肝臓の症状:内出血・鼻血・歯茎からの出血
肝臓の働きは重要です
人体において最も重要な臓器は肝臓です。肝臓は体を動かすためのエネルギーを作ったり、血糖を調節したりします。また、食事から摂ったタンパク質を「体内の利用できるタンパク質に変えています」。
体内にある酵素は約5000種といわれていますが、肝臓ではその半分の約2500種が合成られています。酵素が不足すると体内では代謝や触媒が起こらず体調不良の原因になります。
さらに肝臓は、各種ホルモンや細胞膜、ビタミンD の材料であるコレステロールを合成しています。コレステロールの合成力が人の健康を左右します。
肝臓は上記したように、体内で多くの物質を合成していますがそれ以外にも重要な働きをしています。それは「解毒」です。体内で解毒能力持っている臓器は肝臓だけです。肝臓は体内で発生した毒素や体外から入ってくる化学物質などを瞬時に無毒化する能力があります。
上記した以外にも肝臓の働きは列記しきれないほどです。
肝臓が弱ると内出血や鼻血がでやすくなる
何かにぶつかった訳でもないのに、皮膚に内出血の後ができたり、鼻血が時々でたり、歯茎からの出血が止まりにくくなったりする人がいます。このような症状が出ると、耳鼻科や歯科に行き原因を探しますが、これといった原因がない場合が多いです。
内出血や鼻血などは、肝臓の病気に限定されるわけではありませんが、肝臓の病気が関係していることがあります。肝臓が弱るとなぜ、そのような症状が出るのかをまとめます。
@出血を止めたり、血液を固める働きが血小板にはある
A肝臓は血小板生成に必要なトロンボポエチンという物質を合成している
B肝臓が弱るとトロンボポエチンという物質の合成力が低下する
C「B」のことで、血小板の生成力が低下する
D血小板の生成力が落ちると血液は固まりにくなる
上記したことで、原因不明の内出血や鼻血が出やすいなどの症状がでます。
また上記以外にも、肝硬変や肝がんなど肝臓病が進行した際にも、内出血や鼻血、歯茎からの出血などが発症します。そのことについてまとめます。
@肝硬変や肝臓がんが進行すると、肝臓の細胞が壊死する
A通常なら肝臓には大量の血液が流れ込むが、細胞が壊死状態であるため血液は入っていけない
B「A」のことで、肝臓に入っていけない血液は脾臓に流れ込む
C脾臓には、血小板を壊す働きがある
D脾臓にどんどん血液が流れ込むことで、血小板の破壊数も多くなる
上記したことで血小板が減り続け、出血しやすくなります。
血小板が破壊されるとビリルビンが増える
肝臓機能が低下すると血小板の合成ができなかったり、さらに肝機能低下が進むと、脾臓で血小板が破壊されることはお伝えしました。
肝機能低下の際に発症するサインで有名なのは「黄疸」です。黄疸は脾臓で血小板が破壊された際に、その副産物としてビリルビンができます。ビリルビンが増え過ぎ、それを肝臓が処理できなくなると黄疸が表れます。また、その影響で全身にかゆみが現れることがあります。
上述してきたように、一見、肝臓とは関係のない症状であっても、肝臓の影響を受けている症状が多くあります。なぜなら、肝臓は体の臓器で一番大きく、約3000億個の肝細胞が集まって形成されています。
その3000億個の肝細胞は、それぞれ独立して働くことで多彩で精妙な仕事を可能にしています。
肝臓を強くすることはとても難しいことです。世間で売られているドリンク剤やサプリメント類で「強肝」をうたっている商品が多くあります。しかし、それらの商品の多くは、強制的に肝臓を働かせています。そのような物質を摂っている間は、元気に動けていますが決して肝臓の機能が回復したわけではありません。
体の中で一番大きく、人の健康には肝臓の作用が不可欠です。その大切な肝臓に対しいかに負担をかけないかが大切です。