病院で病気は治るのか
医師は病気を治せるのか
医療の進歩は著しく、我々はその恩恵をうけ、伝染病や感染症から守られてきました。また、昔は盲腸ですら不時の病でしたが、現在では盲腸で亡くなる人はほとんどいません。その他にも、心筋梗塞や脳梗塞などの病気も処置が早ければ、命を落とすことは無くなってきました。
しかし、その反面「ガン」に罹る人は増加傾向であります。不思議なことに、医師の数が約1万人だった時は、ガンになる人が約1万人いました。医師の数が約30万人になった現在、ガンになる患者さんは約30万人います。
本来なら、病気を治す医師の数が増えれば、病気になる患者さんは減少するはずです。しかし、ガンになる患者さんは医師の数に比例して増加しています。そして、日本人の3人に1人はガンになってしまい、そのなかの2人は、その病気が原因で亡くなってしまいます。
このことから考えると、病気になってから病気を治すことは、優秀な医師でも難しいということが分かります。
病院は何をしてくれるのか?
腎臓病を例にあげて説明します。腎臓病が悪化して人工透析をしなければいけない人は増えています。また、人工透析をしてくれる病院も増えています。人工透析の患者さんを、車で送り迎えするサービスまであります。しかし、人工透析にならないように指導してくれる病院(医師)は少ないです。
腎臓病の患者さんが病院に行った際の流れを説明します。
医師は、血液検査や尿検査の結果を患者さんに報告します。「今回は、タンパクが尿に出ていますね、潜血も確認できます。前回よりも少しよくないですね。」と患者さんに説明します。患者さんはその説明を聞きます。
ここで、とても不思議な光景に出くわします。その光景とは、医師がいうセリフです。「では、○○さん、いつもと同じ薬を出しておきますので、また来月来てくださいね」。ということを平然といわれます。
患者さんからすると、先月より結果が悪かったので、来月に向けて、何か回復に導いてくれる「指導」をして頂けるのではないかと期待しています。しかし、そのような指導はありません。
例えば子供が通う塾で数学のテストが悪かったなら、次のテストまで弱い所を克服するための「指導」と「宿題」を塾は生徒に課せます。しかし、病院では検査結果が先月より悪いにもかかわらず、患者さんに、何の「指導」や「宿題」もなく「来月に来てください。」となります。
塾の場合なら、先生に指導を受けて、生徒は次回のテストが前回よりも良くなるように努力します。しかし、病院では、医師が患者さんに指導をしないために、患者さんは努力の仕方が分からずに1か月が過ぎてしまいます。
高血圧への対応の不思議
ここで、もうひとつ不思議な例を取り上げます。それは「高血圧の治療について」です。病院で高血圧と診断された場合、その症状を抑えるのに「薬」が処方されます。薬はとても万能で、患者さんの高血圧を正常にしてくれます。しかし、それは、病気が治ったのではなく、薬で症状を抑えているだけなのです。
薬の効果で正常になった患者さんは、薬をやめたがります。そこで、患者さんは、「血圧が正常値になったので、薬をやめてもいいですか?」と医師に尋ねます。その問いに、医師は、「薬で血圧が正常になっているのですから、薬はやめないで下さい」と回答します。
ここでも疑問が生じます。薬で血圧が正常値になったのなら、次に、薬を止めても血圧が正常になるための「提案」がなされるべきです。しかし、そのような提案をしてくれ医師は少なく、驚くことに医師からは、「血圧の薬は一生飲んで下さいね」と指導されます。
道標を示さないで治るのか?
患者さんは、医師からの指導を期待しています。そのために1時間以上でも待つのです。しかし、実際は検査結果報告と、何年も飲んでいる同じ薬の処方になることが多いです。その説明の合計時間が2−3分なので病気のメカニズムや病気の解決法の説明はありません。
患者さんも、以前より賢くなってきています。そのようなシステムで病気が治るのか? いつもと同じ薬では効果が見込めないのではないか? と、感じ始めています。私の治療院にくる患者さんの多くは、病院のそのようなシステムに不満を感じています。
しかし、患者さんがそのような不満をいだいていることを、感じとっている医師は不思議と多くはありません。その理由の一つに「慣習」があります。長年やってきたことが一番と思い込んでいる先生が多いので、現状を変える必要性を感じていないように思います。
日本人は、お金のことは税理士に、病気のことは病院にと、専門家に依存する習慣があります。しかし、本来なら自分の財産や命は、自分しか守れません。よって私は患者さんに常々、このようにお伝えしています。
これからは患者さんが患者力をつけていく時代です。患者力とは、医師に依存しすぎずに、自分でも病気を治すための「知恵」と「行動力」を身につけることです。と説明しています。
それと並行して病気を治すための方向性に迷った患者さんの道標を提案しています。道標はとても大切です。間違った道標は、病気に対して知識のない患者さんを混乱させてしまいます。
私は、病気に罹りにくい体作りや病気の克服のために、出来るだけ有能な記事を書き、皆様に「患者力」をつけて頂きたいと思っています。