ヒスタミン反応を安定させる方法
ヒスタミン反応を安定させねばならない
現代人は頑張り過ぎる生き方を選択することで、体や脳をを酷使します。その影響を一番に受ける臓器・器官は副腎です。なぜなら、副腎はストレスに対応するためのホルモンを合成している器官だからです。
ストレスに対応する器官が副腎ですが、副腎が弱ると困ったことにヒスタミン反応が過剰になります。ヒスタミン反応が過剰になると異物(アレルゲン)に対し過剰に反応するようになります。つまり、あまり悪さをしない異物に対しても過剰反応することでアレルギー症状を発症します。
ここでアレルギー症状を簡単に説明します。アレルギー症状は、異物(アレルゲン)に対しヒスタミンが過剰に反応することで患部にマクロファージや好中球が集まり過ぎ、異物を攻撃することで炎症を引き起します。また、患部を治そうと体液が集まることで患部に腫れが生じます。
その過剰なヒスタミン反応を安定させることができるか否かが、慢性疾患の改善の大きなポイントになります。
手での施術や自己指圧が一番必要である
ここで、手の施術をおこなうことが如何に重要かをまとめます。
・皮膚刺激でヒスタミン反応を「手なずける」:
皮膚にはヒスタミンという異物を感知する物質が多く存在しています。副腎が弱りヒスタミン反応が過剰になることで、炎症を引き起します。その過剰反応を安定させるには皮膚刺激が一番です。
つまり、皮膚を指圧したり自宅で自己指圧することでヒスタミンへのアプローチ時間を増やします。そのことでヒスタミンが刺激に慣れてくることで過敏な反応は落ち着いてきます。このことを私は「ヒスタミンを手なずける」と表しています。昔、「寒風摩擦で喘息が改善する」と先人が言ったのは、まさに「ヒスタミンを手なずける」ことを述べていたのです。先人の知恵には驚かされます。
・神経の働きを調和する:
生体の精妙な働きは、脳から伸びる神経系が正常ではないとおこなえません。生体の全ての働きは、全身に張り巡らされた神経系の支配を受けています。
その神経系の1つに自律神経があり、心臓や胃、または腸やホルモンを分泌する内分泌器官の働きに関与しています。自律神経系に支配された場所の働きを、自分自身の意思でコントロールすることはできません。しかし、皮膚を刺激することで呼吸や心拍が整います。その理由は、皮膚刺激をおこなうことで、全身に張り巡らされた神経の伝達網の働きが調和されるからです。
また、その他、皮膚を指圧する利点をまとめます。
@骨格を整える
A体液を動かす
B臓器・内分泌器の働きを調整する
C 結合組織(筋肉や靭帯)を柔軟にし滞った老廃物を除去する
脳が緊張状態になると、筋肉や靭帯の結合組織は硬くなります。また、体を酷使した際にも結合組織には乳酸などの疲労物質が蓄積します。そのような症状はヒスタミンが過剰に反応することでも起こります。したがって、ヒスタミンの反応を安定させれれば多くの症状の発症を抑えることができます。
皮膚や指には感覚器官が多く存在する
皮膚を刺激することで体の機能が調和され、改善方向に向かうことはお伝えしました。その理由は、皮膚には知覚神経の終末部分である神経終末が存在しているからです。
その作用は、皮膚が受けた感覚を脳に伝えるために全身に神経がくまなく分布し・痛い・怖い・冷たい・暖かいなどの感覚を電気信号に変えて知覚神経に伝えています。
また、皮膚刺激が筋肉層に達すると、筋肉組織に分布する神経終末からはアセチルコリンが放出され、筋肉細胞に存在する受容体に受け取られます。これにより、筋肉細胞に電気刺激が加わり筋収縮が引き起こされます。
このように、皮膚を刺激することで神経伝達が活性したり、刺激を受けた場所からは神経伝達物質が造られます。しかし、ヒスタミンが過剰に反応してしまうと、その影響で神経伝達が過剰になり過ぎたりすることで生体の調和が乱れてしまいます。
刺激を与えるのは指(指圧)が一番である
このような反応を正常化させるには、指圧が一番であると私は思っています。その理由は、手の指(指紋部)には、触角小体があるからです。触角小体の刺激は、細胞膜にある感覚器を目覚めさせ、その刺激によって細胞膜に電位差が発生することで、栄養素の取込みや老廃物の排出がスムーズにおこなわれます。
また指圧による皮膚刺激は、生体に活気を与えたり、異物に対する抵抗力がついたりすると考えられています。このような作用は、科学的には解明できないのですが、皮膚を指圧することで、上述してきた体の相互作用を正常化させることができているのではないかと私は考えています。
人類は進化し、多くの病を患います。そこで現代医学は、それを治そうと遺伝子治療や手術、または薬を併用して病の改善に立ち向かっています。そのことを必要とする病も多くありますが、皮膚を手で刺激するという「本能が求めている方法」を加味しても良いのではないでしょうか。
ここでの重要なことは、ヒスタミン反応を安定させることです。その方法は副腎を回復させることと、皮膚刺激をしてヒスタミンを「手なづける」方法があります。
ヒスタミン反応によって、体液や白血球を集めた部位は脳によって記憶されます。つまり、一度毒素や抗原が入った箇所はトラウマとなって記憶に残り、花粉などが侵入した際に花粉だけを排除するのではなく、過去に異物に侵された箇所に対してもマクロファージや好中球や体液を集め、過去に侵された患部を守ろうとしてしまいす。
私たち現代人は、頑張り過ぎる生き方を選択することで、副腎が疲弊し、自分が弱ることでヒスタミン反応が過敏になる傾向があります。その結果、副腎からホルモンが過剰に生産され、さらに副腎は疲弊します。その「負の連鎖」を断ち切るために副腎を含めた各臓器の機能を落とさず、疲弊させないようにしていく必要があります。
ヒスタミンが過剰に反応しいようにすることは自宅でもできます。それは自分自身で行う「自己指圧法」です。自己指圧の必要性ややり方はこの「自己指圧の必要性」を参考にしてください。