副腎疲労症候群への対応:糖質と低エネルギーについて
副腎が疲労すると甘い物が欲しくなる
現代に生きる人は多くのストレスを感じています。人がストレスを感じた際に、脳は副腎に対し、ストレスに対応するためのホルモンを造るように命令を出します。
度重なる脳からの命令で副腎は疲弊してしまいます。副腎が疲弊すると脳に必要なホルモンが運ばれないことで、脳は不安定になります。
その状況をてっとり速く解決するできるのが糖質の摂取です。ここで、つい手が伸びてしまうパンやお菓子ですが、それらを摂取しても何故か元気にはなりません。
その理由を下記にまとめていきます。
糖質の種類について
糖質には、砂糖や果糖、炭水化物が分解されて生産されるグルコース、人口の甘味料など多くの種類があります。ここで副腎疲労を患っている場合はどのような甘味料を選ぶべきかをまとめます。
@ブドウ糖液糖を使った加工品は血糖値が急上昇し、かつ細胞でエネルギーに変換できないので極力食べない
A果物、黒糖、または蜂蜜は糖度が高く血糖値は急上昇しますが、細胞内でエネルギーに変換しやすい糖質なので積極的に摂取する
B血糖値を上昇させないエリスリトールやマルチトールなど天然の糖アルコール発酵により作られたものはエネルギーに変換できないので避ける
C血糖値を上昇させない甘味料でもアセチルファムカリウムやスクラロースなどの人工的に作られた甘味料は絶対に避ける
人が空腹時に糖質を摂取した際には、血糖値が急上昇します。その際に、すい臓からは血糖を正常に戻すためにインスリンホルモンが分泌されます。
急上昇した血糖が、インスリンホルモンの作用により、今度は急降下します。この急上昇から急降下する時の「落差」が生じるときに、手が痺れたり思考力が低下したりする低血糖の症状がでます。
そのような状況は、体にとっては危機的な状態なので血糖値を正常な状態に戻そうとします。その時に働くのが副腎で造られるホルモンです。
したがって血糖値を急上昇させる糖質を食べ、その後に起こる「落差性低血糖」のたびに、副腎はその状態を回避するためにホルモンを分泌します。その結果、副腎は疲弊することで糖質を避けるようにいわれてきました。(2016年頃)
しかし、現在は、エネルギーに変換しやすい糖質を積極的に摂取して、細胞内でエネルギーを生産することで疲労感が軽減できます。その結果、副腎の負担が軽減されます。
参考文献:糖尿病は砂糖でなおす! 崎谷征博
「低エネルギー症」が副腎疲労の原因である
副腎疲労症候群を誘発する原因の1つに「低血糖症」があるといわれてきました。しかし、現在(2017年)の私の考えは大きく変化しました。
副腎疲労症候群の原因は低血糖症ではなく「低エネルギー症」であるということです。
どういうことかというと、細胞で「エネルギー生産が上手にできない人」が慢性疲労症候群を発症するということです。
糖質の質によって低エネルギー症状を発症する
最近(2018年)、出版された本に「糖尿病は砂糖で治す」という崎谷先生が書いた本があります。崎谷理論は、糖質は「質」を間違えなければ積極的に摂っても良いということです。
私も、糖質制限を指導してきたなかで、糖を制限することの限界を感じていました。(特に若い女子への指導)そして、「糖を代謝できれば」と常に自問自答をしてきました。その答えを導いて下さったのが崎谷理論です。
糖質には、エネルギーに変換されやすい糖質と変換されにくい糖質があります。
果物・黒糖・蜂蜜など(グルコース+フルクトース)は細胞内に入ると素早くエネルギーに変換されます。したがって、それらの糖を単独で摂取することで低エネルギー状態を緩和できます。(インスリンホルモンの質が低下している場合は難しい)
一方、炭水化物が分解された時に生産される糖質(グルコース)は、細胞内に運ばれたとしても、エネルギーに変換される速度は遅く、その効率も悪いことで、低エネルギー状態を引き起こします。
つまり、炭水化物(グルコース)の摂取を減らし、果物・黒糖・蜂蜜(グルコース+フルクトース)を摂取することで細胞内でエネルギーが生産され、身体は元気になります。
「グルコース」と「グルコース+フルクトース」の違い
炭水化物を分解した際の糖は「グルコース」でエネルギーに変換されにくい糖質です。一方、果物・黒糖・蜂蜜はグルコース+フルクトース(果糖)で構成されていて細胞内でエネルギーに変換しやすい糖質です。
そのことを理解すると、あるテクニックが思い浮かんできます。
グルコース(炭水化物)はエネルギーに変換しにくい、グルコース+フルクトース(果糖)はエネルギーに変換しやすいということから炭水化物を摂取した場合は、食後にフルクトースを含む果糖・黒糖・蜂蜜を追加することで、エネルギーに変換されやすくなります。
副腎は本来、ストレスに対応するためのホルモンです。現代に生きる人はストレスが多いので、ストレスに対応するだけで副腎は疲弊します。
そのことに加え、ストレス時にはエネルギー変換できない糖質を多く摂取することで、低エネルギー状態になり、エネルギーを上昇させようと、副腎ではホルモンが追加生産されます。
つまり、ストレスに対応する以外に、低エネルギー状態にもホルモンを生産しなければならないことで副腎は、さらに疲弊します。
したがって、ストレス時に摂取する糖質は、エネルギーに変換しやすい糖質をチョイスすることで、副腎はホルモン生産回数を減らせることで副腎は休まることができます。