「低胃酸症」を改善する指圧法
消化できないと何も始まらない
世間では「腸が大事」「腸免疫が人類を救う」などのキャッチコピーで溢れかえっています。私も腸の働きは生命維持に重要であることに異論はありません。
腸に機嫌よく働いてもらうためには、腸が喜ぶ物質や栄養素が必要です。その物質や栄養素を作り出しているのが「胃」です。
つまり、「胃の消化力」が弱いと食材をきちんと分解することができず、腸に必要な物質や栄養素が作れません。
上記したことは、「腸より胃のほうが大事な理由」のページで詳しく述べているので参考にしてください。
低胃酸症を改善できるのか
胃の働きが弱い理由の1つに、「遺伝による背骨のズレ」があります。親や兄弟に、歯並びや背格好が似るように、背骨のズレている箇所も似ています。
脳から伸びた脊髄神経は背骨を経由して内臓・器官に分布します。
胃に分布する脊髄神経は胸椎の5番目を通りまた、上部頸椎の2番目を通る脊髄神経も胃の働きに関係しています。
川本療法では全身を指圧しますが、胃の弱い人には上記した胸椎の5番目、頸椎の2番目付近へのアプローチを入念にします。
自宅でもその骨を中心に自己指圧法を実践して頂きます。
胃のポイントを自宅で指圧する
胃へのアプローチは上半身の広範囲を自己指圧することが望ましいですが、
ここでは胸椎5番目付近へのアプローチを紹介します。
・「ふたコブ楽だ」を使用する方法:
写真のように、「ふたコブ楽だ」をソファーなどの背もたれにセットします
そして、胸椎の5番目を中心に、背骨の近くや肩甲骨側を刺激します
少し体を前に傾斜させたりして、圧を調節し自分にとってよく効くポイントを探していきます
「ふたコブ楽だ」の使用法は座位だけではなく、寝て使用することもできます
・丸太を使う方法:
丸太を縦に使い、胸椎4〜8番ぐらいまでを狙っていきます
丸太をこのようにセットし、背骨の近くや肩甲骨近くを刺激します
丸太を背中の左側にセットした場合、左側に体重移動し丸太の上に乗っていきます
丸太を小刻みに左右に動かしたり、丸太を静止させた状態で圧をかけたりします
次に、上部頸椎へのアプローチ法を紹介します
上部頸椎の位置はこの辺りです
・「ふたコブ楽だ」を使う方法:
「ふたコブ楽だ」をこのようにセットし、間隔の狭いチョボとチョボの間に頸椎が入るようにあてます
うまくセットできたら、じっと押し当てたり、左右に少し頭を動かしたりします
・丸太を使う方法:
丸太を横向きで使います
丸太をこのようにセットします
写真は、左の頸椎を刺激しているので、やや、左体重になっています。逆側もおこないます
自己指圧をすることで自律神経が落ち着く
薬やサプリメントを使い症状を改善したとしても、根本の問題が解決したわけではありません。
胃の機能を改善するには、背骨のズレを正すことや皮膚刺激により自律神経系を整えることで「胃弱」という構造を変えることが必要なのです。
上記した胃へのアプローチ法はあくまで1つの例に過ぎません。病気の改善には、全身を覆う皮膚を刺激することが重要です。
なぜなら、皮膚全体に分布するポイントを刺激することで、自律神経系が整ったり呼吸が整ったり、その恩恵は計り知れないからです。
難しい病気ほど「手で刺激する」というアナログ手法が必要です。薬やサプリメントを処方するだけでは病気の改善はないと私は思っています。
食事改善や高額なサプリメントを服用しても症状が改善しない人は、手で皮膚を刺激する指圧法や自己指圧法を取り入れてみて下さい。
「皮膚刺激の重要性」はこのページで詳しく述べているので参考にしてください。