副腎疲労症候群への対応:塩分・果物について

 副腎疲労症候群と塩分について
一般の方は塩を取り過ぎないほうが良いです。しかし、副腎疲労症候群を発症している場合はその常識が当てはまりません。

 

なぜなら、副腎が疲労することで副腎が造るホルモンの一種、アルドステロンの生産が低下しているからです。アルドステロンは体内の水分の維持と塩分(ナトリウム)の維持に関与しているホルモンです。

 

アルドステロンの分泌量が低下した場合、体内の塩分(ナトリウム)が保持できずに体外に排出されます

 

したがって副腎疲労症候群を患っている人は、異常なほど塩分が欲しくなります。私の治療所に来院する患者の中には、外出時に「マイソルト(自分用の塩)」を持ち歩く人もいます。

 

しかし、一般の医療施設では副腎と塩分の関係を理解している医師は少ないので、塩分の摂取を規制されます。そのことを聞き入れ、塩分を減らした人は極度の疲労感に見舞われることがあります。

 

 塩分は摂るべきか否か
副腎疲労症候群に詳しいジェームズ・L・ウイルソン医師は、治療途中に患者本人が「塩が異常に欲しいと感じる場合、塩分は摂るべきである」と述べています。

 

塩分の摂取の一例を紹介します。

 

朝起きた際に飲む水に塩(小さじ4分の1ほど)を入れて飲むことで、午前中が活動的に動けるかどうかをみます。それでも体調の不調がある場合、翌日は塩の量を小さじ4分の2まで増やしてみます。

 

そのことで、体調が著しく回復することがあると、ウイルソン医師は述べています。さらに、副腎疲労症候群を患っている人の大多数は低血圧であるので、過剰すぎない塩分摂取で血圧が上昇し過ぎることは稀であるとも述べています。

 

ただ塩分を、「精製炭水化物や脂肪分と組み合わせて摂取することは、塩分の摂取の弊害がでるので避けるべきである」と述べています。

 

ここで、副腎疲労症候群を患っている人の塩分や水分摂取の注意点をまとめます。

 

 @どのような塩分がよいのか:
副腎疲労症候群を患っている人が摂取する塩分は、食卓塩(ナトリウムのみ)よりも海塩をお勧めします。なぜなら、食卓塩(ナトリウムのみ)より微量ミネラルが多く含まれているからです。

 

 A水分だけの補給は適さない:
副腎疲労症候群を患っている人の中には、積極的に水分を摂取する人がいます。しかし、水分を多く摂取すると血液中の塩分(ナトリウム)はさらに希釈され、体調が崩れる原因になります。

 

したがって、副腎疲労症候群を患っている人は水分だけを摂取するのではなく、水にナトリウムを溶かして飲む必要性があります。

 

 Bスポーツドリンクはどうか:
脱水状態の時に推奨されている飲料水に、スポーツドリンクがあります。ナトリウムやカリウムなどが入っていることで一見、副腎疲労症候群を患っている人にも良いように思えます。しかし、そこに落とし穴があります。

 

スポーツドリンクは、カリウムが多くナトリウムが少ないです。副腎疲労症候群を患っている人は、ナトリウムが体外に排出されることで体内のナトリウムが少なくなる半面、カリウムが多くなっています。

 

その状況でカリウムが多いスポーツドリンクを摂取すると、体内のカリウム濃度はさらに上昇し体調不良に見舞われます。

 

 果物などのカリウムが多い食品にも注意する 
旅行でホテルに宿泊した際の楽しみにバイキング形式の朝食があります。好きな食材だけを選べ、多種な食品を食べれることができるからです。

 

しかし、副腎疲労症候群を患っている人には、バイキング形式のスタイルは注意が必要です。バイキング形式の朝食には決まって、オレンジやグレープフルーツのジュースが用意されています。また、多種な果物も盛られています。

 

朝一番に、胃の消化酵素に刺激を与えるオレンジやグレープフルーツのジュースを飲み、食後には日頃あまり食べない果物をお皿に大量に盛って食べます。

 

そのことで、体内に過剰なカリウムが摂りこまれます。副腎疲労症候群を患っている人は、体内のナトリウムが少なくカリウムが多くなっています。そこに、果物に含まれるカリウムを摂取することで、体内はさらに高カリウムの状態になります。

 

副腎疲労症候群を患っている患者は、なぜ食後に疲労感に見舞われたか理解できない人が多くいます。その原因に、健康に良いとされている果物(カリウム)が関係しているとは思いもよりません。

 

また、果物に含まれる果糖(フルクトース)の影響で血糖値が上がり、その後低血糖になることでも体調が不良に繋がります。

 

 副腎疲労症候群が回復するまでは一般常識とは違う食生活になる
一般的には「塩分はダメ・果物は良い」とされています。しかし、副腎疲労症候群を患っている場合は、一般的な常識とは真逆になります。

 

確かに塩分を過剰に摂ることはお勧めできません。しかし、副腎疲労症候群を患っている場合、症状が回復すると塩分は欲しくなくなります。したがって、症状が回復するまでの間は塩分が必要なのです。

 

症状が回復すると、ナトリウムとカリウムのバランスが保たれるようになり、少量の果物の摂取も可能になってきます。

 

日本の医療機関で副腎の大切さを唱える医師は少ないです。それは血液検査では副腎の疲労度が分からないからです。したがって、副腎が疲労した際の食事法の知識を持ち合わせていない医師からは、塩分の制限を指導され、そのことでさらに体調が悪化します。

 

現代に生きる人は副腎が造るホルモンが多く必要です。その副腎がホルモンを造らねばならない状況が多くあり過ぎて疲弊してしまいます。

 

日本ではあまり重要視されていない副腎の大切さを再認識してください。

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