こします。
悪玉菌が生産する毒性の強い物質は、血液中に入り肝臓に運ばれます。肝臓は日々、運びこまれてくる毒素を無毒化します。
しかし肝臓は、体内で大量に生産される毒性の強い物質の処理を毎日おこなうことで疲弊し、処理能力が低下していきます。
ここで、無毒化できない毒性の強いタンパク質の悪影響をまとめます。
@その物質が関節付近や関節液内に「はびこり」関節炎を起こす
Aその物質が脳内に達すると、頭痛やめまい、または歯ぎしりなどの原因をつくる
Bその物質が目に到達すると、「かすみ目」や「目の奥の痛み」などを引き起こす
Cその物質が、尿から排出できないと、皮膚から排出される際に痒みをともなう
上記した以外にも、うつ症状や慢性疲労症候群、または現代人に急増している原因不明の症状も、大腸・小腸に生息する細菌(カンジタ菌・グラム陰性菌)の異常繁殖が影響しています。
一般的に、人は食べた物は消化されていると思っています。しかし胃酸のpHが0,8〜1,2の状態でないと、食事をすることで健康を損ねる原因になっている場合があることを認識してください。