アルコールを飲まないのに肝臓が弱る理由

 肝臓は疲れています
現代は環境汚染の影響で多くの化学物質が体内に入ってきます。それらを解毒している臓器は肝臓です。しかし、毎日体内に入ってくる化学物質の処理に肝臓は疲弊しています。

 

また、現代人は多くのストレスを受けて生活しています。そのことで過食したり、たばこの本数が増えたり、お酒を飲む量が増えたりします。それらを解毒しているのも肝臓です。つまり、人の臓器・器官で解毒作用を持っているのは肝臓だけです。

 

血液検査で肝臓の数値が悪い場合、決まっていわれることがあります。それは「アルコールは控えて下さい」という言葉です。しかし最近は、アルコールを飲まないのに肝機能が低下している人が増えています。

 

 非アルコール性肝炎発症の不思議
アルコールを飲まない人に肝機能の低下がみられた場合、非アルコール性肝炎という病名がつきます。日本の医療は長年にわたり、「肝臓にはアルコールが悪さをする」とくり返し説明してきたことで、患者からすると、「私、お酒を飲まないのに、なぜ?」と医師の説明に納得がいきません。

 

数年前まで、医師も非アルコール性肝炎の発症理由を的確に説明出来なかったことで、患者はさらに困惑していました。最近は、肝臓機能が低下する理由はアルコールだけではという説明が加わりました。

 

ここで、私が考える非アルコール性肝炎の発症理由をまとめます。

 

 ・食事や飲み物の影響:

 

 @男女ともアルコールを飲まない人は甘党が多く、食後にお菓子やアイスクリームを食べる傾向にある

 

 Aアルコールを飲まない人はストレス解消に、男性はラーメン、女性はパスタなどの炭水化物を好む傾向にある

 

 B男性でアルコールを飲まない人は、コカ・コーラなどの甘い炭酸飲料を好む傾向にある

 

上記したように、アルコールを飲まない人は、炭水化物やお菓子を好む傾向にあります。糖質と肝臓は一見関係がないように思われますが、糖質が体内で余ると肝臓は糖を中性脂肪に変えます。この作業は肝臓にとって大きな負担となります。

 

例えば、フォアグラはガチョウに強制的に穀物類を食べさせることで、フォアグラ(脂肪肝)を作ります。ようするに、糖質を摂り過ぎると肝臓の仕事が増え、肝臓は疲弊します。

 

 ・日常生活における化学物質の影響:

 

 @養殖の魚や家畜を育てる際に、抗生剤やホルモン剤が使用されて魚や家畜の体内に蓄積している

 

 A環境汚染により、海や川が汚れ、その影響で天然の魚介類にも化学物質が蓄積している

 

 B野菜や果物を育てる際に、農薬や除草剤を使う

 

 C食材の品質保持のために、防腐剤や保存料、または着色材が使われている

 

 D現代人は病院に通い、多種の薬を服用する

 

 E定期健診で造影剤を使った胃の検査やCT検査で大量の放射線を浴びる

 

上記したことは、日常生活における化学物質の影響の一部であり、肝臓は毎日、それらを解毒しています。そのことにより肝臓は疲弊します。

 

 ・化学物質の影響、女性の場合:

 

 @女性は毛染め・化粧・マニキュア・日焼け止め・皮膚の乾燥予防のクリームなど界面活性剤を含む多種の製品を頻繁に使う

 

 A女性は化粧を落とすクレンジング剤や、マニキュアを落とす際に使う除光液など化学物質を使用した製品を頻繁に使う

 

 B女性は入浴の際に、シャンプー・リンス・コンディショナーを使い髪の毛の手入れを入念にするが、これらの製品も化学物質である

 

上記したように、女性は毎日、化学製品を使います。その処理に肝臓は疲弊してしまいます。

 

肝臓はもともと自然界に存在していた物質に対しては、容易に解毒する能力があります。しかし、人間が作り出した化学物質の解毒には多くの労力を使うので肝臓は疲弊します。

 

現代に生きる人は化学物質を避けることはできません。しかし上述したことを認識し、できるだけ化学合成品を体内に入れない努力は必要です。

 

 ・生命維持に必須なコレステロール合成の影響:

 

 @現代人は多くのストレスに晒されることで、大量の副腎ホルモンを必要とする

 

 A「@」で説明した副腎ホルモンの材料はコレステロールである

 

 Bコレステロールはホルモンの材料以外に、脳の栄養であり血管壁や細胞膜の材料でもある

 

上記したように、肝臓はストレスに対応する副腎ホルモンの材料(コレステロール)を造っていますが、現代人はストレス下での生活が長期間続くことで、肝臓はより多くのコレステロールを合成しなければなりません。その影響で肝臓は疲弊します。

 

また日本人の食事は、メニューの70%が炭水化物で占められています。肝臓は生命維持に必須なコレステロールを合成するために、炭水化物からもコレステロールを合成します。しかし、炭水化物からコレステロールを合成する作業はとても肝臓にとって負担になります。

 

なぜならコレステロールの合成は、65%が肝臓自身が造り、残り35%はコレステロールを含む食材を利用して肝臓が合成する仕組みだからです。つまり、肝臓は炭水化物からコレステロールを合成するのが苦手ということです。

 

 ・ウイルスと過剰免疫の影響:

 

 @現代人は、ストレスが多く副腎が疲弊することで、免疫が過剰傾向である

 

 A人は、多種のウイルス・細菌と共存しているが、抵抗力が弱ることでウイルス・細菌は体内で増殖する

 

 B肝臓は体内のウイルス・細菌が体内で増殖をしないように、肝臓自身がそれらを囲い込む

 

 C肝臓で囲い込んだウイルス・細菌を過剰になった免疫が攻撃を仕掛けてしまう

 

 D免疫の過剰な攻撃はウイルス・細菌だけに留まらず正常細胞にも及ぶ

 

 E「D」の影響で、肝臓の正常細胞が傷つく

 

上記したように、長期間ストレス下で生活すると、副腎が疲弊します。副腎が疲弊すると体の抵抗力が低下し、弱った体を守ろうと免疫は逆に過剰になります。そのことで、体内に共存しているウイルス・細菌を攻撃し、正常細胞も傷がつきます。

 

上述してきたように、肝臓の仕事は多岐にわたり、なおかつ休む暇はありません。特に現代は、多くの化学物質やストレスに対応するためのホルモンの合成など、さらに仕事量は増えています。

 

数年前まで、「肝臓が弱る原因はアルコールである」という説明が、医師の口からあたり前のようにされていた時代があったことに驚きを隠せません。

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