肝臓の症状:尿と便の色から紐解く

 肝臓は沈黙の臓器と呼ばれている
人の体内にある臓器で一番大きく、仕事量が多いのは肝臓です。その大きさですが、健康な成人男子で約1.2〜1.5s、成人女性で約1sです。食事や呼吸などで体内に入ってくるほとんどの物質は、肝臓に運ばれます。

 

肝臓は運ばれてきた物質を代謝したり無毒化したりします。まさに、人が生きていく上で無くてはならない臓器です。

 

患者さんから「一番大切な臓器は何処ですか?」という質問に対し、「体に備わっているものは全てが大切です。しかし、その中でも重要な臓器は肝臓です。」とお答えしています。

 

また、肝臓はとても頑丈にできており、多くの仕事をこなし疲弊しても表立った症状がすぐには出ません。そのことで肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。

 

 疲弊した肝臓は、多種なサインをだしている
沈黙の臓器といわれている肝臓ですが、実は多くのサインを出しています。しかし、一般の医師や健康指導者は、疲弊した肝臓が出すサインを読み取ることができないために、沈黙していると思っています。

 

例えば、尿の色が黄色く濃くなるのも疲弊した肝臓が出すサインの1つです。ここで尿の色が濃い黄色くなる原因をまとめます。

 

 ・黄疸により尿が濃い黄色になる:
赤血球の寿命(約3カ月)がくると赤血球(ヘモグロビン)は壊され、その代謝物質としてできるのがビリルビンです。赤血球(ヘモグロビン)が壊される際にできたビリルビンは、肝臓に運ばれます。

 

肝臓に運ばれたビリルビンは、胆汁の成分となり十二指腸に排出されます。しかし、肝臓の機能が低下するとビリルビンを胆汁の成分に合成できなくなり、ビリルビンの形のまま血液中に出てしまいます。そのことで、血液中のビリルビン値は上昇します。

 

黄疸というのは、血中のビリルビンが上昇すると発症します。黄疸が発症する前に、目の白い部分が黄色くなることは良く知られています。またその他に、ビリルビンが尿に排出されることで、尿の色は濃い黄色になります。

 

また、黄疸初期の尿は排尿時に泡立つ泡の色も黄色くなります。また、その尿が下着に漏れ、シミが付くと洗濯してもシミが落ちにくいことも特徴の1つです。

 

その他にも、肝臓が弱ると「ウンチが白くなる」というサインを出します。ここでウンチが白っぽくなる原因をまとめます。

 

 ・ウンチの色が白っぽくなる:
ウンチ本来の色は緑ががった黄色です。この色は、胆汁の成分であるビリルビンの色です。先ほど、肝臓に運ばれたビリルビンは胆汁の成分となり十二指腸に排出されることはお伝えしました。

 

しかし、肝臓機能が低下すると、ビリルビンを胆汁の成分に変換できなくなり、ビリルビンがは血液中に排出されます。したがって、胆汁は腸内には届かなくできなくなります。したがって、ウンチに胆汁の色素が付かなくなり、黄疸時のウンチは白っぽくなります。

 

 ・電球より蛍光灯の方が物が見やすい:
肝臓が弱るとビリルビンの処理がうまくいかず、目の白い部分が黄色くなることはお伝えしました。そのことが影響しているのか、電球の放つ色(やや黄色い)の下では字や物が見えにくくなります。一方、蛍光灯のような白い光線下では字や物が見えやすくなtります。このようになる理由ははっきりわかっていません。

 

 黄疸と間違いやすい症状
肝臓機能は正常なはずなのに、皮膚や手の平が黄色くなる人がいます。そうなると黄疸ではないかと思ってしまいます。しかし、皮膚や手のひらが黄色くなっても白目は黄色くならず、血液の検査でも血液中のビリルビンの値が上昇していないなら黄疸ではありません。

 

それではなぜ、そのような症状が出るのかというとカロチンという黄色い色素が関係しています。カロチンは、みかんやかぼちゃなどに多く含まれ、それらを食べ過ぎたときに、カロチン血症(柑皮症)という、皮膚や手の平が黄色くなる場合があります。しかしその症状は、肝臓の機能低下とはまったく関係がありません。

 

しかし、みかんやカボチャなどを多く食べた場合でも、カロチン血症(柑皮症)になる人、ならない人がいます。その原因ははっきりしていません。

 

上述してきたように、一見、肝臓とは関係のないような症状であっても、肝臓が関与していることが多くあります。なぜなら、肝臓は体のいたる所で重要な働きをしているからです。

 

人の保有する臓器・器官で最も大きく、重要な仕事をしているのは肝臓です。現代に生きる人は、ストレス対応のために多くのホルモンを必要とします。そのホルモンの材料を合成しているのは肝臓です。

 

また、現代は食品添加物、界面活性剤または環境ホルモンなどの化学物質が毎日のように体内に入ってきます。それらを解毒しているのも肝臓です。肝臓機能を高める方法は容易ではありません。なぜなら、毎日多くの仕事で肝臓が疲弊していくスピードの方が早いいからです。

 

したがって、肝臓に負担をかけない生活を心がけることが重要です。

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