病気の再発不安を初期化する
トラウマとは
人は成長過程で必ず病気を発症しまが、自己の免疫システムや修復システムで病気を治していきます。しかし、ガンや膠原病など病気の種類によっては完治が難しいことがあります。
ガンや膠原病などを一度患った人は、「再発の不安」に襲われ続けます。つまり、脳の記憶に「病気は怖いいう情報」が残ってしまうことが原因です。そのことをトラウマといいます。
トラウマになる原因は病気以外にもあります。例えば、幼少期に親から不当な暴力をうけたり、友人からいじめられたりした場合は、脳の記憶(情報)に嫌なイメージが残ってしまいます。
嫌なイメージが全身に伝搬する
ガンや膠原病など重い病気に罹った人は、「再発するのではないか」という考えが消せずに生活していることはお伝えしました。そのことで、風邪や胃痛といった軽い症状でも「再発か?」という不安に襲われます。
この不安なイメージは脳が感じとり、脳から全身の細胞に「不安イメージ」が伝搬してしまいます。そのことで全身にある60兆個の細胞全体が「不安」になります。
1つ1つの細胞に不安イメージが届くと、各細胞は「自分自身を守ろう」とする働きが強まります。そのことで、細胞膜を通しておこなう情報の交流を強く閉ざし、嫌な情報を入れまいとします。
しかし、細胞に届くのは嫌な情報ばかりではありません。時には「楽しい・気持ちいい」という情報が届いたり、食事から摂取した「栄養素」も届けられます。
しかし怖がりになった細胞は、細胞膜のカギを閉ざしていることで、良い情報や必要な栄養素までも拒否するようになります。
怖がりになった細胞の記憶を戻す方法はあるのか
例えばプロゴルファーは、過去のミスの記憶が払拭できないことで何度も同じミスを繰り返すといいます。例えばクラブを強く大きく振ろうと思っても、手は硬直し動かなくなります。つまり、自分(脳)が思っていることと全く違う反応を体はしてしまいす。
このような状態を「イップス」といいます。そのような状態に陥った場合、プロゴルファーはどのようにして克服していくのでしょう。
答えは1つ、練習しかありません。同じシチュエーションを想定しひたすら練習します。つまり、ミスをする回数を減らしていきます。そのことで脳は自信を取り戻しミスの回数が減っていきます。しかし、脳が「ふと」過去を思い出す瞬間があると、それを機に再び同じ失敗を繰り返すようになります。
ゴルフの不調は練習で克服できます。しかし、過去に病気になり、怖がりになった細胞の記憶を初期化は難しいです。
怖がりになった細胞を少しでも安心には、風邪や腹痛、または頭痛など日々の生活で発症しやすい病気に罹りにくくすることが大切です。なぜなら、ゴルファーが「ふと」脳に不安がよぎることで調子を崩すように、過去に大病になった人も、軽い症状の風邪や腹痛でも「再発か?」という不安に見舞われるからです。
脳のイメージを変えるために体内環境を整える
一般的に風邪や腸炎の発症理由は、外部から異物(細菌・ウイルス)が侵入してきたことで発症すると思われています。確かにインフルエンザウイルスやノロウイルスのように外部からの侵入によって病気を発症する場合はあります。
しかし、風邪や腸炎の発症理由のほとんどが、体の内部に常在している細菌・ウイルスが増殖することで起きます。つまり、自身が元気(生命力が高い)な時は、細菌・ウイルスは体内で増殖することはできませんが元気でない(生命力が低い)時は体内で細菌・ウイルスが異常増殖します。
例えば、汚れた池では藻が増えたり、汚れた海では赤潮が発生したりするように、体内の環境が悪化すると細菌・ウイルスが異常増殖します。そのことから風邪や腸炎を安易に発症させないためには体内環境を日々整えておく必要があります。
ここで体内環境を整える方法をまとめます。
@体内に存在する生体水(約40リットル)が汚れないように、毎日生体水化された水を1,5リットル以上摂取する
A人に必要な栄養素であるアミノ酸・脂肪酸・ミネラル・ビタミンを摂ることを心がける
B体液を汚す炭水化物(糖質)は極力減らし、食事や間食もべ過ぎないようにする
C唐揚げやフライなど高温で調理した油物の摂取を極力避ける
D腎臓・肺機能が低下すると、体内のPHが酸性に傾く。それを防ぐために腎臓・肺への自己指圧し体内PHを整える
E腸内で発生したガスは肝臓(解毒力)を低下させ、体内環境が悪化する。したがって腸内環境を整える必要がある
Fウォーキングや水泳など負荷のかかり過ぎない運動を日常に取り入れる
Gヨガや太極拳、またはカラオケやお経を唱えるなどの呼吸法を取りいれる
H指圧や鍼灸などの民間療法を定期的に受ける
I自分でおこなう自己指圧を継続しておこなう。そのことで自律神経が整う
上記した以外に、自分が継続することのできる「ルーティーン」を日常に取り入れることは病気の再発予防に大切です。
一度大病に罹ると、風邪や腹痛でも再発したのではないかと心配になります。その不安なイメージは脳に伝わり、脳から全身の細胞に「不安イメージ」が伝搬してしまいます。そのことで全身にある60兆個の細胞全体が「不安」になります。
大病に罹ったことの記憶をいきなり帳消しにすることは不可能です。そこで患者さん対し、「まずは風邪や腹痛、または頭痛などを発症しにくくすることが大事ですよ」と私は伝えています。
つまり、日常で比較的発症しやすい病気を抑えることで、「また病気を発症してしまった」という負のイメージを思い出させないためです。
そのことの積み重ねが自信につながります。つまり、「簡単には病気に罹らなくなった」という自信が自分力をたかめ、そのイメージ(情報)が全身の細胞に伝搬します。
大病を経験し細胞膜のカギを閉ざしていた細胞は、自分力が高まったことで細胞膜のカギを開き良い情報や必要な栄養素を取り入れるようになります。
そのことで、体は健康体になり病気に罹りにくくなることで再発不安が減るという、よいサイクルが生まれます。
過去の「負の記憶」は徐々にしか払拭できない
大病を経験した人は、再発への不安に見舞われます。多くの人はその不安を消し去りたいが為に各々努力をします。ただ、私は60000人以上の患者さんを診てきて思うことは、大病を患った人の多くが、「早く結果を出したい」と焦ってしまいます。
そのことで、過度な医療検査を受けたり多くの薬やサプリメントに頼り過ぎたりします。また生活面でも自分に課題を課し過ぎたりもします。その背景には「脳の記憶(情報)を消したい」からです。
しかし、病気の再発の恐怖を消そうとする行為が身体を弱らせていることがあります。したがって焦り過ぎるのではなく、まずは生活習慣を変え体内環境を整えることからを考えてほしいものです。
そして何よりも大事なことは、「皮膚刺激」です。定期的に手技療法を受けることで、身体の機能面だけではなく自律神経が整うからです。
風邪や腸炎頭痛などのの日常で罹りやすい病気を発症させない。そのために、地道なことを継続し、病気に罹っていない期間を伸ばすことが脳の不安の記憶を払拭する方法ではないでしょうか。